窓から逃げた100歳老人

制作 : Jonas Jonasson  ヨナス ヨナソン  柳瀬 尚紀 
  • 西村書店
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本棚登録 : 993
レビュー : 144
  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784890137060

作品紹介・あらすじ

100歳の誕生日パーティーを目前に、おしっこ履きのまま老人ホームを逃げ出した主人公アラン。お酒(とくにウオッカ!)が大好き、宗教と政治が大嫌い。ひょんなことから手にした大金入りスーツケースをめぐってギャングや警察に追われることとなり、途中で知り合ったひと癖もふた癖もあるおかしな仲間とともに珍道中を繰り広げる。
一方、過去のアランはというと、爆発物専門家としてフランコ将軍やトルーマン、スターリンと日夜酒を酌み交わしては、エポックメイキングな人物として世界史の重大シーンにひょこひょこ顔を出す。アランの逃避行と100年の世界史が交差していく、二重構造ならぬ「百重構造」のドタバタコメディ!
全世界で800万部を突破した驚異のベストセラー、待望の日本語版。2014年、日本での映画公開予定。

感想・レビュー・書評

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  • 100歳の老人が活躍する話、というだけでなく、1905年からの100年間の出来事を絡めたスウェーデン発の大ぼら話。
    お目にかかったことのないスケールで、笑えます。

    アラン・カールソンは、100歳の誕生日に、老人ホームから脱走します。
    気の合わない所長の催す誕生パーティーが面倒になったのだ。
    たまたま目の前に現れたスーツケースを出来心で持ち逃げしたら、町のギャング団に追われる羽目に。
    その悪い連中もどこか、とぼけているんだけど。
    偶然出会った面々と何となく仲間になり、行き当たりばったりに行動するが‥?
    湖の畔の農場で、置いて行かれた象を飼っている女性が出てきて、象のソニアまで一緒にいくことになったり。

    アランの過去に遡ると、世界を転々とした彼は、なぜか歴史の重要な転換点にその場にいたという。
    フランコ将軍、トルーマン大統領、スターリン、毛沢東、ニクソン大統領など各国の首脳と酒を酌み交わし、意気投合。
    そこに絡んでくるのも、アインシュタインに間違われて誘拐された弟だとか、その妻が政治で大役を担うようになってしまったりとか。
    よく思いつくなというデタラメなエピソードがてんこ盛り。

    教育もなく政治に何の関心もないアランが、ひょうひょうと世界を股にかけてしまう。
    原爆についてはちょっとブラックユーモアな扱いで、日本人としては微妙なんだけど。
    歴史事実をひっくるめて、すべてを笑い飛ばすバイタリティには、感心しました。

  • タイトル、帯の文句、また映画の宣伝などを観て(映画は観ていない)、面白そうだと思い購入。
    期待通りの面白さ。
    100歳の誕生日を迎えた老人。その老人が巻き起こすはちゃめちゃな逃亡激。そして、歴史上の人物が次から次へと出てきて、親密な仲になっていく。
    もちろん、完全なフィクションで、「でたらめ」であるが、もし、こんな人生だったら最高だろうな、と。
    村上春樹さんの小説を読むとビールを飲みたくなるが、この小説には「ウオッカ」が出てくるので、飲みたくなる。

    訳者の方は、フランス語版を読み、英語版を読み、その英語版を元に日本語訳にしたよう。
    ただし、翻訳の限界ともいうべきか、その国、言語、文化…といった背景を踏まえた翻訳には限界があり、原書ならではのユニークさも少し失われているよう。
    翻訳者によれば、原書のスウェーデン語版だと、いろいろなパロディや、文化の下地も盛り込んでいるよう。

    しかし、それらの点を踏まえても、十分に楽しめた。
    久しぶりに楽しめたエンターテイメント小説だと思う。
    おすすめです。
    (映画、どんな感じだったんだろう。)

  • 読むのに苦労しました。世界情勢の事に詳しい方だったら凄く面白おかしく読めたのかも。
    各国の有名な方々の名前が上っても内容になかなか頭がついて行かず。
    っていうかほら話オンパレードではあるのだけれども。
    100歳のアランが老人ホームから抜け出して、現在進行形の話はスムーズに入っていったけど、途中で昔の武勇伝が沢山含まれているから、そこは集中できなかったな~

  • 100歳のバースデーパーティーが老人ホームで催されるその数時間前に、窓から逃げ出した老人、アラン。
    傷む膝とよぼよぼした体で逃走をはかり、ほんの出来心からスーツケースを拝借したことで大騒動が巻き起こる。
    アラン100歳の逃亡劇と、アランの生い立ちを語る過去フェーズが組み合わさって語られるのだけれど、まあ、この内容がとんでもない。
    最後の訳者あとがきで「出鱈目」という言葉が出ているけれど、まさにそう。
    だってアランと来たら、歴代の大統領から首相から革命家から、世界中の著名人と知り合い仲良くなり波乱万丈としか言いようのない人生を送ってまだ飽き足らないのだ。
    よくまあこんなむちゃくちゃなこと考えたなぁ、と呆れ、笑いながら読んだ。
    作者も笑いながら書いていたのかな。
    スウェーデンの作家の本はたぶん初めて読んだ。訳者あとがきによるとパロディなど、大元を知っているともっと楽しめるような小ネタが随所に織り込まれているらしい。
    スウェーデンの文化を知り、原書で読めたらきっともっと違う面白みもあるんだろうな。

