アウシュヴィッツを越えて―少女アナの物語

制作 : Anna Heilman  平戸 久美子 
  • 東洋書林 (2005年5月1日発売)
4.33
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  • Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887216990

アウシュヴィッツを越えて―少女アナの物語の感想・レビュー・書評

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  • 酷い話だ。
    エゴイズムは人間生活の原動力であることが収容所の生活を見ているとわかる。
    アウシュビッツの軍需工場で働いていたユダヤ人女性の手記によると当時の工場での様子を次のように記している。
    手抜きをしたり、測定しない部品を次に送ったりするのは問題外だった。それは私の左手にある機械ですぐに見破られてしまい、労働法規がただちに報告される。早く、早く!私がどれだけ必死に働いているか見せてやるのよ!次々に、その小さな部品は私の手から次の手へと渡って行った。目は測定器を見続けている。両手は休みなく動き続ける。もう手にも目にも感覚がない。前かがみを続けているので背中が傷んだ。止まっちゃダメ!疲れた顔はできなかった。気づかれないように目を閉じた。(P210)

    囚人が製造している差し込み部品は大切に注意深く扱われ、ひどい目にあったりはしない。大勢の人がこの部品は貴重で、きれいで、完全無欠と保証する。では私たちは?誰が私たちのことを心配してくれる?誰が最低下の衛生状態を保証してくれる?寒い点呼の間、いったい誰が私たちを温めてくれる?食べられないような食事を私たちに与えているのは誰?これが戦争なのだ!武器や弾薬の方が、人間という名の家畜より大切なのだ。労働する肉体はいくらでも手に入る。しかもお金がかからない。差し込み部品は常に完璧でなくてはならない。傷物は置き換えがきかないのだ。だから私たちは、この高価な物資が無駄にならないようにしなくてはいけない。私たちは持てるもの全てを差し出さなくてはならない。私たちの血、汗、力。私たちは使い捨てだ。貴重な物資をひとつでも無駄にしようものなら、首を差し出すことになる。私たちの首は簡単に飛ぶ。ここの仕事につくのを大勢が待っている。だから気を張り詰めて測定器の小さな針の動きを逐一追いかける。だから巨大な機械の振動によく注意して、ピストンを落とさないように手で持ち上げる。主任に認めてもらうために、お互いが競争する。「解雇」という恐ろしい言葉をいつ耳にするかとひやひやしながら。本物の機械の方には、生産量が割り当てられた。機械操作かかりは休みなく働き続け、昼休みさえとらないこともあった。もし機械が故障でもしたら、恐ろしいことになる。命取りだ。5分でも仕事時間gあ減れば、ノルマが達成できなくなり、それは労働放棄とみなされるのだ。(PP212-213)

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