- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784887596832
感想・レビュー・書評
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ビジネスパーソンなら、一度は
「この仕事、疲れたな……」
「何のために働いてるんだろう」
「ホントは違うことがやりたかったのに……」
と思ったことがありますよね。
そんな時に読むと、なんとなく前向きになれる本です。
この書籍の最も言いたいことは
『仕事を通しての最も豊かな報酬は
「仕事をすること」自体である。』
ということ。
つまり、仕事を通した経験が自分を磨く財産となる、
ということが書いてあります。
そして、仕事に対して「自分」を主体として考えることを
おすすめしています。
「『自分が』仕事と生活のバランスが良いと思えばそれで良い」
「『自分が』向上するためにどうするか考える(他人との比較ではなく)」
「自分の行動の主体は『自分』である」
「最高の仕事の基準は『自分で』決める」
さらに、仕事とは広い視野で眺めればひとりひとりの仕事は
(殆どの場合)人に誇れる仕事である。
と言っています。
たしかに、自分から率先して仕事をしたほうが
やらされ仕事よりよほど楽しいですし、
そこから得られる経験も大きくなります。
たとえ、それが失敗だったとしても。
また、余暇の使い方についても
「よりよい仕事をするためのストレッチ」
「仕事だけでは得られない楽しみを得る場」
としています。
その意味で、「仕事」と「余暇」は相互補完の関係にあります。
この本を読みながら、自分の仕事ぶりについての反省と
考え方を見つめ直すと、きっと前向きに慣れると思いますよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マーケティング・コンサルタントでありながら、哲学の教授でもあるジョシュア・ハルバースタム氏の著書です。
本書は2000年に執筆され2003年に出版された本の復刊になります。
2000年執筆ということと著者がアメリカ人ということで、統計データや生活に影響を与えるメディア等については、現在の日本と合致しない部分もあります。
しかし、この本が論じている本質部分については、今を生きる日本人にも有用な普遍的なテーマであると思います。
本書は以下の構成となっています。
・仕事とは?仕事の定義
・仕事とプライベートの境目
・仕事の目的とは?
・成功の基準
・自己評価
・余暇について
仕事については、普段考えても大きなテーマゆえ、漠然とした内容になりがちです。
この本は、体系的な切り口で書かれていますので、読む内容に沿って自分なりの考えを確認していくことができます。
結果的に仕事について、上気した内容を自分なりに考えるとことができます。
仕事というテーマは働く人にとって永遠のテーマですから、誰が読んでも有用だと思います。
著書の意見は最期の章にまとめてありますので、最後に確認しやすいと思います。
ただ、その意見は私の意見とは異なり、やはり人それぞれなのだなと感じました。
一読の価値のある本と思います。 -
【読書その34】アメリカの哲学者であり、経営コンサルタントであるジョシュア・ハルバースタム氏の著書。仕事について、ここまで哲学的に考えることは久しぶり。300ページくらいの本ではあるが、その内容は、仕事は苦行か否か。余暇とは何か、給料とは何かなど、考えさせらえるのは多い。また、テーマに合わせて、偉人の名言も多く紹介されており、その言葉の意味の深さに感心させられる。
その中で気に入ったのは、バーナード・ショウの以下言葉。
「人生の真の喜び。それは偉大であると自ら認めた目的のために自らの力が使われること。そして、世界が自分を幸せにしてくれないと身勝手な文句を言うのではなく、自分が自然の力となることである。」 -
■概略
タイトルの通り、仕事というものが人生においてどのような位置にあり、どのような役割を果たし、
またそれがどう幸福に繋がるかについて、様々な観点から本質的な指摘をしています。
例えば近年の傾向として終身雇用から成果主義的な風潮に移り変わりつつある社会について、筆者は
「われわれは会社にではなく、自分の能力そのものに忠誠心を持つ。
自分の仕事と、その仕事を尊重し励ましてくれる職場に、忠誠をつくすのである。」
と述べています。
「仕事を持つ」のではなく、「仕事をする」のであり、
「私は○○会社の企画担当です」ではなく「私はデザイナーです」と語るべき時代だと。
これこそが真のキャリアというものであり、またポータブルスキルとも呼ばれるものなのでしょう。
■感想
上記のように仕事に関係する様々な事柄について新しい知見が多く、真剣に論じられています。
が、一方で拝金主義や現在の「幸福」に対する一般的価値観を否定するために、
理想論的で感情論的な、あまり論理的でない部分も、特に後半部分に目立ちました。
■一般的見解
やはり、誰もが本書を読んでおもうことは、「そういうえばあまり考えたことがないなぁ」とうもののようです。
雇用やワークライフバランスについては活発に論じられていますが、
そういった目先のことではなくもっと本質的なことについては意外と人は盲目なのかもしれません。
しかし、本当によく研究され、練られた内容になっています。
■総括
仕事に追われる日々を送る私たちは、こういったことについて振り返る時間も余裕もなく、
ただひたすら前に突き進むことを強いられている気がします。
ですが、一度立ち止まって、仕事と幸福、そして人生について考えなおしてみる必要があるのではないでしょうか。
この本は、そのきっかけとしてお勧めできます。 -
「WORK」の改訂版。仕事の報酬は仕事であるという稲盛さんの主張に近いものを感じましたが、膨大なデータと研究資料に基づいた主張ということで、説得力がありました。