「手紙屋」 僕の就職活動を変えた十通の手紙

  • ディスカヴァー・トゥエンティワン (2007年8月15日発売)
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本 ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784887595705

感想・レビュー・書評

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  • 西山諒太は大学四年生になったある日、手紙屋という広告をみつけ、就職活動をしながら手紙屋と十通の手紙を交換し、成長していくストーリーです。
    最後には手紙屋の正体も明かされます。

    私は、就活はずいぶん昔の話になりますが、就活前の学生さんにはぴったりなストーリーであると思います。
    就職とは少し違いますが、人生とは何かということを考えるのについては、私のような人生半ばを過ぎた年齢でも、得るところはあったとは思います。

    ただ、私の歳まで、生きていると本当に情熱だけで、夢が叶うものなのかという、全く夢のないことも考えてしまいますが…。情熱が足りなくて、夢が叶わなかった者の愚痴でしょうか。でも、人生まだ、終わったわけではないので、夢を全部あきらめてしまうことも、まだ、ないかもしれないという、希望は全然ないわけじゃありません。(だから、まだ、こうして自己啓発書の類を読んでいます・笑)
    喜多川泰さんの自己啓発本は4冊目で、今までの本は星5をつけさせていただきましたが、この本は、他の著者の自己啓発書やビジネス書と考え方が違うようなところもあり、?と思うところもあり、全部信用することはできないので、私は星3つにさせていただきました。


    全部引用すると、長いので、後半5通の手紙より、諒太が学んだこと。

    ○ある仕事が自分に向いているかどうかは、やってみなければわからない。向いていると思う職業は幻想。
    今の自分に向いている職業を探すよりも、考えただけでワクワクするような目標を持った会社を探すこと。
    向いている職業を探すのはやめて、興味を持てる会社を探す。
    ○人が夢を持つと、目の前には必ず壁が現れる。
    重要なのは、『目の前にあるものに全力を注いで生きること』この生き方をするだけで、どこで何をしていても成功は約束されている。
    大事なのは、その船が何を目的として航海をするか。
    ○あなたの夢が実現した世界では、あなたは世の中の多くの人たちから必要とされ、期待され、その人たちの幸せな生活にとってなくてはならないものを生み出す貴重な存在として生きていることになる。
    あなたは何をして将来多くの人たちを幸せにしますか?
    あなたの活躍でどう変えますか?
    ○どうすれば、きれいな部屋がずっときれいなままいられるか。‘掃除を習慣化すること‘→自分を変えてくれるような本を読み、自分の意見を書き綴っていく→自分を磨くことができる。
    常に動き続けること→行動を始めること→転がる石に苔はつかない。
    ○夢を叶えるために、才能は必要ない。
    必要なのはやりたいという『情熱』。
    『情熱を頼りに生きることが決まったら、やるべきことは『行動』すること。

  • いい意味で、働くことに対して一般的でありがちな考え方を壊してくれる作品だと思った。
    就職活動で出遅れた大学4年生の主人公が、ひょんなことから手紙屋と呼ばれる謎の人物と、10通限定の手紙のやり取りを始める。

    就職するなら誰もが知っている有名な大企業にいき、そこでたくさんの給料を貰う。
    そういうことよりも、大切なことはその会社の持つ性格や考え方、生き方、さらにどうやって世の中の人たちから必要とされようとしているのか。大企業であれ中小企業であれ、それが自分の考え方と合っているか。
    そういう軸で会社を選ぶべきだと。

    この歳になると、そんな理想論だけではやっていけないしがらみの中で身動きが制約されることもあるけど、まだまだ何にも縛られていない若者達であれば、こういう考え方で生きがいを見つけて思うように挑戦するのもアリだと思う。
    そして夢に向かって、目の前にあるものに全力を注いで生きること。就職活動に対してや、働くということに対して、迷いながらも自分なりの答えを見つける主人公の成長ぶりを垣間見ることができた。

    なんだかアツい本だな。
    でもやっぱりこの本の言うように、どんな境遇でも最後まで情熱を持ち続ける人が成功するんだと思う。

  • 就職活動中の大学生、西山諒太が「手紙屋」との文通を通して、なぜ働くのか?という答えを出していく。また手紙屋の正体は誰なのか?という若干ミステリー的鵜要素もある(正体は途中で分かった)。「手紙屋」は、十通の手紙のやりとりを通じて、今後の人生で実現したいことを手伝ってくれるが、報酬は手紙の価値に見合うと判断するものをいづれ返せば良い。就職活動にあたり、その企業が「何を目的に航海をしているのか?」を理解し、その大義として、人を幸せにする企業こそ強い。また、目の前にあることを全力で取り組める人間が必要とされる。④

