- Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
- / ISBN・EAN: 9784890137060
作品紹介・あらすじ
100歳の誕生日パーティーを目前に、おしっこ履きのまま老人ホームを逃げ出した主人公アラン。お酒(とくにウオッカ!)が大好き、宗教と政治が大嫌い。ひょんなことから手にした大金入りスーツケースをめぐってギャングや警察に追われることとなり、途中で知り合ったひと癖もふた癖もあるおかしな仲間とともに珍道中を繰り広げる。
一方、過去のアランはというと、爆発物専門家としてフランコ将軍やトルーマン、スターリンと日夜酒を酌み交わしては、エポックメイキングな人物として世界史の重大シーンにひょこひょこ顔を出す。アランの逃避行と100年の世界史が交差していく、二重構造ならぬ「百重構造」のドタバタコメディ!
全世界で800万部を突破した驚異のベストセラー、待望の日本語版。2014年、日本での映画公開予定。
感想・レビュー・書評
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100歳の老人が活躍する話、というだけでなく、1905年からの100年間の出来事を絡めたスウェーデン発の大ぼら話。
お目にかかったことのないスケールで、笑えます。
アラン・カールソンは、100歳の誕生日に、老人ホームから脱走します。
気の合わない所長の催す誕生パーティーが面倒になったのだ。
たまたま目の前に現れたスーツケースを出来心で持ち逃げしたら、町のギャング団に追われる羽目に。
その悪い連中もどこか、とぼけているんだけど。
偶然出会った面々と何となく仲間になり、行き当たりばったりに行動するが‥?
湖の畔の農場で、置いて行かれた象を飼っている女性が出てきて、象のソニアまで一緒にいくことになったり。
アランの過去に遡ると、世界を転々とした彼は、なぜか歴史の重要な転換点にその場にいたという。
フランコ将軍、トルーマン大統領、スターリン、毛沢東、ニクソン大統領など各国の首脳と酒を酌み交わし、意気投合。
そこに絡んでくるのも、アインシュタインに間違われて誘拐された弟だとか、その妻が政治で大役を担うようになってしまったりとか。
よく思いつくなというデタラメなエピソードがてんこ盛り。
教育もなく政治に何の関心もないアランが、ひょうひょうと世界を股にかけてしまう。
原爆についてはちょっとブラックユーモアな扱いで、日本人としては微妙なんだけど。
歴史事実をひっくるめて、すべてを笑い飛ばすバイタリティには、感心しました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
続きに続く逃走劇と、過去の回想。すこぶる元気な100歳です。いやちょっと待って、今は人生100年時代にさしかかっている。こんなふうに元気な100歳が当たり前な時代が、いつか現実になるかな?
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アメリカの本屋さんで英語版The Hundred-Year-Old Man who climbed out of the window and disappearedがベストセラーコーナーに置いてあったのを見てから、絶対読んでみたいと思っていました。幸い、和訳版を図書館で見つけたので早速借りた。
もう「面白い!」の一言。こんなにスケールの大きなデタラメ小説が他にあるでしょうか。
スペインの内戦でのフランコ将軍を始め、歴史の大きな動きに名を馳せた各国のリーダー、有名人たちと関わってきた主人公のアランは現在100歳。彼が老人ホームから逃げ出したところから物語は始まります。現在の話と過去の話が交互に描かれている。これ映画にもなっているんですね!あぁ面白かった。-
2015/12/04
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christyさん
この小説、実在した人物や実際に起こった歴史上のイベントと主人公の行動をとても上手く繋げてあるんです。広島と長崎に使われ...christyさん
この小説、実在した人物や実際に起こった歴史上のイベントと主人公の行動をとても上手く繋げてあるんです。広島と長崎に使われた原爆製造についても書かれていて、そこは少し複雑な気持ちで読みましたが、、。
2015/12/04
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タイトル、帯の文句、また映画の宣伝などを観て(映画は観ていない)、面白そうだと思い購入。
期待通りの面白さ。
100歳の誕生日を迎えた老人。その老人が巻き起こすはちゃめちゃな逃亡激。そして、歴史上の人物が次から次へと出てきて、親密な仲になっていく。
もちろん、完全なフィクションで、「でたらめ」であるが、もし、こんな人生だったら最高だろうな、と。
村上春樹さんの小説を読むとビールを飲みたくなるが、この小説には「ウオッカ」が出てくるので、飲みたくなる。
訳者の方は、フランス語版を読み、英語版を読み、その英語版を元に日本語訳にしたよう。
ただし、翻訳の限界ともいうべきか、その国、言語、文化…といった背景を踏まえた翻訳には限界があり、原書ならではのユニークさも少し失われているよう。
翻訳者によれば、原書のスウェーデン語版だと、いろいろなパロディや、文化の下地も盛り込んでいるよう。
しかし、それらの点を踏まえても、十分に楽しめた。
久しぶりに楽しめたエンターテイメント小説だと思う。
おすすめです。
(映画、どんな感じだったんだろう。) -
とにかく凄い話でした。なんだ、このじいさん。
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映像化したら面白そうなコメディ。政治的に無理か、と思ったら映画化済みだった。見てみたい。
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100歳のバースデーパーティーが老人ホームで催されるその数時間前に、窓から逃げ出した老人、アラン。
傷む膝とよぼよぼした体で逃走をはかり、ほんの出来心からスーツケースを拝借したことで大騒動が巻き起こる。
アラン100歳の逃亡劇と、アランの生い立ちを語る過去フェーズが組み合わさって語られるのだけれど、まあ、この内容がとんでもない。
最後の訳者あとがきで「出鱈目」という言葉が出ているけれど、まさにそう。
だってアランと来たら、歴代の大統領から首相から革命家から、世界中の著名人と知り合い仲良くなり波乱万丈としか言いようのない人生を送ってまだ飽き足らないのだ。
よくまあこんなむちゃくちゃなこと考えたなぁ、と呆れ、笑いながら読んだ。
作者も笑いながら書いていたのかな。
スウェーデンの作家の本はたぶん初めて読んだ。訳者あとがきによるとパロディなど、大元を知っているともっと楽しめるような小ネタが随所に織り込まれているらしい。
スウェーデンの文化を知り、原書で読めたらきっともっと違う面白みもあるんだろうな。 -
はちゃめちゃな老人アランの100年
すばらしき出鱈目小説、と訳者
現代と過去と交互に語られる
スケールが半端ではない
政治主義主張を嫌うアラン
原爆は切なかったけれど
風刺もちりばめてラストは穏やかに
でもまた一波乱の予感
≪ 100年の 歴史駆け抜け まだ歩む ≫