- Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784890135516
感想・レビュー・書評
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シリアのダマスカス近郊の村に伝わる昔話。シリア版千夜一夜物語。シリアの地を想像しながら読むと楽しめます。
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ダマスカス近郊の村に伝わるという物語集。弱い立場の人間が理不尽な仕打ちに対して智謀でやり返すという復讐譚が多く、胸がすく。ベドウィンの娘の才知と秘めた矜持が眩しい「静かな水」と、オチが笑える「だまされやすい人」が特に印象に残った。「冬ブドウ」は導入部分が何より衝撃的なのに、その後何事もなく話が進むのが少し不思議だ。
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良くできた御伽噺
どれもまあ納得
ちょっと似てるけど -
こどもの頃に読んだ本。「静かな水 勝者が敗者になる話」のラストシーンが印象的で、もう一度読みたいと、ずっと思っていた。見つけられて嬉しい。
偉ぶっているが、ひとりでは靴下も履けない男たちと、彼らを許し、操り、助けてやる女たちの話が多かった。
昔読んだときは、架空の村の話かと思っていた。
今でも、シリアがどこにあるかも、あやふやだけれど。イラクの隣だっけ?今は、内乱おさまったのかな。
現代日本とは全く異なる価値観や風俗と、時代や場所を越えて共通する感情をみることができる。 -
何気なく通りかかった棚にふと見かけて「まさか」と思って手に取ってみたら、やっぱりシリアのマアルーラ村のことだった。
かつてアッシリア帝国やアケメネス朝ペルシア帝国のもと、オリエント世界で共通語として広く用いられたアラム語の生き残りが今も話されている、マアルーラ村。
著者はドイツ在住だが(作品もドイツ語で書かれている)、ダマスカス育ちで、祖父はマアルーラの人らしい。
祖父の村に伝わるお話を紹介する、という体裁で14編の短編を収録。
小さいころ母親にあまり絵本を読んでもらった記憶がないからか、こういう童話みたいな物語がとても楽しい。