働く理由 99の名言に学ぶシゴト論。

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887595651

作品紹介・あらすじ

「やりたいことがない」「才能って何?」
「好きな仕事と向いてる仕事って違うの?」
「今の仕事でいいんだろうか?」
「だいたい、人は何のために働くんだろう?」

・・・ちょっと待って! そんな悩みは、人生の偉大な先輩たちに訊いてみよう!!

黒澤明、養老孟司、ドラッカー、パスカル、村上龍、松永真理、高橋俊介、本田宗一郎、マザー・テレサ、松坂大輔、堀江謙一、ヘレン・ケラー、織田信長、ニーチェ、『踊る大捜査線』、サン・テグジュペリ、マジック・ジョンソン、橋本治、山田ズーニー、浅羽通明、モーパッサン、ゲーテ、福田恆存、ケインズ、曽野綾子etc…

古今東西さまざまなシーンで生まれてきた名言から読み解く、
「ぼくらはなぜ働くのか?」。

明日に向かっていく元気が生まれる一冊です!

感想・レビュー・書評

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  • 娯楽、漫画を読むのが好き
    趣味、自分で描くことが好き
    特技、その能力が他社より優れていること
    苦労したくないなら、結局それほど好きではないのである(養老孟司
    適職とは好きな仕事で合う仕事
    好きイコール相性がいいわけではない(本多信一)
    好き嫌いは頭で考えること、合う合わないは肌で感じること
    働いてみないと好きなことは見つからない
    お客様のやってほしいことに対して、お金を払うからだ。自分のやりたいことと、お客様のやってほしいことはまず一致しないと考えた方がいい

  • 『続・働く理由』を先に読み始めましたが、今になって思うとそれが功を奏したと思います。
     もし、『働く理由』(本書)から先に読んでいたら、私は続編まで読もうとは思わなかったはずですし、そうなったら続編に掲載されている貴重な参考意見を見逃すところでした。

     私自身は非正規雇用で、収入が少なく、かつ短いスパンでの契約更新のために安定とはほど遠いところにいます。そういう人間が読んだという前提のもと、
     
     主に、私が著者に共感できないと感じたのは、

    【「ここで働こう」と決めたのは自分のはずである。「この仕事をしよう」と決めたのは自分のはずである。そうであれば、「本当はここで働きたくないんだけど、本当はこんな仕事はしたくないんだけど、しかたなく働いている」という言葉は出てこないはずだ】(引用:p186)

    【出てこないはずの表現が出てくるのはなぜか? それは「ここで働こう」「この仕事をしよう」というような決断を自分でしていないからだ。自分で自分の進む道を選択していないからだ。】(引用:p186)

     このように、
     「世の中の人間は選択を自分でしていないから“本当はこの仕事はしたくないんだけど”などと思っている。それは怠惰で、自分のしたいことを選択しなかった自分自身の責任である」
     とも読める意見があります。
     しかし実際は、選べる立場の人間なんてごく少数です。
     これは、「そうせざるを得ない人たち」のことを全く加味していないと感じました。この人は、働く場所がなく低賃金で、今なんとかやっていけている人に対しても「選択肢はあった」「それなのに選ばなかった」と言うのでしょうか? 夜通し工場で立ちっぱなしで仕事をする人、他の制限があるためにトイレ掃除をしている人にも「あなたがそうしたかったから、選んだ仕事ですよね」と言うのでしょうか。
     わたしは、それではあまりに冷たいと感じました。
     著者はやりたくない仕事を面白いと感じて続けることができずに転職し、成功して(もちろん苦労や努力はあったでしょうが)良い目を見たのでしょう。
     ただ、それはごく一部の人の話であって、実際には即していないのではないでしょうか。

     ほかにも、

     【収入や待遇が会社によって大きく違うということはあまりない】(引用:p195)

     【「正社員になったら一生安泰」という時代はもう復活しないだろう。それどころか、今後は正社員の解雇要件が緩和される方向、つまり、会社が正社員のクビを切りやすくなるような方向へ進んでいく。これによって、仕事のできない正社員や仕事をしない正社員が解雇される、ポストに空きができる、そのポストに有能でやる気のある非正社員が正社員として入ってくるという流れができる。】(引用:p200)

     【働くことで他者とのつながりができ、それらを通して自分の存在意義を確認できるということが分かる。働くこと以外でこれを獲得するのは難しい。】(引用:p192)

     とありますが、これも実際に即していない内容でした。発行年が2007年ですし、既に時代遅れの内容となってしまったのか、はたまた著者の考えがアップデートされていないのかはわかりません。
     ただ言えることは、実際とはあまりに違うことを述べているということ。会社によって待遇は異なりますし、非正社員は正社員にしてもらえない現状があります。
     働くことだけが他者とのつながりを作るきっかけではないことも多くの読者は理解していると思います。