  • 読みやすくて学びのある小説でした。

    就職活動中の"大学4年生の主人公"と手紙のやりとりを仕事としている"手紙屋"の文通によるストーリー。

    『人生の大海原に漕ぎ出す時に、その船が誰のものか、自分が船長か船員か、船は大きいか小さいか、なんて実はどうでもいい。大事なのはその船が何を目的として航海するかだ。それこそが人生の目的であり、それさえあれば"今日を生きる"という確固たる生き方ができる。』
    というフレーズはとても印象に残りました。

  • 十通の手紙で、あなたが実現したいことを実現するお手伝いをするという“手紙屋”
    就職活動に悩む西山諒太は、半信半疑ながらもこの手紙屋と文通を始めるのだが・・・

    なんだか自己啓発本のような内容だった。
    進路に悩む若者向けの本という印象で、可もなく不可もなく・・・

    既に社会で働き始めて何十年・・・
    様々な経験を経て、時には人事の採用業務も担った手前、3割程度はどうしても理想論の綺麗事に聞こえてしまう。

    余談だが、義兄の妹を知らないというのは、設定にやや無理があるなぁと・・・
    そして回を追う毎に、手紙屋がやや上から目線で、断定口調が増えて来るのも気になる。
    手紙屋の正体も予想通りで特に驚きもなかった。
    ストーリー仕立てにしたいのか、自己啓発本路線で行きたいのか、中途半端に終わった印象。

    進路に悩める若者にとっては、読むと新たな発見があるのかも知れない。
    あと、親が子に読ませたい本でもあると思う。
    私は、自分の成長のために会社を利用してやる!位の野心家を選ぶことが採用基準の一つだったので、綺麗に纏められた自己啓発本だなぁという印象だった。

  • ついつい就職先を探す時、目に見えて惹かれるのが労働時間や休日、時給・月給だったりする。
    給料が良かったとしても、心身の疲労困憊や疲弊、あれだけ「給料が下がったとしても、人間らしい生活がしたい…」と痛感して辞めることを決めた頃の気持ちって忘れちゃうもんだなぁと。
    そして、どんな経験でも学びとなるって確かにそうだったなと、苦々しい気持ちもありつつ懐かしくもなった。
    手紙屋の正体、読み進めながらもしかして!?と楽しく推理する時間も愉しませてもらった。
    喜多川泰さんの世界観、やっぱり好きだなぁ。

  • 人生観の見方が変わるかも。
    とても達観していて、綺麗事なのかもしれないけれど嫌味な感じはないです。

  •  喜多川さんの作品は、私にとって学びの宝庫です。9作目読了。この本も最高に面白かったです!
     就職を控えた、将来を思い悩む大学4年生が主人公になっています。
     「将来、どんなことをしたいか」「どんな会社に就職するか」「どうすれば楽に名の通った会社に就職できるか」など、誰もが一度は考えそうなことを、「手紙」という形で助言をもらいながら、自分なりに咀嚼して、成長していく物語です。
     大学1年生の娘に、是非読んでほしいと思いました。妻曰く、「高校の講演に来ていた大学の先生も、この本を推薦していた」とのこと。娘の誕生日に、『書斎の鍵』とともにプレゼントしようと思います。
     「手紙屋」の正体は、全く予想できませんでした。

    【心に残った金言】
    ・『あなたの能力は、今日のあなたの行動によって、開花されるのを待っています』(P49)
    ・あなたが出会った人すべてをあなたの味方にする魔法の方法を教えようと思います。それは・・・・・・。相手にこうなってほしいという『称号』を与えてしまうのです。(P60)
    ・「相手を変えることはできない。』
     『すべての人にあらゆる性格が備わっている』(P63)
    ・『天は自ら助くる者を助く』いつの世でも同じです。(P83)
    ・あなたの頭の中にいつも"天秤"を用意することです。天秤の片方の皿の上には、あなたの手に入れたい物を載せます。そして、それと釣り合うものを、釣り合う量だけ、もう片方の皿の上に載せたときに、あなたの欲しいものが手に入るのです。(P102)
    ・あなたが"自分に向いている職業"を探すのは、自分ではまだ気づいていない自分の才能を開花させるチャンスを失うおそれがあります。そんなことを考えるよりも、向いていなくてもいいからその会社の活動が自分をワクワクさせる。そんな会社を探してみたらどうでしょうか。(P133)
    ・重要なのは、『目の前にあるものに全力を注いで生きること』 このことは今日、今この瞬間からでもできます。たとえ初めは具体的目標を持っていなくとも、目の前にあるに全力を注いで生きているうちに、自然と自分の進むべき道が開けてきてうまくいったという成功者は数多くいます。おそらく、初めに大きな目標を掲げて成し遂げたという成功者よりも、その数は圧倒的に多いのではないでしょうか。誰もが知っている有名な人物であれば、豊臣秀吉などもそのタイプでしょう。(P170)
    ・人生という大海原を漕ぎ出すときに、その船が誰のものであるか、自分が船長か船員か、船は大きいか小さいかなんて、実はどうでもいいんです。大事なのは、その船が何を目的として航海をするか、なのです。私はそれこそが、"人生の目的"であり、それが達成されることが、"夢の実現"であると考えています。(P173)
    ・あなたの描く夢が大きければ大きいほど、現れる壁は大きく、乗り越えるのが困難なものになります。それは事実です。でも、壁が高くなればなるほど、あなたを応援する応援団は多くなります。これもまた、事実なんです。(P192)
    ・『転がる石に苔は付かない』 動き続けているものに埃がかぶることはないのです。(P211)
    ・『止まっている人は、止まり続けようとする。動いている人は、動き続けようとする」(P212)
    ・『失敗した人は才能を理由に挙げる。成功した人は情熱を理由に挙げる』(P227)