  • はちゃめちゃな老人アランの100年
    すばらしき出鱈目小説、と訳者
    現代と過去と交互に語られる
    スケールが半端ではない
    政治主義主張を嫌うアラン
    原爆は切なかったけれど
    風刺もちりばめてラストは穏やかに
    でもまた一波乱の予感
    ≪ 100年の 歴史駆け抜け まだ歩む ≫

  • スウェーデンの作家ヨナス・ヨナソン、2009年発表の小説。とてもスケールの大きなホラ話。楽しい物語です。

    2005年のスウェーデンが舞台。アラン・カールソンは100歳の誕生日に老人ホームから逃げ出します。行きがかりで大金の詰まったギャングのスーツケースを持ち逃げしたことからギャングと警察に追われることになるアラン。100歳老人の珍道中が始まります。
    まともな教育は受けていないけれど、爆弾のスペシャリストで語学の達人というアラン。彼の1905年からの100年の歩みと現在の逃避行の物語が交互に語られて行きます。

    警察小説のパロディーのようなハチャメチャな現在の物語も面白いですが、それ以上にアラン100年の物語の大風呂敷を拡げたホラ話が冴えています。スペイン内乱でフランコ将軍の命を助け、第2次大戦ではアメリカの核爆弾製造に決定的な役割を果たし、中国内戦では毛沢東夫人江青の命を助け、ソ連の核開発にも協力、シベリアの強制収容所に入れられるものの脱走し朝鮮戦争下の北朝鮮で金日成に面会・・・現代史の重要な局面の全てに関わるような超人的な活躍をし、しかし政治や宗教には全く興味を持たない完璧なリアリスト。皮肉と諧謔、パロディーの精神に満ち満ちた怪作です。

  • 見本いただきました。ホントは「ゲラ読んでくれる書店員募集」だったんだけど「ゲラって満員電車の中で読めないからプルーフないですか?」ってワガママぶつけたら「プルーフはないから見本できたら送ります」って神対応。
    だから褒めるわけじゃないけど、これいいわ。100歳の老人が逃げ出した、って段階でほのぼの最後うるうるストーリーかと思ったら何だこれ?!若い頃の筒井康隆バリのドタバタ、しかも世界史オタクにはたまらない20世紀の歴史名場面集(じいちゃん、何でそこにいたし?!)。しかも外文単行本にしちゃ安いしマジおすすめ。史上最高齢脱力系ヒーローの活躍を見逃すな!

  • タイトルに惹かれ読み始める。100歳の誕生日に老人ホームから脱走、途中でひょんなキッカケから大金入りのスーツケースを入手し、犯罪組織と警察から追われる。追っ手の追及を結果的には巧みにまきながら、社会からのはみ出し者を仲間に増やしつつ、珍道中が繰り広げられる。この100歳での逃避行と重ねながら、この主人公の生まれた時から現代までの人生歴が綴られているが、100年の歴史の節目を振り返るように、歴史上の著名人と出来事に絡んでいく。奇想天外、支離滅裂という形容に相応しい面白さ。シドニーシェルダンの超訳に見られた展開の小気味良さと、北杜夫風のまじめにふざけた文章がいい。読み出したら先が気になる秀逸な娯楽小説だ。

  • ロッタちゃんやピッピと根っこが同じ!!と読みながらうれしくなってしまった。
    やかまし村の子どもたちやピッピを読んだときのあの何とも言えないおもしろさと同じ。道徳の枠からはみ出しても、そんなの全然OKで、人としての肝心なところをぎゅっとつかんで駆け抜ける感じ。あの面白さをこんなふうにこの年齢で味わえるなんて思ってなかったなぁ。
    あー、読んでよかった!

  •  元気な100歳のじいさんが老人施設での誕生会に嫌気がさして窓からスタコラ逃げ出したというユーモア小説だと思ったら大間違い。なんと壮大なスケールの世界歴史冒険小説だったよ。100歳のじいさんが逃げて行くついでにいわくありげなスーツケースを失敬したらそれがなんと大金入りで、悪者グループとひと騒動もふた騒動も巻き起こしたあげくに警察に追われるのだが、なぜかしまいには事件はなかったことになって、南の島へ蓄電してしまうというのがあらすじだが、その合間合間にじいさんの100歳に至るまでの世界を股にかけた人生行路が挟み込まれており、そっちがかなりの比重を占める。米ソ中をはじめ主要国の大統領や要人と次々に知り合いになっては事件を巻き起こし、もちまえの運と才覚で生き延びるという連続で、しまいには悠々自適の大金持ちになる。なんというかこれは人生何とかなるものだという超楽観小説でもあるわけだ。捧腹絶倒とはいかないけれど達者な訳文もあってかなり笑える。爆薬と原爆は相当違うと思うけどね(笑)。

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