窓から逃げた100歳老人

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制作 : Jonas Jonasson  ヨナス ヨナソン  柳瀬 尚紀 
  • 西村書店 (2014年6月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784890137060

作品紹介

100歳の誕生日パーティーを目前に、おしっこ履きのまま老人ホームを逃げ出した主人公アラン。お酒(とくにウオッカ!)が大好き、宗教と政治が大嫌い。ひょんなことから手にした大金入りスーツケースをめぐってギャングや警察に追われることとなり、途中で知り合ったひと癖もふた癖もあるおかしな仲間とともに珍道中を繰り広げる。
一方、過去のアランはというと、爆発物専門家としてフランコ将軍やトルーマン、スターリンと日夜酒を酌み交わしては、エポックメイキングな人物として世界史の重大シーンにひょこひょこ顔を出す。アランの逃避行と100年の世界史が交差していく、二重構造ならぬ「百重構造」のドタバタコメディ!
全世界で800万部を突破した驚異のベストセラー、待望の日本語版。2014年、日本での映画公開予定。

窓から逃げた100歳老人の感想・レビュー・書評

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  • 100歳の老人が活躍する話、というだけでなく、1905年からの100年間の出来事を絡めたスウェーデン発の大ぼら話。
    お目にかかったことのないスケールで、笑えます。

    アラン・カールソンは、100歳の誕生日に、老人ホームから脱走します。
    気の合わない所長の催す誕生パーティーが面倒になったのだ。
    たまたま目の前に現れたスーツケースを出来心で持ち逃げしたら、町のギャング団に追われる羽目に。
    その悪い連中もどこか、とぼけているんだけど。
    偶然出会った面々と何となく仲間になり、行き当たりばったりに行動するが‥?
    湖の畔の農場で、置いて行かれた象を飼っている女性が出てきて、象のソニアまで一緒にいくことになったり。

    アランの過去に遡ると、世界を転々とした彼は、なぜか歴史の重要な転換点にその場にいたという。
    フランコ将軍、トルーマン大統領、スターリン、毛沢東、ニクソン大統領など各国の首脳と酒を酌み交わし、意気投合。
    そこに絡んでくるのも、アインシュタインに間違われて誘拐された弟だとか、その妻が政治で大役を担うようになってしまったりとか。
    よく思いつくなというデタラメなエピソードがてんこ盛り。

    教育もなく政治に何の関心もないアランが、ひょうひょうと世界を股にかけてしまう。
    原爆についてはちょっとブラックユーモアな扱いで、日本人としては微妙なんだけど。
    歴史事実をひっくるめて、すべてを笑い飛ばすバイタリティには、感心しました。

  • タイトル、帯の文句、また映画の宣伝などを観て(映画は観ていない)、面白そうだと思い購入。
    期待通りの面白さ。
    100歳の誕生日を迎えた老人。その老人が巻き起こすはちゃめちゃな逃亡激。そして、歴史上の人物が次から次へと出てきて、親密な仲になっていく。
    もちろん、完全なフィクションで、「でたらめ」であるが、もし、こんな人生だったら最高だろうな、と。
    村上春樹さんの小説を読むとビールを飲みたくなるが、この小説には「ウオッカ」が出てくるので、飲みたくなる。

    訳者の方は、フランス語版を読み、英語版を読み、その英語版を元に日本語訳にしたよう。
    ただし、翻訳の限界ともいうべきか、その国、言語、文化…といった背景を踏まえた翻訳には限界があり、原書ならではのユニークさも少し失われているよう。
    翻訳者によれば、原書のスウェーデン語版だと、いろいろなパロディや、文化の下地も盛り込んでいるよう。

    しかし、それらの点を踏まえても、十分に楽しめた。
    久しぶりに楽しめたエンターテイメント小説だと思う。
    おすすめです。
    (映画、どんな感じだったんだろう。)

  • 読むのに苦労しました。世界情勢の事に詳しい方だったら凄く面白おかしく読めたのかも。
    各国の有名な方々の名前が上っても内容になかなか頭がついて行かず。
    っていうかほら話オンパレードではあるのだけれども。
    100歳のアランが老人ホームから抜け出して、現在進行形の話はスムーズに入っていったけど、途中で昔の武勇伝が沢山含まれているから、そこは集中できなかったな~

