氷の魔物の物語 3 (いち好き・コミックス)

著者 :
  • 冬水社
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (149ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887410916

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  • (あらすじ)
    村の人間を殺した魔物が、もう一人の「自分」だと知ったブラッド。
    『人間は殺さない』というイシュカとの約束を守るため、
    ブラッドはかつての「自分」を始末する事を決めるが…。


    (感想)

    ブラッド(北の魔物)×イシュカ(1度死んだ人間)

    魔物とは…?
    存在した時から1人で生きてきた分身
    それはブラッドも同じで、誰からも良いも悪いも教えられていないし
    必要なかった(魔物だし)
    そんな分身が本能でイシュカを選んでる。
    (何もかもがブラッドと一緒)
    勿論、分身を殺して取り戻すわけだけれど、
    イシュカに出会い、いろんな感情を吸収していくうえで、
    分身を通して過去に自分が起こした行動を振り返るブラットがなんだか痛いな。


    後半はイシュカの死んだおばあさんが絡んでくるお話(泣けるなぁ。)
    ブラッドに助けられ旅は続くのですが、今度は湖で、ある魔物に遭遇
    その魔物は誰かを探してるという。
    それは昔、自分を怖がらず、自分の名前を与えた少女。

    少女はその名前を大事にする、呼び続けると約束するのですが
    その後、寺院の者に連れて行かれたままどうなったのか。
    だけどその魔物は少女の言うことが信じられず
    魔物の自分を呼んでくれるはずない、名前を使ってくれてるわけもないと…
    でも魔物はその少女を探し続けてる。

    イシュカはその少女と同じで、自分を怖がらずに接してくれる
    もしかしたら?と思い始めたときに、寺院のお坊さんが登場で
    イシュカが自分を裏切ったと勘違い。
    イシュカは違うと訴えるのですが、魔物は聞かず
    それならお前の名前を教えろと!
    (魔物にフルネームを教えるということは、契約をするということ
    その魔物から一定距離以上離れられなくなくなる)
    イシュカは躊躇わず自分の名前を言うのですが
    それと同時にお坊さんが魔物を始末してしまうのです。

    その時イシュカが言った自分の名前
    「イシュカ・ライク・シエル・バイス・エル」
    それこそがこの魔物が少女に与えた自分の名前
    その少女が大事に使い、呼び続けると約束した名前だったのです。

    その夜、イシュカが眠りに付いたときに、その魔物は現れるのですが
    一緒に現れたのがなんとイシュカの死んだおばあさん!!
    (勿論、その魔物とであった時の若いままの姿)
    幽霊になってやっと魔物の側に行く事ができたみたい。
    だけど死んですぐに魔物の側にいけなかったみたいで
    そのあたりちょっと?な感が自分のなかであったのですが
    とにかく良かったよ~っ!!


    さてその魔物を退治しに来たという寺院のお坊さんが新キャラで登場。
    そこでブラッドとイシュカに出会い「魔物とは?」を考えるのです。

    魔物にとって人間は食べ物…
    人間にとって魔物は闇であり…恐怖であり…嫌悪するもの……
    魔物と人間がわかり合えることはない、永遠に…
    だから魔物は排除する

    本当は?

  • 再読日:2011年12月31日
    あんなに天然なのに眼鏡を外したら格好良くなるとは何と言う事でしょう。
    おばあちゃんっ子のイシュカ。
    今はもう亡き祖母の思い出と、
    その祖母が10代頃に出逢った魔物との回想が語られます。

    何度読み返しても
    「レイク・シエル・バイス・エル」と「水の上で君と」は感動します。
    孤児だったが故に本来の名前を忘れてしまった少女。
    名前があるが魔物故に無意味だと言う魔物。
    最後の最後で想いが通じて再会出来て感涙しました。

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