ポケット詩集

制作 : 田中和雄 
  • 童話屋
4.14
  • (86)
  • (55)
  • (50)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 606
レビュー : 74
  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887470033

作品紹介・あらすじ

昔の少年は詩をよく読んだものだ。それも、とびきり上等の詩ばかりを、だ。そしてよく考え、「足る」を知った。みんなへっぴり腰を恥じて涼しげな目の下に、素朴な正義感をひそかにかくしていた。子どもよ、そして子どもの心を持った大人たちよ、この時代にとびきり志の高い詩を読みなさい。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この詩集の中には、田中和雄氏が編集した、27人の詩人が書いた、33の詩、田中氏が、まえがき で書かれているとおり、とびきり上等のいい詩が載せられています。
    宮沢賢治、茨木のり子、まど・みちお、大岡信、吉野弘、三木卓、草野心平、工藤直子、石垣りん、長田弘、岸田衿子、濱口國雄、山之口貘、高橋睦雄、新川和江、与謝野晶子、谷川俊太郎、高村光太郎、金子光晴、などなどの、そうそうたる詩人達の、名詩達の中で、1つ、お気に入りの詩を、上げるとしたら、

    なのだソング     井上ひさし

    雄々しくネコは生きるのだ
    尾をふるのはもうやめなのだ
    失敗おそれてならぬのだ
    尻尾を振ってはならぬのだ
    女々しくあってはならぬのだ
    お目々を高く上げるのだ
    凛とネコは暮らすのだ
    リンと鳴る鈴は外すのだ
    獅子を手本に進むのだ
    シッシと追われちゃならぬのだ
    お恵みなんぞは受けぬのだ
    腕組みをしてそっぽ向くのだ
    サンマのひらきがなんなのだ
    サンマばかりがマンマじゃないのだ
    のだのだのだともそうなのだ
    それは断然そうなのだ
    雄々しくネコは生きるのだ
    ひとりでネコは生きるのだ
    激しくネコは生きるのだ
    堂々ネコは生きるのだ
    きりりとネコは生きるのだ
    なんとかかんとか生きるのだ
    どうやらこうやら生きるのだ
    しょうこりもなく生きるのだ
    出たとこ勝負で生きるのだ
    ちゃっかりぬけぬけ生きるのだ
    破れかぶれで生きるのだ
    いけしゃあしゃあと生きるのだ
    めったやたらに生きるのだ
    決して死んではならぬのだ
    のだのだのだともそうなのだ
    それは断然そうなのだ


    、、、ネコ愛が、炸裂してしまいました。


    • 猫丸(nyancomaru)さん
      りまのさん
      ホント素敵ですね!
      りまのさん
      ホント素敵ですね!
      2020/12/25
    • りまのさん
      にゃんこまるさん
      こんな詩好きです。
      ちょっと、猫丸さんぽいイメージだな〜、と思いました。
      にゃんこまるさん
      こんな詩好きです。
      ちょっと、猫丸さんぽいイメージだな〜、と思いました。
      2020/12/25
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      りまのさん
      にゃーー
      りまのさん
      にゃーー
      2020/12/25
  • 大学二年生の夏に偶然入った安曇野の古本屋さんでこの本を見つけ、詩にはあまり関心もなかったのになんとなく購入。

    茨木のり子の「聴く力」「汲む」「自分の感受性くらい」を読み、一つ一つの言葉の重さと深さにやられてしまった。詩の魅力に気付いた一冊。

    山頂で「聴く力」を読んだのが思い出。

  • ほんとうの子どもたちと
    子どもの心を持った大人たちに捧げられた詩集。
    真実にたどりつけるように
    生きていてよかったと思えるように編まれている。

    詩を読むということは美しいとものに触れると同時に
    自分に意識を向ける行為なのだとおもう。
    一編の詩を読む数十秒の間に
    心を平静にすることができる。
    まるでマインドフルネス。

    こういったアンソロジーであれば
    人生の広範囲の場面をカバーしていて重宝しそうだ。

  • だが、間違えてはいけない。他人の言葉はダシには使えない。いつでも自分の言葉を使わねばならない
    パサパサに乾いてゆく心を
    人のせいにはするな
    自ら水をやりを怠っておいて
    初心消えかかるを
    暮らしのせいにはするな
    そもそもが、ひ弱な志に過ぎなかった

  • 再読するたびに、新しい気づきがある。

  • 「最良の言葉を最良の形で」という思いのもとに編まれたのだろう、ということがこの本の佇まいからもとても伝わってきます。
    電子書籍だったら、きっとこの本の魅力の半分も伝わらないのではないでしょうか。

    個人的に特に心を掴まれたのは、茨木のり子さんの「自分の感受性くらい」です。1977年からまるで現代の世界を見通して書かれたのでは無いか、というくらい普遍的な強度を持っていると思います。

    『ぱさぱさに乾いてゆく心を
     ひとのせいにはするな
     みずから水やりを怠っておいて』

    で始まる一編は、つい誰かのせいにしたり、責めてしまいがちな今を生きる自分たちこそ読むべき詩だと思います。

  •  手のひらにらのるサイズの詩集です。文庫判さいず。32篇の詩が載っています。長距離の電車の中でも読めます。
     仕事を終え自分の部屋に入って、一日のすり減った自分を取り戻すため一つの詩集を読む。すると自分をとり戻せた気がしてくるんです。よし、このまま寝よう。

     その中の一編を紹介します。
         
         あいたくて    工藤直子

      だれかに あいたくて
     
      なにかに あいたくて
     
      生まれてきた

      そんな気がするゆだけれど


      それが  だれなのか  なにななか

      あえるのは   いつなのか


      おつかいのとちゅうで

      迷ってしまった子どもみたい

      とほうに  くれている


      そらでも   手のなかに

      みえないことずけを

      にぎりしめているような気がするから

      それを手わたさなくっちゃ
      
      だから


      あいたくて

  • 今日、田中さんの講演会をお聞きして、無性に読みたくなって読みました。
    田中さんの大好きな詩人たち、よ~くわかりました!(^^)!

  • 教科書に載っていたような有名な詩が多いけど、当時はあんまり響かなかったのが今になって少し理解できるようになってきた
    茨木のり子さんが好き 凛とした厳しさにはっとさせられる、でも包み込んでくれるような優しさもある

  • 学校 辻征夫
    いやだなあ いやだよ

    ぼくが ここに まど・みちお
    ぼくが ここに いるとき ほかの どんなものも ぼくに かさなって ここに いることは できない

    練習問題 阪田寛夫
    でもそのひとの名は 言えない

    あいたくて 工藤直子
    それを手わたさなくちゃ だから あいたくて

    表札 石垣りん
    様も 殿も 付いてはいけない

    言葉のダシのとりかた 長田弘
    まず言葉をえらぶ

    便所掃除 濱口國雄

    なのだソング 井上ひさし
    雄々しくネコは生きるのだ
    サンマのひらきがなんなのだ
    ちゃっかりぬけぬけ生きるのだ

    鳩 高橋睦郎

    祝婚歌 吉野弘
    なぜ胸が熱くなるのか 黙っていても 二人にはわかるのであってほしい

    世界は一冊の本 長田弘
    書かれた文字だけが本ではない

    自分の感受性くらい 茨木のりこ
    わずかに光る尊厳の放棄

全74件中 1 - 10件を表示

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
村上 春樹
ヘルマン ヘッセ
綿矢 りさ
森 絵都
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印

ポケット詩集を本棚に登録しているひと

ツイートする
×