- Amazon.co.jp ・本 (439ページ)
- / ISBN・EAN: 9784887217041
感想・レビュー・書評
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[ 内容 ]
“美”とはなにか?
絶対かつ完壁な“美”は存在するのか?
“真”や“善”“聖”との関係は?
―古代ギリシア・ローマ時代から現代まで、絵画・彫刻・音楽・文学・哲学・数学・天文学・神学、そして現代ポップアートにいたるあらゆる知的遺産を渉猟し、西洋人の“美”の観念の変遷を考察。
美しい図版とともに現代の“知の巨人”エーコによって導かれる、めくるめく陶酔の世界。
[ 目次 ]
ギリシアの理想美
アポロ風の美とディオニュソス風の美
均衡と調和の美
中世の光と色彩
怪物の美
牧場の少女から天使のような貴婦人へ
15・16世紀の魔法の美
貴婦人と英雄
優美から不安の美へ
理性と美
崇高
ロマン主義の美
芸術至上主義
新しい物体
機械の美
抽象的な形から素材の深みへ
メディアの美
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世の中に数ある美術史の学術書でこれが秀逸というわけではないが、なにかと話題のエーコを覗いておくのも悪くは無い、というわけでちょっと拝見。
「薔薇の名前」「フーコーの振り子」の作者エーコだからというのでなにか特別な美学があるのかと思いきや、通常の美術史にそった章の展開。特徴があるとすれば、「醜の歴史」とセットにしてサブカルチャー研究の台本になっている点だろう。
巨匠の著作に対してお仕着せがましい解釈を付け加えてみても噴飯ものにしかならないので、「醜の歴史」とあわせて世界中で人気があるビデオレクチャーぐらい見ておくとよいだろう。
On The History of Ugliness
http://videolectures.net/cd07_eco_thu/ -
魅惑的な西洋アートの通史。「美とはなにか」をうっとりするような図版と引用ともに1週間以上かけて読み進めたのは贅沢な時間だった。記号論の泰斗エーコは西洋における古代から現代にいたる各時代の芸術を特色づける象徴と意味を明快に解読する。するとあら不思議、魑魅魍魎が手術台から逃げていく。実際、西洋美学は、調和と輝き,理論と神に支えられながらも、裏から底から、不安や幻想、謎や暗黒がひっきりなし顕現するのだ。端的にいえば調和と不協和、意識と無意識、光と影の二元論が永遠に交替するよう。計測され構成された理性の世界というのはそれだけ抑圧が強いのか。それはグローバルな世となり西洋東洋南洋北洋の彼我の壁は取り払われ、人類ひとくくりとなった今も変わりはない。美学は芸術ということばに隔離され絶滅に向かったのではなく、逆に普遍化顕在化して大量生産。根源的不安も抱き合わせに拡散しているのだなと実感する。やはり人は美から切り離せないと美にとりつかれたわたしは考える(しかし本書で視覚に訴える絵画が強い磁力を発するのに対し、翻訳されてしまった「ことば」はやはり鮮度が落ちる。もちろん音楽は表記できない。本にまとめるのも大変だ)
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【由来】
・amazonでエーコの本を探してて。
【期待したもの】
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※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
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【ノート】
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【目次】 -
10年以上昔に買ったのだが、パラパラと絵を眺めるだけで、文章は読んでいなかったのだが、遅ればせながら、文章を読みながら、絵を眺めてみる。
古代ギリシャ・ローマ(一部それより古いのもある)から、中世、ルネサンス、ロマン、印象派、現代美術、ますプロダク商品やメディアに至る「美」の歴史。
思ったより、真っ当な美術史の教科書みたいな感じかな???
著者は、「美」という概念が時代とともに変化し、相対的なものでしかない。今の時代において、美の基準はなく、「完全なるシンクレティズム(諸説混合主義」)に降伏するしかない」ということ。
と言っても、これはやっぱ西洋(特に西欧)の美の歴史ですね。確かに美の概念は変わるのだけど、日本人的には、ある種の共通性もある気がしてしまう。
これを世界レベルでやったら、より美の概念の相対化が進むのか、なんかよりダイナミックな何かが出てくるのか。
もちろん、それをエーコに求めても仕方ないのだが。。。。 -
様々な意味での「美」をそのイメージとともに集めたもの。一冊手元に置いておきたい。
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読み終わったっていうか、流し読み…。内容が濃くて面白いけど、それだけに読み下すのに時間がかかる…。時間に余裕がある時にじっくり取り組みたい。図はフルカラーで素晴らしい。「バウドリーノ」の中に出てくる中世の事物も紹介してあって、エーコの頭のなかをちょっと覗いた気分になれる。
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書かれていることが難しい。
絵画鑑賞用になっている・・