えほんのせかいこどものせかい

著者 :
  • 日本エディタースクール出版部
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本棚登録 : 281
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784888881258

作品紹介・あらすじ

この本は、もともと読書の入門期にある幼いお子さんをおもちのお母さん方に向けて書かれたものです。今回新たに単行本にするにあたり、読み聞かせの手引きや、絵本のリストを加えました。これによって、お母さんだけでなく、保育者や、小学校の先生、図書館員にも、役立てていただけるものになったと思います。子どもに本のたのしみをと願うすべての大人の出発点となる本です。

感想・レビュー・書評

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  • 再読。

    子どもを持つ親は、とりあえず子どもがまだ小さいうちに1度は読んでおくと、あとで後悔がないと思います(笑)

    絵本をよむ、物語を聞かせる、ということの本当の意味を伝えてくれてる良書です。

    やはりあくまでも文字は道具。
    文字で表したくなるような豊かな内容が育たなければ、
    識字の世界は浅ましくも狭いものになる。

    なんにせよ幼児教育にかかわる全ての人の必読書でしょう。

    後半のブックリストの絵本は文句なしの傑作ぞろいです。

  • 子どもの本に携っている者として、児童図書、特に絵本に関して漠然と感じていたことをずばり言い当てており、また自分の勉強不足もわかりました。
    「子どものため」と思って出版されたのでしょうが、「子ども目線」になっていない本の多いこと。図書館で借りられない本を整理すると、そのような本がたくさん出てきます。
    子どもに知識や考え方を押し付けようとする絵本、子どものレベルを考慮していない絵本、大人向け(芸術的)にはいい絵なのだが、子どもは興味を示さない絵本。
    大人目線ではなく、子ども目線でいい絵本を探す必要性とヒントが詰まっており、とても勉強になりました。

  • 絵本との向き合い方と言って良いか分かりませんが、改めて絵本の見方を教えていただきました。
    もっと早く出会いたかった本です。
    長く読まれている素晴らしい本です。

  • 2017.6月。
    先日きんだあらんどさんで買った本。絵本の役割、絵本の選び方、絵本の読み方、大人が子どもにできることなどについての松岡享子さんの考え。基本的な普遍的な大切なことばかりで、教科書にしたいような本。複数の子どもたちへの読み聞かせについても書かれており、これからはじまる幼稚園の文庫活動や、店のおはなし会の参考になった。久々にノートに書きながら読んだ本だったな。初版が1987年!大切な根っこの部分は時代が変わっても変わらないってことだ。

  • ただのメモ
    ・本より
    ★私見
    ---
    ・子供に好かれるお話のパターンというものがある。
    ・3人(匹)の登場人物があり、3番目が成功する
    ・いい人と悪い人が同じ冒険をし、異なる結果を得る
    ・一本線上のストーリーの繰り返し
    ★確かに思い当たる物語の枚挙にいとまがない

    ・子供は繰り返しの話が好き
    ・読み聞かせカセットテープの「次のページへ進みましょう」が一番気に入られたりする
    ★次の展開を知っている安心感、再現された時の安心感があると違う本でも読んだことがある

    ・図書館に行って家にある本を借りてくることもある
    ・馴染み、親しみへの安心感

    ・子供が理解しやすい文章について
    ・「その家は豪華だった」「その子は悲しんでいた」…抽象的すぎてわからない
    ・「その家は金でできていた」「その子は泣いていた」…具体的でイメージできる
    ★子供が理解しやすい文章はどういうものかについても触れられていて、絵本を選ぶ際の参考になる。最近の絵本は親受けが良いものばかりが目立つと思う。お母さんが死んじゃった絵本とか。もっと子供目線で絵本を選び続けていきたいと思った。
    ★子供と会話する時にも、この本に書かれた文章術のようなものを気にしておくと役立つだろう。
    ---
    ★分かりやすい文章の例として紹介されていた『どろんこハーリー』などを借りた。娘は気に入ってた。保育園の貸し出しコーナーにあったので、古くからある良書なんだな、と再確認した。
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    気になった参考書籍
    『昔話と子供の空想』シャーロッテ・ビューラー
    『子どものために書くこと』バーバラ・ウィルソン

  • 付録でない本文の切れ味が抜群。子どもへの誤解、曲解をばっさばっさと!子どものための絵本の本質をがっしりと捉えている。

    ・子どもに本を読んでやるとき、その声を通して、物語と一緒に、さまざまのよいものが、子どもの心に流れ込みます。
    ・「お話を語ることは、文学に対して、額縁が絵に対して果たすのと同じ役割をします。」
    ・「心がきょう感じとったことを頭があす理解する」
    ・バートンさんといっしょにいて、わたしは、ものを見る訓練のできている目と、そうでない目との違いを、つくづく思い知らされました。
    ・本のもつ要素からいえば、“あたたかみ”ということ、子どもの要求かいえば、“安心感”ということ。
    ・一見しゃれたふうに、一見子どもの心に近いように見える表現が、かえって子どもに過重な負担をかけている例は、今日、多くの絵本に見ることができる。(主観表現の難しさ)
    ・くりかえしに対して示す子どもたちの反応は、ひとつには、様式美に対する子どもの興味の芽ばえとも見ることができる。
    ・こと感情に関することだけではなく、昔話はあらゆる抽象的な表現をさける。大広間が豪華だったというかわりに、「床も壁も金でできていました」といい、若者は質素に暮らしていたというかわりに、「麻の着物を着、とうもろこしのパンを食べていた」という。すべてを目に見えるところでとらえようとする。

  • 「はじまりの本」です。
    子どもに本を手渡す際の大切な事柄が書かれています。児童サービスに興味のある人は一読をお勧めします。
    #この展示では,「カテゴリ」機能を使って,はじまりの本とのつながりを示し提案す。
    #はじまりの本は最高評価(★5つ)にしています。

  • 流石としかいいようがない。人生の大先輩の大いなるアドバイス。絵本ガイド。読み聞かせの手法についても簡潔なアドバイスがある。

  • 東京子ども図書館の終身名誉理事長の松岡享子さんの本。

    読み手(主として母親)の、絵本の読み聞かせに対するハードルを優しく下げてくれる本です。

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著者プロフィール

兵庫県神戸市生まれ。大学卒業後、渡米。ウェスタンミシガン大学大学院で児童図書館学を学んだ後、ボルチモアの公共図書館に勤める。帰国後、子どもの本の普及に努め翻訳、創作など多方面で活躍。

「2015年 『新・小学校国語の教科書に出てくる読み物セット 全11巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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