     

  •  本書は小説でありながら自己啓発書であり、ビジネス書でもある。
    なんともクセが強そうですが、その三要素がシンプルにかつ高性能にまとめれていました。


     就活生である主人公が手紙屋という人と文通をするストーリーなのですが、その手紙の内容が人生の軸にしたいと思えるほど濃密なものばかりでした。

     主人公の悩みはストーリーを重ねるごとに変化していき、最初は「やりたいことが見つからないからどこに就職したらいいかわからない」→「そこそこ大手の企業に内定がもらえそうだからそこにしようと思うけど本当にいいのか?」→「安定した企業と魅了的なベンチャーどちらに就職すべきか」→、、、
    と言った具合の変化です。

     私が本書を読んでいて恐ろしさすら感じたのは主人公も読者である私も悩みが変化していることに気が付かなかったことです。まるで、朝方から朝になるように滑らかに自分のマインドがブラッシュアップされていきました。


     私が本書の中で好きな内容は二つありました。
    一つは「成功する人はラッキーだったと言わない」と言うものです。これは何かの成果、例えば英語のテストで100点をとれたことに対し、成功する人は死ぬほど勉強したから100点がとれたんだろうと考えます。

    対して山を張ってそれが当たって100点をとった人は「ラッキー」と言うでしょう。しかし、山が外れた時にその人は自分の努力不足ではなく運のせいにします。

    少々誇張が入りますが、私はこの教訓を「成功した時に『偶然』ではなく『必然』と思えるほど頑張ろう」と心がけました。


     好きな内容の二つ目は「夢を叶えられない人は『自分には才能がなかったから夢が叶わなかった』といい夢を叶えた人は『情熱を持ち続けたから夢が叶った』という」

     と言った教訓です。これも面白く、夢が叶えられないのは才能の有無という自分ではどうしょうもない要因ではなく、情熱を捨ててしまった自分にあると言うことです。「夢を叶えたいなら情熱を持ち続けろ」シンプルながら確信をついた表現でした。
    総評として、本書は上記のような非常に濃い学びを得れる一冊になっています。

     しかし、物語構成であり、ストーリーもほぼ文通でやりとりされているので、本書のほとんどが喋り口調です。なので、読書が苦手な方にもお勧めできます。

  • 『運転者』に感銘を受け、喜多川泰さんの作品をもっと読みたいと思い、手に取りました。こちらも期待を裏切ることなく、とても良かった。
    成功した時に出会うであろう幾多の人、今現在関わってくれている人たち“その全ての人が自分の応援団“そう思えたら、一歩を踏み出す勇気も、続けていく忍耐もきっと持ち続けられる。立ちはだかる壁を乗り越えていく糧になると思いました。
    主人公世代に読めていたら、どんな感想を持ったかな。

    喜多川泰さんの本、好きです。

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著者プロフィール

1970年生まれ。愛媛県出身。東京学芸大学卒。2005年から作家としての活動を開始。『賢者の書』でデビューする。10年『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』が13万部のベストセラーとなり、映画化、舞台化された。「喜多川ワールド」と呼ばれるその独特の世界観は、小学生から80代まで幅広い年齢層から愛され、その影響力は国内にとどまらず、多数の作品が台湾・韓国・中国・ベトナムでも翻訳出版されている。執筆活動だけではなく、全国各地での講演やセミナーも開催している。主な著書に、『おいべっさんと不思議な母子』『One World』『秘密結社Ladybirdと僕の6日間』『[文庫]福に憑かれた男』『君と会えたから……』『手紙屋』『株式会社タイムカプセル社』『運転者』等がある。

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