     もしかしたら著者は早くに脱サラしたようなので、ご存じないのかもしれませんし、仕事を追求するあまり、仕事を美化しすぎてしまっているのかもしれません。

     (ごく一部ですが)引用ばかりが多く著者の意見が薄い章などもありますし、私は読むなら『続・働く理由』だけでいいかなという印象です。

     確かに仕事を考える上で、「娯楽」「趣味」「特技」を分けて考える、というものなどは考えを整理するために有用だと感じましたが、これも引用元の香本裕世氏の考えを流用したものですし、この本ではなくても構わないかな、と思います。
     言葉は悪いですが、人のふんどしで相撲を取っているように見えるんですよね。そこから展開していく、もっと深い考察やエピソードがあるのだったらまだ理解できるのですが、特にそういうこともなく……。

     著者の考えを考察するうえで手がかりとなったのは、p171から記載の「労働価値」(=働くうえでどこに重きを置くか)14個のうちで著者が重視したのが、
    「自律性」「創造性」「社会的評価」で、
    逆に重要視していないものは、
    「美的追求」「経済的報酬」「ライフスタイル」
    というところ。
     自分の得意なことをやって新しいものを創り出し、社会的評価を得たい。代わりに、美しいものを創り出したり、経済的な豊かさ、自分の思い通りの生活はいったん諦める。そういう考えの人物だということが分かります。

     人物を否定したいからこう書いているのではなく、世代的に現役世代との乖離が見られるということが分かって興味深かった、ということを言いたいのでこんな書き方になってしまいました。

     きっと著者のバリバリ働いておられた時代には、正社員の産休のために雇われる(皺寄せを受ける)非正規雇用もなく、どちらかというと産休→退職コースが大多数だったのでしょう。「5年経てば非正規雇用は正規雇用にしなければならない」と決まったせいで、仕事はできるのに5年ごとに会社を転々としなければならない非正規雇用の実態について、著者がどれほど理解されておられるのか疑問に思います。

     ただひとつわかることは、世代が違う人に働く意義について意見を求めるとしたら、そこには確実に乖離が起こるということ。その例を本書は示してくれたということです。

     働くということを大きな視野でとらえた本であれば、「今働いていないし働けないけれど、将来的に働く意志はあるから読もう」と考えている読者がいるとして、この本を読んだ後に一体どれだけの人が「よし、働きたくなった」と思えるのでしょう。
     なんというか、「働いていないやつはだめだ」と自分を否定されたような気がして憂鬱になるのが関の山かなと感じました。
     働くということは、働いている前提だけで語っても不十分なのではないか?
     働くって広い意味では経済活動だけに留まらない。そのことを著者は理解しているんだけれども理解していないように見える。
     そういう矛盾を孕んだ著者の意見をまとめた一冊でした。
     エンパワメントの面で言えば、『続・働く理由』の方が10倍はおすすめできると感じました。

     引用されている偉人たちの言葉が気になるのであれば、その部分だけ読んでみる(そして引用元に当たる)のも一つの方法だと思います。

  • 数年前、転職活動中に読んだ本。
    久しぶりにページをめくってみたら、スラスラと読み返せてしまいました。
    人生の先輩たちのシンプルな言葉の数々が、胸に響きます。
    表面的ではなく、根本的な部分のことを言っているからこそ、今でも通用するのかもしれません。
    悩んだり迷ったりしたときにオススメです。

  • 超オススメです‼️

  • ・正しいことをしたければ偉くなれ
    ・何かが上達し、上手くなるという領域に入るためには、ピアノでもなんでも最低1万時間は取り組む必要があると言われています。
    ・愚か者は幸福がどこか遠いところにあると思い込んでいる。賢いものは、幸福を足元で育てている。
    ・農業は食料だけでなく、トンボもメダカも涼しい安らぐ風景も水も祭も人間の生きがいも「生産」しているという新しい発想を「広く深い生産」と呼びたい。従来の「狭い生産」の土台にこうした、「広く深い生産」が横たわっているのだ。

  • ★本書のメッセージ
    仕事とは自分の能力や興味、価値観を表現するものである。そうでなければ、仕事は退屈で無意味なものになってしまう。
    ドナルド・E・スーパー