  • 100歳のバースデーパーティーが老人ホームで催されるその数時間前に、窓から逃げ出した老人、アラン。
    傷む膝とよぼよぼした体で逃走をはかり、ほんの出来心からスーツケースを拝借したことで大騒動が巻き起こる。
    アラン100歳の逃亡劇と、アランの生い立ちを語る過去フェーズが組み合わさって語られるのだけれど、まあ、この内容がとんでもない。
    最後の訳者あとがきで「出鱈目」という言葉が出ているけれど、まさにそう。
    だってアランと来たら、歴代の大統領から首相から革命家から、世界中の著名人と知り合い仲良くなり波乱万丈としか言いようのない人生を送ってまだ飽き足らないのだ。
    よくまあこんなむちゃくちゃなこと考えたなぁ、と呆れ、笑いながら読んだ。
    作者も笑いながら書いていたのかな。
    スウェーデンの作家の本はたぶん初めて読んだ。訳者あとがきによるとパロディなど、大元を知っているともっと楽しめるような小ネタが随所に織り込まれているらしい。
    スウェーデンの文化を知り、原書で読めたらきっともっと違う面白みもあるんだろうな。

  • はちゃめちゃな老人アランの100年
    すばらしき出鱈目小説、と訳者
    現代と過去と交互に語られる
    スケールが半端ではない
    政治主義主張を嫌うアラン
    原爆は切なかったけれど
    風刺もちりばめてラストは穏やかに
    でもまた一波乱の予感
    ≪ 100年の 歴史駆け抜け まだ歩む ≫

  • スウェーデンの作家ヨナス・ヨナソン、2009年発表の小説。とてもスケールの大きなホラ話。楽しい物語です。

    2005年のスウェーデンが舞台。アラン・カールソンは100歳の誕生日に老人ホームから逃げ出します。行きがかりで大金の詰まったギャングのスーツケースを持ち逃げしたことからギャングと警察に追われることになるアラン。100歳老人の珍道中が始まります。
    まともな教育は受けていないけれど、爆弾のスペシャリストで語学の達人というアラン。彼の1905年からの100年の歩みと現在の逃避行の物語が交互に語られて行きます。

    警察小説のパロディーのようなハチャメチャな現在の物語も面白いですが、それ以上にアラン100年の物語の大風呂敷を拡げたホラ話が冴えています。スペイン内乱でフランコ将軍の命を助け、第2次大戦ではアメリカの核爆弾製造に決定的な役割を果たし、中国内戦では毛沢東夫人江青の命を助け、ソ連の核開発にも協力、シベリアの強制収容所に入れられるものの脱走し朝鮮戦争下の北朝鮮で金日成に面会・・・現代史の重要な局面の全てに関わるような超人的な活躍をし、しかし政治や宗教には全く興味を持たない完璧なリアリスト。皮肉と諧謔、パロディーの精神に満ち満ちた怪作です。

  • 見本いただきました。ホントは「ゲラ読んでくれる書店員募集」だったんだけど「ゲラって満員電車の中で読めないからプルーフないですか?」ってワガママぶつけたら「プルーフはないから見本できたら送ります」って神対応。
    だから褒めるわけじゃないけど、これいいわ。100歳の老人が逃げ出した、って段階でほのぼの最後うるうるストーリーかと思ったら何だこれ?!若い頃の筒井康隆バリのドタバタ、しかも世界史オタクにはたまらない20世紀の歴史名場面集(じいちゃん、何でそこにいたし?!)。しかも外文単行本にしちゃ安いしマジおすすめ。史上最高齢脱力系ヒーローの活躍を見逃すな!

