鴨居玲画集: 1928-1985

著者 : 鴨居玲

• 日動出版部 (2001年2月1日発売)

感想・レビュー・書評

[yuta4963さんの感想 · 2010年8月4日]

回顧展に行ってきた。

描く対象はダメ人間オールスターズ。酔っ払い、ギャンブラー、放蕩息子etc。自分もダメ人間だからか、ダメ人間に対する愛情が絵に漂っている。

代表作は「私」。白紙のキャンパスに向かい合っている鴨居の周りを、自分がこれまで書いてきた人物達が取り囲んでいる。創作意欲がなくなり苦悩している鴨居を周囲が非難しているようにも見える。

鴨居が自殺するときに脳裏に浮かんだのはきっと、自分が魂を削って描いてきたダメ人間達だったのだろう。

[ここ花さんの感想 · 2010年4月17日]

裸婦・老人・自画像‥しっかりしたデッサン力と漂う孤独感。余分なものを廃した構図なのに、人物はどれも人間味と生活感と、哀愁を感じる。好きな画家でした。

[monioさんの感想 · 2006年5月24日]

慟哭のような絵で、とても好きなのです。血を吐くような絵。もっと画集出たらいいのに、といつも思います。大好き。

[大河原ちさとさんの感想 · 2005年1月20日]

金沢生まれで、スペインで絵画を制作し、帰国後はしばらく神戸で活動していた画家の画集です。
とても暗く、深い味わいの絵を描く人です。
「教会」をテーマにいくつか製作していますが、1978年に製作された沈み込んだ色合いの不思議な絵が私の一番のお気に入りです。
ただ、この画集はカラー部分が思いのほか少ないのが残念なところです。