コナン・ドイル伝

  • 東洋書林
4.00
  • (0)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 42
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (568ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887217607

作品紹介・あらすじ

アメリカ探偵作家クラブ賞を受賞したにもかかわらず、刊行後10年を経てなお邦訳の機会に恵まれなかった充実の評伝が今ここに!良質のパスティーシュ作品をものする筋金入りのシャーロッキアンたる著者と、最新のホームズ個人全訳をなしとげた訳者による決定版。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【書評】川成洋(読書人2010.03.26日)

  • コナンドイルは、シャーロックホームズの作者ということくらいしか知らなかったが、実は文学以外の分野でも、当時のイギリス社会に多大な影響を与えた偉大な作家だったらしい。
    父方の家系は芸術方面に才能を発揮したが、父は酒の影響で精神を病んでおり、彼自身の生い立ちは不遇だった。家計を助けるために医学を志して、船医になり、その後小さな町で開業医として生計を立てながら、小説を書き続ける。そのような状況で、出身大学の教授をモデルにして書いたシャーロックホームズの小説が大衆に受けて、ベストセラー作家となる。彼は推理小説だけでなく、18世紀の歴史ものや戦争ノンフィクション、舞台の脚本、空想科学小説等を書く。その後、徐々に政治に関心を抱き、議員に立候補したりするが失敗に終わる。第一次大戦で多くの身内を失い、以前から関心があった心霊現象に興味を抱き、心霊主義の布教に関わるようになる。コナンドイルの人生は、小説家としての成功の後、心霊主義への傾倒で大きく変わる。有名人としての発言で社会に大きな影響を与えながらも、一方で心霊主義に凝る胡散臭い人物として見られていたようだ。また一途で大らかな性格であったようだが、反面、他人を信頼し過ぎたり、信じ込み易い性格のために失敗も多かった。スポーツ(時にクリケット)を好み、ボーア戦争に医師として同行したり、精神的にも体格も図太くて、ホームズのような繊細な人物とは全く違うタイプだったようだ。
    この本では、コナンドイルの波乱万丈の人生を紹介していてとても面白かった。彼の人生は全く知らなかったので、次にどんな展開が待っているのか、シャーロックホームズの小説を読むように推理しながら読めた。
    彼は作家には経験と観察力が必要というが、これは現代の作家にも必要な資質ではないかと思う。

  • 2010.02.28 日本経済新聞で紹介されました。

全4件中 1 - 4件を表示

ダニエル・スタシャワーの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
コナン・ドイル
遠藤 周作
劉 慈欣
村上 春樹
ヴィクトール・E...
コナン ドイル
コナン・ドイル
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×