あなたへの社会構成主義

制作 : Kenneth J. Gergen  東村 知子 
  • ナカニシヤ出版 (2004年11月発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784888489157

作品紹介

心とは?自己とは?事実とは?より豊かな未来につながる"対話"のために、ガーゲンが今、世界の「常識」を問い直す。新たな"対話"の可能性を拓く実践的・社会構成主義入門。

あなたへの社会構成主義の感想・レビュー・書評

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  • 「議論に戦争というメタファーをあてはめることによって、私達の役割が決まってしまいます。逆に、もし、それを別なものにしたいと思うなら、異なるメタファー――例えばゲーム、探検、ダンスなど――を用いればよいのです」

    人間の生き方というのは、割と自分が日常でどういうメタファーを使っているのかで決まるところがあるのかもしれないと思う。

    日常で用いているメタファーと異なるメタファーを用いることで、また世界に別の可能性を見出す。それはうまくやれば、灰色の日常をワクワクのあふれるゲームの世界にすることもできる可能性だ。

    僕は昔からゲームとかのフレームワークで世界を捉えようとしてきたのだけど、それも日常にあるメタファーとは異なる視点で人生を捉え、自分の中で消化させるための試行錯誤だったのかもしれない。そして多分、多くの宗教や文化がやっていることは、個人の中にメタファーの多声性を呼び覚ますことなのだろう。

  • これは、革命的にわかりやすい社会構成主義入門だ。

    こんなに分かりやすくていいのかと思う。教科書上手なアメリカ人のなせるわざとしかいいようがない。

    社会構成主義というもの自体が、ある意味、分かりやすいものと言える。つまり、フーコーとか、デリダとか、ハーバーマスとか、訳の分からないヨーロッパ系の思想を噛み砕いて、地に足のついたものにしつつ、単なる批判ではなく、実践に向けたものが社会構成主義ではなかろうか。

    そういう意味では、実にアメリカ的にポジティブに社会的に構成されているのが、社会構成主義ではなかろうか。

    などと、ちょっと皮肉っぽい、つまらん感想を書いてしまったが、この分かりやすさはほんとに感動的なんですよ。

    私が、学生時代から最近まで読みつつ、実践してきた、というか実践しようとしてきたことのエッセンスがここにあるとさえいえる。

    ここに、構造主義からポスト構造主義、脱構築などのフランス現代思想、そしてウィトゲンシュタインの「論理哲学論考」から「哲学探究」への移行、あるいは論理実証主義から解釈学への移行、決定論的な宇宙観から複雑系的な世界観への移行、仏教思想、アプリシアティブ・インクワイアリーや「対話」の実践、といったものがすべて、きわめて「分かりやすく」書いてある訳ですね。

    こんな本をもっと早く読んどけば、よかった。

    と思うと同時に、これまで、ぐちゃぐちゃと訳の分からない本を読んだり、つまらんことに悩みつつ「対話」を実践してきたからこそ、ここまで、すらすらと「分かって」しまうのだろう。そこにまた不思議な幸福を感じた。

    原題は、"an invitation to social construction"であって、”constructionism"ではない。 つまり、「主義」ではなく、「社会構築」に向かった「誘い」なわけだ。

    理論=主義ではなく、実践。

    これも、私の最近の志向にぴったりあっている。

    アメリカ人も、なかなか良いとこあるじゃん、と久しぶりに思った本であった。

    なんだかんだ、いって、ベトナム戦争や黒人や女性などの社会進出、同性愛や中絶問題といった大きな社会的な変革や議論を経験している国だからねー。

  • ガーゲンによる社会構成主義の入門書。文章量は多いが、内容はとてもわかりやすく読みやすい。
    社会構成主義はただの屁理屈、詭弁のような考えと捉えられやすいかもしれない。しかし、ガーゲンが述べるところのそれは、意味の創造に強調点があり、極めて建設的な考え方である。
    本書の内容は、心理学を学ぶ人、心理療法を行う人の視野を広げ、より柔軟にするだろう。また、社会学をはじめ、その他の学問を学ぶ人や一般読者にもオススメである。本書を一読した誰もが世界の見え方を一変させ、自己や他者への関心をより深めるだろうから。

  • ゼミで輪読。社会構成主義を理解するためには必須といえるのではないだろうか。良著である。

  • 2013年2月13日

  • 要再読
    関係性の中での自己への転換(脱構築などを引き合いに)
    その考え方に基づく心理療法のなはし

  • ポンちゃんお勧め

  • いい本です。「生成的理論」への前向きな姿勢が印象に残りました。

  • 難しい・・・・

    言葉は難しいものではないのですが、
    当たり前に思っていること、(無意識に?)正面から向き合いたくないことに問いがたつと
    そこにピンと響きにくく、
    その意図を捉えにくくなっている自分に気づく。


    社会構成主義とは何か?

    これは、
    自分の存在と社会の関わりについての考え方で、

    ●意味のある言語を紡ぎ出すということは、
    社会的な共同実践であり、
    個人の心の中で生み出される言語など存在しないのです。

    ある言葉や行為は、
    その意味についての社会的な合意がなければ、
    言語を構成することはありません。

    また、意味のある言説がなければ、
    理解可能な「対象」や「行為」はありえません。
    理解可能は「対象」や「行為」がなければ、
    それらに対して疑いを表明することはできなくなるでしょう。

    デカルトのあの言葉は、次のように言い換えるべきなのです。
    -われわれは関係する、故にわれあり-

    とある。

    社会から個の存在を見る視点です。

    私たちの存在の意味や、言葉の存在の意味は
    社会の中に存在するためであるという。

    ・・・

    言葉や自分の存在を社会とのつながりのために使うことを意識したいと感じます。

    また、

    ●社会構成主義によれば、理性とはこおろの中のある状態ではなく、
    人々の間で行われる(言語やシンボル、あるいは物を用いた)一種のパフォーマンスです。
    「もっともな理屈」は、関係によってはじめて理解可能なものとなり、力を持つようになるのです。
    したがってある人の「道理」型の人々の目に「愚か」に映ったり、
    あるグループにとっての「正しい理論」が、別のグループでは「単なる詭弁」になったりする可能性は十分あります。
    人々の関係性を離れた理性は、いかなる社会的・道徳的・政治的立場に対しても、確固とした基盤とはなりえません。
    それは、常に特定の文化の中に埋め込まれ、特定の価値や生き方に深く関わっているものなのです。

    ということは、
    自分にとっては失礼で納得の出来ない意見が向けられたとしても、
    それは至極当たり前で、
    自分と相手の間での関わり方によって生まれるものであり、
    それは自分が起こしたことでもある。

    「相手は鏡」とは、このことを言うのかもしれません。
    相手と自分との関係の不出来は、自分が関わっている部分があるわけです。

    自分が社会と関わる関わり方を振り返るきっかけになるかもしれない一冊です。

  • 理論や哲学的背景の説明のみならず、実践する意思が明確な良い本でした。もともと中原淳・長岡健「ダイアローグ 対話する組織」からのリンク読書なので、そのへん(対話・関係性・ワークショップとか)に興味のある方へはお薦め。

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