- 本 ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784888627825
感想・レビュー・書評
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自身の推理小説論とエッセイを小説風に仕立てたようなミステリアスな作品。
ホラー作家が旧友を訪ねると謎の美少女に出合い・・・。鮎川哲也賞受賞作家がおくる本格ミステリー。(Amazon 内容紹介より)
作品紹介がこれだけと言う事は、多くを語ってくれるなという事か…?(^^;;
難解で、読み返したよ…笑
この構造はお目にかかった事がないので新鮮。
ただ、推理云々ではなく、ホラー…かなぁ。
いや、やっぱミステリーか。
推理小説好きの蘊蓄と自身の推理小説譚をものすごく語っておられる。
作家、石塚がデビュー作品の授賞式で大学の後輩に出会う。
後輩は先に作家デビューをしていた浜崎茂。
彼はある美少女に関する不思議な体験を語る。
作中作——という訳でもなく…ミステリーなのかな…?
浜崎の手元にあるのは、中学生の時に執筆した作品の「書評」のみ。
それは、同級生である川井が書いた酷評だった。
懐かしく思い、彼の元を訪れることに——。
少女と交わす話に出てくる推理小説とは——のあれこれが、すごい。
既読の作品の事はなんとなく理解できるのだが、ほぼ読んだ事のない古典作品が多く、私が読むにはだいぶ早かったかな。
横溝正史と乱歩と谷崎潤一郎とE・クイーンやルルー、カーと…知識がある人はかなり楽しめる。
推理小説に対する拘りと愛が伝わってくる。
それらを自然に会話に含め、浜崎が学生時代に書いたという小説がメイン。
なんせ書評しか載っていない。
斬新。気になりすぎる…。
この評論がすごく良い。
自分の作品はなかなか客観視できないものだ。
随分先になって気づく点が多い。
川井は具体的に評価してくれるので、ありがたいと思う。
こんな友人が欲しかったな。
作品の典型的なパターンについての話等がとてもおもしろかった。
ミステリーあるあるを読んでいるような。
この作品は、既読の飛鳥部作品とは違う魅力でした。
非常に興味深く、楽しんで読めました。
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ミステリ。ホラー。
作中作を用いた変わった構成の作品。
というか、私小説、読書案内、作中作、作中作の批評と入り乱れ、どの部分が本筋なのか分からず混乱してくる。
実験的な作品という感じ。
自分は結局よく分からなかったので☆2つくらいの評価。
ちなみに、タイトルからヴァン・ヴォークト『非Aの世界』のオマージュかと思ったら全然違った…。
飛鳥部勝則の作品