  •  元気な100歳のじいさんが老人施設での誕生会に嫌気がさして窓からスタコラ逃げ出したというユーモア小説だと思ったら大間違い。なんと壮大なスケールの世界歴史冒険小説だったよ。100歳のじいさんが逃げて行くついでにいわくありげなスーツケースを失敬したらそれがなんと大金入りで、悪者グループとひと騒動もふた騒動も巻き起こしたあげくに警察に追われるのだが、なぜかしまいには事件はなかったことになって、南の島へ蓄電してしまうというのがあらすじだが、その合間合間にじいさんの100歳に至るまでの世界を股にかけた人生行路が挟み込まれており、そっちがかなりの比重を占める。米ソ中をはじめ主要国の大統領や要人と次々に知り合いになっては事件を巻き起こし、もちまえの運と才覚で生き延びるという連続で、しまいには悠々自適の大金持ちになる。なんというかこれは人生何とかなるものだという超楽観小説でもあるわけだ。捧腹絶倒とはいかないけれど達者な訳文もあってかなり笑える。爆薬と原爆は相当違うと思うけどね(笑)。

  • [墨田区図書館]

    曳舟の図書館には、予約本の集荷棚があり、各自がその棚の中から予約した本を取り出すセルフ方式となっている。自分の予約本の置かれた棚番号が分かっていてもその棚にも多少の幅はあるし、自分の予約した本の装丁を知らなかったりすると端から順に背表紙とにらめっこすることになるのだが、、、「予約本」というからには、誰かが「読みたい」と思う本たちばかりが置いてあるので、ふと興味をそそられる本が沢山置かれている。

    そもそも目に止まったのは、「国を救った数学少女」。面白そうだったので読んでみようと本情報を控えて調べてみると、同著作はまだ二冊、そのうちの一冊目であるこの本が処女作と分かったのでこちらから読んでみることにした。

    途中話が軌道に乗るまでがやや読みづらく、時間もあまりなかったので数日読み進めるのにかかったが、一度アランの過去が語られ、トロッコのあと、ベニ―と出会う頃には大分雰囲気が読めてきて、そこから先は一気読みして、夜には読み終えてしまった。

    アランの一生をこの1世紀の世界情勢に絡めて話していくので、第一次世界大戦の頃の世界情勢とか、主要国の首相など時の権力者について知っているとより楽しめると思う。社会をもっとも苦手とし、日常生活でも人の顔と名前を覚えるのを苦手とする私でもかの国の有力者たち、ならびに日本に関する重要な日付は分かったのでアランの数奇な人生語りも2回3回と挟まれるうちに結末はともかく、話の運びが見えてきてどんどん面白くなってきた。

    最後に読んだ訳者の説明に「素晴らしき出鱈目小説」とあったが、そう、正にその通り。しかもさらりと殺人つきの逃避行まで発展させておきながら、その憎めない?小憎たらしい?人物像からどう話が進んで終わるのかとついつい先のページを急いでしまう。分厚いけれど、まるで小学生の頃に気に入って読みふけった赤川次郎のようなライトノベル的な仕上がりで久しぶりに量を読んだ気がした。

    そして最後は最初へと続く終わり方。ちょっとしたことなんだけど、この終わり方も良かったな。老人ホームに収容された過去のアランの"最後"も判明したし、現実のアランのお話の最後もすっきりとしたし。茶目っ気のある作者の作品をもうしばらく読んでみたい。当初目を付けた、「国を救った数学少女」もいいが、早く3作目が出てくれるといいな。

  • 老人ホームで自身の100歳の誕生日を祝う席から逃げ出したアラン・カールソンは、ひょんなことから大金の入ったスーツケースを持ち逃げすることになり、街一番のゴロツキに追われる羽目になる。しかしながらこの100歳ときたらまるで慌てる節がない。なぜならこの爺さん、フランコ将軍、スターリン、トルーマン、毛沢東、蒋介石、金日成、金正日、ジョンソン大統領にニクソン大統領、とにかくありとあらゆる東西世界の大物と互角に渡り合い、なんとヒマラヤ山脈越えを経験しソ連の強制収容所をも生き延びた男なのだ。ゆく先々で巻き起こる騒動を尻目に、ありえないような幸運と偶然でしれっと苦境を乗り越えていくスーパー老人の八面六臂の冒険譚。

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