ジャクソンねこのほんとうの家 (子どもの文学・青い海シリーズ 12)

  • 童話館出版
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (117ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887500143

作品紹介・あらすじ

ねこの話はどこの国でも多いようですが、この物語のように、冷静で、皮肉な目をもったねこが描かれることはまれで、世界的な書評紙『タイムズ文芸付録』でも、まず、その点が高く評価されました。まったく、「かわいい」ということばは、このジャクソンにはどう考えても不向きで、臨機応変、人間を利用してかかるねこは、ときに人間に眉をひそめさせるかもしれません。とりわけ、ねこを人間の所有物と考え、「かわいらしい」を連発してきた人々には…。けれど、人間の勝手な思いこみどおりに動物が生きていようはずはなく、もしそうならば、ねこはねこではなくなってしまいます。同じことは、人間同士、おとなと子どもの場合にもいえましょう。それにしても、必要なときに、適当に人間を利用しながら、あくまでも本来の自分を失わずに生きていくジャクソンのふてぶてしさは、たしかに、これまでの児童文学にはあまり見られないもので、けれど、それは、まだ世間を知らない、無邪気なマリリンと好対照をなして、作品をひきしめ、全体をこくのある軽妙な喜劇に仕立てあげました。小学校中・上級向き。

感想・レビュー・書評

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  • これも猫が主人公。『ルドルフとイッパイアッテナ』にも通じるものがあるな?
    近所の飼い猫マリリンは家族に置いていかれたと嘆いて、黒猫ジャクソンを頼ってくる。
    そこでマリリンを連れ、家の敷地を飛び出すと、あちこちのジャクソンの拠り所を案内する。
    イッパイアッテナ同様、呼び名が変わってくるのだ。
    最後に廃屋のツリーハウスで、独立した暮らしもできることをマリリンに提案するが、根っからの家猫でまだ年若いもので、受け入れられない。
    結局、家族の旅行がマリリンの勘違いで終わるのだけど。

  • ジャクソンの、自信に溢れた大人の猫の気構えが素敵です。ダンディな奴。そこへ、まるきり子どもだったマリリンが現れ、ジャクソンに連れられ外の世界へ飛び出し、少しだけ大人になって帰ってくる。最後のジャクソンの言葉は哲学そのものであり、文学教育に力を入れる英国の子どもたちは、小さな頃からこのような、言葉では説明し難い心の成長や自立を描いた作品を読んでいるのかと驚いた。子どもの心によく沿っている本だと思う。

  • 児童書。

  • 読みました。おもしろいんだけど、どこですすめようか、ちょっと迷うね。

  • 小学生のときに図書室から借りて読んだ思い出の本。私の読書人生はここから始まった。大人になって手に入れ、改めて読むと子供の頃分からなかったことが、こういうことだったのかと良くわかる。
    わが子に是非読ませてあげたい。

  • 必要が満たされるために人間に求められる「猫像」になり、かつ自分の家はそれとして確保してあるっていうひょうひょうとしたところ、極めて猫っぽい。28 Nov 2006

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