覚醒剤の社会史―ドラッグ・ディスコース・統治技術

著者 :
  • 東信堂
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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887136717

作品紹介・あらすじ

覚醒剤はその背後に夥しい社会的・歴史的視線をまとっている。その単なる薬理を超えた社会性を端的に示す「ヒロポンと覚醒剤とは違うものだ」とのひと言に導かれ、医学論文、国会会議録、使用者の告白など、言説分析を基底とする詳細な探究を通じて、覚醒剤そしてドラッグという現象の成り立ちを明らかにするとともに、さらに今日の社会のありようにまで考察を進める、わが国初のドラッグの社会学。

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  • 著者:佐藤哲彦
    カバーデザイン:高木達樹


    【目次】
    題辞 [/]
    はしがき(著者) [i]
    目次 [iii-xi]

    タイトル [001]
    編集部注 [002]


    序章 覚醒剤の社会史―ある奇妙な「何か」から考えはじめること 003
      1 はじめに 003
      2 社会学的に考える、ということ 004
      3 犯罪と統治技術 006
      4 ドラッグについて 008
      5 技術について 009
      6 覚醒剤という現象 012
      7 本書の構成 015


      第一部 ドラッグ政策研究と方法論の検討 021

    第一章 ドラッグ問題とドラッグ政策研究―リンドスミスのドラッグ研究 023
    Ⅰ ドラッグ政策の歴史的背景 023
      1 流通統制 24
      2 使用統制 25
    Ⅱ 依存理論とドラッグ政策研究 028
      1 依存理論 28
      2 政策研究 32
    Ⅲ ドラッグ政策を左右する要因 034
      1 連邦麻薬局と最高裁判決 34
      2 犯罪化政策の原因 36
    Ⅳ 初期ドラッグ政策研究の図式 038
      1 政策研究の図式 38
      2 利害関心・行為・結果 39
      3 言語活動と状況への包摂 41
      4 受容という結果 43

    第二章 政策と道徳―機能分析という方法 049
    Ⅰ 政策に対する機能の分析 049
      1 機能分析 49
      2 検討 51
      3 機能分析にともなう問題(1)―機能の記述 53
      4 機能分析にともなう問題(2)―客観主義の問題 56
    Ⅱ 被害者なき犯罪 060
      1 被害者なき犯罪の機能 60
      2 道徳的な語り方 61
    Ⅲ モラル・パニック論 063
    Ⅳ 法と道徳 066
      1 法が先か道徳が先か 66
      2 サンクションの調査研究 70
      3 当事者の発話 72

    第三章 ディスコースの分析―方法論的ディスコース主義 079
    Ⅰ 言語的活動について 079
      1 言語行為について 80
      2 提案と承認 83
      3 ディスコース分析 85
      4 発話とテキスト 87
      5 テキスト分析の事例(その一) 89
      6 テキスト分析の事例(その二) 94
    Ⅱ 文脈的状況と客体化機能 098
      1 状況づけられた道徳 99
      2 ディスコースの客体化機能 102
      3 カテゴリーの提案と承認 108
      4 経験の組織化 112
    Ⅲ 社会問題構築論と逸脱の医療化論 115
      1 社会問題構築論とその問題点 115
      2 逸脱の医療化論 119
      3 もうひとつの説明方法へ 120


      第二部 覚醒剤現象の研究

    第四章 初期医学的諸研究―薬理作用の探究 133
    Ⅰ 覚せい剤取締法案の合理的根拠 134
    Ⅱ 初期の諸研究 137
      1 堀見太郎ほか「精神状態二及ボス”Hospitan"(Phenylmethy-aminopropan)作用二就テ」 138
      2 三浦謹之助「麻黄より製出せる除倦覚醒剤に就て」 148
      3 有山登「新興奮剤β-phenylisopropylamin」 156
      4 その他のテキストについて 163
    Ⅲ 初期医学的諸研究のディスコース編成 169

    第五章 覚醒剤中毒のディスコース編成―探究から鑑定へ 175
    Ⅰ 新たな文脈的状況の提案 175
      1 急性中毒現象の説明 175
      2 新たな文脈的状況の提案再び 181
      3 混在する文脈的状況 185
    Ⅱ 覚醒剤中毒のディスコース編成 186
      1 新たな説明編成 187
      2 総説とその実践 194
      3 各論の新たな編成 199
      4 特定カテゴリーと問題の結びつき 203
      5 中毒性精神病への連続性 209
      6 「中毒者」の機能 215
    Ⅲ 探究と鑑定 223
      1 中毒ディスコースの成立 223
      2 探究から鑑定へ 225
      3 領域編成の変化 227
      4 病理と価値 229

    第六章 法案審議にいたるまでの過程―前提的に構築される他者性 238
    Ⅰ 特定カテゴリーと覚醒剤の結びつき 240
      1 特定の使用者とその使用 242
      2 軍部への言及 249
      3 浮浪児と青少年 252
    Ⅱ 法案審議にいたるまでの諸局面 255
      1 問題の所在 256
      2 覚醒剤言及の限定性 261
      3 混在する意味とひとつの予兆 267
    Ⅲ 青少年問題 269
      1 二つの原因説 270
      2 青少年問題協議における精神衛生 276
      3 青少年問題協議における覚醒剤 281
    Ⅳ 薬理作用の強さ 288

    第七章 法案成立、そしてその後―新たな他者性の構築 299
    Ⅰ ある「回顧」の意味するもの 299
    Ⅱ 国会審議 302
      1 審議の再開 303
      2 新たな水準設定と立法可能性 307
      3 法案作成上の技術的処理 310
    Ⅲ 覚せい剤取締法の成立とその後 328
      1 法案可決 328
      2 所持と密売 332
      3 取締法成立 334
      4 外国人表象における加害者の合流 337
      5 精神異常犯罪 348
    Ⅳ 覚醒剤の意味の変化 354

    第八章 覚醒剤使用者の告白―語りの同心円構造 367
    Ⅰ 使用者の語りと他者の語り 367
      1 安吾的経験 367
      2 尾崎的記述 370
    Ⅱ 他者の語りの制度化 375
    Ⅲ 覚醒剤中毒告白の同心円構造 380
      1 親という他者の語り 380
      2 自己にかんする自己の語り 385
      3 覚醒剤中毒告白のディスコース編成 390
      4 「白い粉の恐怖」における語り 392

    終章 覚醒剤ディスコースと統治技術―何が思考されなかったのか 403
    Ⅰ 薬理効果とドラッグ 404
      1 ドラッグとは何か 405
      2 他者性の象徴 407
    Ⅱ 社会を召喚すること 408
      1 前提的に構築されるもの 409
      2 統治技術としての精神科学 411
    Ⅲ 方法論と「考える」こと 415
      1 記述と説明 415
      2 既存の研究の意味 418
    Ⅳ 物語の反復 420
      1 嗜癖と回復 420
      2 別の可能性 425
    Ⅴ 表現すること、思考すること 428
      1 文章構造と現実の構築 428
      2 何が思考されなかったのか 431


    あとがき(二〇〇六年三月 佐藤哲彦) [437-440]
    参考文献・引用資料 [iii-xvi]
    索引 [i-ii]

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著者プロフィール

2017年4月現在 関西学院大学社会学部教授

「2017年 『社会学入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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