- Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
- / ISBN・EAN: 9784887217690
感想・レビュー・書評
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ウンベルト・エーコ氏の文学と美術のありあらゆる知識に脱帽。あまりの情報量と残酷な内容に脳が追いつけなくなり、断念。
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醜とは何か。
本書はウンベルト・エーコが様々な観点から醜について論じている。論じているわけだが、多彩な絵画や写真、引用を用いているので、画集のようでもある。
印象としては、宗教的な醜(悪魔的、異教的)や病気、差別的なものなど、異なるものに対して醜と捉えるという視点で展開されているように感じる。それは、主に西洋的な感覚であって、東洋人的には、異質と感じる部分もある。 -
醜いものから目を逸らして生きていくのは簡単だが、昔の人々が何を醜いと感じたのかを体感したような気分になれた。
絵が多く、文章よりもインパクトを感じて美術館に行ったような体験であった。 -
芸術新潮2022.2
山下裕二の新·今月の隠し球②で
大西茅布(オオニシ チフ)を知る。
記事によると、父から小学生のころ『醜の歴史』を与えられ模写していたらしい。
どんな本かと見てみたら(文章は読んでない)、なかなかの内容。小学生には見せにくいけど。
だからかな、わが子は平凡に育ってしまった。
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[ 内容 ]
現代の「知の巨人」エーコが、絵画や彫刻、映画、文学など諸芸術における暗黒、怪奇、魔物、逸脱、異形といった、恐ろしくぞっとするものを徹底的に探究。
本書は、世界的に好評を博した『美の歴史』の手法により、「醜」の多様性と傾向を明らかにする。
なぜ我々は死、病、欠陥を恐れるのだろうか?
はたまた醜さが持つ磁石のような魅力はいったい何に由来するのだろう。
ミルトンのサタンから、ゲーテのメフィストフェレスまで、魔術と中世の拷問から、殉教、隠者まで、神話上の怪物から、夢魔、食人鬼、デカダンス、あるいはキャンプ、キッチュ、パンク、さらには現代美術まで、実に興味深い構成とトピックにより議論が展開される。
[ 目次 ]
古典世界の醜
受難、死、殉教
黙示録、地獄、悪魔
モンスター(怪物)とポルテント(予兆)
醜悪なもの、滑稽なもの、猥褻なもの
古代からバロック時代までの女性の醜さ
近代世界の悪魔
魔女信仰、悪魔崇拝、サディズム
フィジカ・クリオーサ(肉体への好奇心)
ロマン主義による醜の解放
不気味なもの
鉄の塔と象牙の塔
アヴァンギャルドと醜の勝利
他者の醜、キッチェ、
キャンプ
現代の醜
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ] -
顔の美醜だけではありません、異形の物と呼ばれる動物や悪魔なんかも含めて「醜とは?」が歴史を辿りながら語られていきます。ただし、注意して頂きたいのがかなりグロテスクな写真なんかも入ってますので苦手な人は避けた方がいいかも。見た時にかなり吃驚してしまいました。さて、これから「美とは?」がどう変化していくのかが楽しみです。
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こわいきもい絵がいっぱい。でも絵だし大丈夫だいじょうぶユーモラスなものもあるしと面白がってペラペラ見てたら後半にマジモンがあってキツくなる。エーコ先生の解説だったはずだが、いつの間にか世界の文学からの引用に頼るようになってくるという編集。あらら。
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古典文学から美術や魔術なんかの悪魔とか異形とか
あらゆる意味合いの「醜さ」を、もう山盛りで紹介解説の本。
引用文献も写真や挿絵も多く、文字数も、ページ数も
めまいがするほど多く、寝てしまうこと必至。