    ★読んだきっかけ
    新卒で働き始めて「どうして人はこんなに働くのだろう?」と疑問に思ったため

    ★本の概要
    働き方や仕事に関する名著のフレーズを引用しながら、働くことに関する論を多数展開していく。

    ★本の面白かった点、学びになった点
    ものすごいいい本だった。新卒で転職を考えている私にとっては、自分に浸透する、良い言葉が多数あった。


    p36 多くの若者を見ていると、「妥協したくない」ことが先行して、少し困難に出くわすとすぐに理想を捨ててしまうことが多いようです。理想を捨ててしまえば妥協もなにもなくなってしまいます。問題は妥協しても理想を捨てないことなのです。

    p46 「自分を必要としてくれている」ところから始める

    p51 「20代はいろいろ試してみる」

    p56 「これだけ人生が長くなった時代なのであるから、また世の中が一層複雑になっている時代なのだから、『フルに働く』ようになるのは30代前後に至ってであり、それまでは試行錯誤や"自分探し"の時期と考えても何らおかしくはない」

    p57 「最初の仕事はくじ引きである。最初から適した仕事につく確率は高くない。しかも、得るべきところを知り、自分に向いた仕事に移れるようになるには数年を要する」

    ■人生で、登る山を決められるのはだいたいやっと30歳から40歳ぐらいなのだ

    ■どういう仕事をしたいのか考えたうえで、選択したかどうか
    →よくよく考えると、僕は、環境ばかりに目を向けていて、どういう仕事がしたいのか、考えていなかったように思う

    ■自分の内面を見つめるのではなく、試していくこと。実際に足と口と手を動かして、新しい人たちに出会うこと。会話をすることが大切なのだ

    p94 厭々する労働はかえって人を老衰に導くが、自己の生命の表現として自主的にする労働は、その生命を健康にする

    p97 人は働きながら、その人となってゆく。人格を形成するといっては大げさだけれど、そのひとがどんな仕事をして働いてきたかと、その人がどんな人であるのかを、切り離して考えることはできない

    p113 何れにせよ幸福な人生を作りたければ、本当の自分と対決し、頭を使い、そしてリスクをおかす勇気をもつことです

    p171 労働における14価値とは

    p181  仕事は消費や余暇といった何かほかのものを充実させるための手段ではない。仕事そのものを充実させることにもっと知恵を使うべきである

    p186 あなたは自由だ。あなたは別の場所で働くことを選べる。あなたは別の仕事をすることを選べる。「ここで働こう」と決めたのは自分のはずである。「この仕事をしよう」と決めたのは自分のはずである。そうであれば、「本当はここで働きたくないんだけど、本当はこんな仕事はしたくないんだけど、しかたなく働いている」という言葉は出てこないはずだ

    p216 仕事がおもしろくないという実感は、仕事が面白いと実感できた経験に支えられている
    →本当に仕事が面白くなかったら、仕事が嫌で嫌でたまらなかったら、仕事が終わった後に、居酒屋で会社や仕事の話なんてものはしないだろう

    *金は食っていけさえすればいい程度に取り、喜びを自分の仕事の中に求めるようにするべき


    ●本のイマイチな点、気になった点
    特にない

    ●学んだことをどうアクションに生かすか
    ・定期的に読み返しながら、より人生を面白くするべく、職場を変えたり、仕事に取り組んだり、ボランティアをしたりする
    ・ブログに、この本を読んで学んだことをまとめる

  • 「夢に向かって懸命に努力をしないのは、どういうふうに努力すればいいのかが分からないというよりも、その努力が無駄になることを恐れているのだろう。」(p134) 胸が痛いw 生き方のヒントみたいなものを得られる本だなと感じた。

  • 残ったことば
    ・出来事が感情をつくるのではない。出来事の解釈が感情をつくるのだ。
    ・人生において本当にがんばったと思える時期はどこか?やるだけやったという自分の限界点らしいものは見えたか?
    ・才能と言われるものの大部分は、続けられる能力のことである。

  • 他人に承認されたくて働く。働くことが、最も簡単に存在意義を実感できる。
    とあるけど、やっぱり他者でなく、自己に対して感じる、成長実感かと思う。

  • 働くこと=・・・

    働くのはお金のため、日々の生活のため、
    それ以外の目的はなし・・・と割り切って
    働けたら・・・こんなに色々悩むことはないのかもしれません。
    充実感のある仕事、いろんな人と繋がりが持てる
    仕事がしたい・・そんな考えは甘いのかもしれません。
    でも、この本はそういう、仕事に何かを求める姿勢も
    支持してくれるような印象を持ちました。
    自分に都合のいいような仕事は絶対に存在しないと
    思いますが、自分の目指す方向を大切にしていきたい
    と思います。

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著者プロフィール

ライター&キャリアカウンセラー。1960年愛知県生まれ。北海道大学工学部、法政大学社会学部卒業。著書に『50歳からの海外ボランティア』(双葉社)、『妻が夫に書かせる遺言状』(主婦の友社)、『海外リタイア生活術』(平凡社新書)、『元気なNPOの育て方』『狙われる日本人』(NHK生活人新書)、『職在亜細亜 職はアジアにあり!』(実業之日本社)などがある。

「2007年 『働く理由 99の名言に学ぶシゴト論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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