ふたりの星 (子どもの文学・青い海シリーズ 26)

  • 童話館出版
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887501409

感想・レビュー・書評

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  • 第2次世界大戦中のデンマークの物語。小学校高学年向きとあるが、ナチスドイツがヨーロッパの多くの国を占領下においたことや、ユダヤ人を迫害したことを知っていれば、さらに深く楽しめるだろう。戦争中のデンマークが舞台の作品は初めて読んだ。すぐに降伏した国、というイメージはあったが、それは賢明な判断であったのかもしれない。スウェーデンだけは占領されなかったのはなぜか、調べなくては。
    主人公アネマリーの親友エレンの一家はユダヤ人。ドイツ軍がユダヤ人を捕まえる、という事態になり、アネマリーたち家族はエレンたちを助けようとする。何度もアネマリーたちはドイツ軍を目の前に勇気をふりしぼらなくてはならない。その場面は読んでいて、ひじょうにドキドキした。
    作者のあとがきもよかった。本編からはわからないが、ユダヤ人に危険が迫っていることを知らせたのは、ドイツ軍の将校だったとのこと。戦時中でもそのように心ある行動をとれる人がいたのだと思うと、救われる気がする。しかし、アネマリーとエレンは、はじめは「ドイツ軍が家を調べに来たりするわけはない」とたかをくくっている。エレンたちは素早く行動したからギリギリ逃げることができたが、おそらく半信半疑で行動が遅く、捕らえられてしまった人もいたのだろうな。
    しかし、魚で作ったくつって……??

  • ユダヤ人迫害というとオランダやポーランドのイメージはあったけれど、デンマークがドイツに占領されていたことや、デンマークでもユダヤ人を探したり、処刑されていたことは全く知らなかったので、この本によって知ることができよかった。

    アンネフランクの伝記漫画は人気だけど、こういう本も読めるようになってほしいなあ。

  • 第二次世界大戦でドイツに占領されたデンマーク。考えてみればそうなのだけれど、考えたこともなかった。ヨーロッパではたくさんの国がドイツに占領されたのだ。そしてどの国でもユダヤの問題が起きて・・・勇気ある人々が、品位ある人間の住む世界、そんな世界をつくるために人々が少しずつ勇気を持ち寄ったら大切なものを守ることができる。

  • ナチスの支配下にあったデンマークで10才のアネマリーは、3年前に姉のリーセを亡くして、父母や妹のキアステンと一緒に暮らしています。親友のエレンがユダヤ人であったことから、ドイツ兵から隠すために、家族で力を尽くすのですが…。重いテーマですが、10才の少女の眼から見ると、冒険のような感じもするのです。

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著者プロフィール

1937年ハワイ生まれの児童文学作家。アメリカ陸軍の歯科医だった父について各地を転々とし、11才から13才までを日本で過ごした。現在はメイン州在住。1990年に『ふたりの星(Number the Stars)』(童話館出版)、1994年に『ギヴァー 記憶を注ぐ者(The Giver)』(新評論)で、ニューベリー賞を二度受賞する。「ギヴァー」は大人気シリーズとなり、世界累計1200万部を超える。他にも『モリーのアルバム (A Summer to Die)』『Windeby Puzzle』など多数。

「2023年 『水平線のかなたに 真珠湾とヒロシマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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