本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784887243873
作品紹介・あらすじ
冷戦時代、著者は芸術作品を密かに運び出す使命をおびて初めてプラハを訪れた。かつて黄金都市として皇帝ルドルフ2世のもと発展をとげた都市は、さながら忘れられた恋人の風情だった。作家はおのれの不実を恥じつつ、プラハの魅力にとらわれ、幾度となくプラハを訪問することになる。錬金術の都として名を馳せ、美しい中世のたたずまいを残し、冷戦時代にはソ連の衛星諸国の一国としての苦労を強いられた都。その過去を遠望し、住人と交わり、芸術都市としてのプラハを愛でる。
感想・レビュー・書評
-
幅広の帯には本文で取り上げられている写真家スデクの作品があしらわれている。冷戦時代、アメリカに暮らす息子のために、と外国人(著者)にスデクの写真の密輸を依頼する大学教授の話、ルドルフ二世の話、プラハの友人知人のこと、ルドルフの宮廷を訪れた天文学者であり、著者の小説の登場人物でもあるティコ・ブラーエやケプラーのエピソード等々が著者のプラハに対する私的な幻想、憧れ、妄想をはさみながら語られる。都市ガイドシリーズと銘打たれた一冊だが、むしろこの都市へのラブレターめかした一編の小説だろう。
詳細をみるコメント0件をすべて表示
全1件中 1 - 1件を表示