黒グルミのからのなかに

制作 : カルメン セゴヴィア  Muriel Mingau  Carmen Segovia  とき ありえ 
  • 西村書店
3.91
  • (12)
  • (17)
  • (12)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 109
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784890138982

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • ブク友さんのレビューから興味を持ち、さっそく読んでみた。

    初めのページから言葉を失ってしまう。
    何しろ8行目でいきなりお母さんが自分の死を予告している。
    『「わたしは、もうすぐ死ぬわ」かあさんが目をあけて、しずかにこたえました。』
    どうしてそのようなことになったのかの説明は、一切ない。
    ただ、「死神がもうじきやってくる」と言うだけ。
    子どもにとって最も恐ろしいのは母親の死。それがこんな形で訪れるとは。しかも絵本で。
    ラストでひとまずほっとする内容ではあるが、途中の展開は衝撃的でさえある。
    胸がざわざわして、心の準備無しで読むととても耐えられない。
    スコットランドの民話が元であるらしいが、それを絵本化したねらいとは何なのだろう?

    母親の命を奪う死神を力づくでやっつけた少年・ポールは、その死神を黒グルミの中に閉じ込めて海に投げ捨てる。ここの挿絵の表現もなかなか凄まじい。
    ところが「死」を拒絶しために、次々に村が不幸にみまわれる。
    身近なひとの命を守ったために、他のひとの命が危うくなるとは、ポールには想像も出来ないことだった。たったひとりの「生」と「死」が、すべてのいのちの歯車を狂わすことになっていくのを見た彼は・・

    この世の命の掟を学ぶには良い教材かもしれないが、お話会では決して選ばない作品だ。
    読み聞かせの後「・・・・」と考え込んでしまうような作品は、一切NG。
    とかく「教えたがる大人」が多いけれど、それではわざわざ読書嫌いを育てているようなもの。
    まずは、「良かったね」という類のお話で子どもの心をいっぱい耕しておくこと。
    その土台があってはじめて、辛い厳しいお話も受け入れられるというもの。
    (あくまでも、ワタクシの考え方です)
    それでも気に入ったから読みたいと言われる方は、せめて中学生以上に。
    約15分。
    版が大きいので右手がグラつかないよう、左手の指先で本の端をきゅっと支える必要あり。

    そして、この作品を差し出すからには、大人の側にもそれなりの覚悟が必要。
    明確に答えられる自分がいるかどうか、しばし考えを巡らしたひとときだった。
    家庭で「生と死」について話題になった時、さりげなくこの本を差し出せたら良いのかもね。

  • 死神を閉じ込めてしまったために、死がやってこない世界を描く。
    生があるからこそ、死も必要であることをさらりと描いている。
    お母さんを守るためとはいえ、死神をコテンパンにやっつける男の子にはびっくり。
    スコットランドの民話が基となっているらしい。

  • 漁師村のちかくで、かあさんとふたりでくらしている少年、ポール。あるひ、「もうすぐ死ぬ、死神がわたしをつれにくる」というかあさんに生きてほしくて、ポールはかあさんをむかえにきた死神をやっつけます。死神からカマをうばいとって刃をこわし、カマの柄で死神をちいさくなるまでたたき、穴のあいた黒グルミのなかにおしこんで海へなげたのです。おかげでかあさんは死なずにすんだものの、ふしぎなことがおこりました──。
    す、すごい話だなあ(0_0;)生と死は隣り合わせ、どちらも受け入れなければならないと改めて思った。

  • 2011年11月24日

    <Au creux de la noisette>

  • 絵も話も味わい深い。

  • 生きること、死ぬことについて考える絵本。
    なるほど、死神がいないというのはこういうことなのか。まさしく我々は他者の命をいただいて生きているのだなぁ。

  • 母親を死神から守りたかった少年の気持ちが,痛いほどよくわかる。
    そして,世界のため,少年ために諭す母の愛が切ない。
    生命と死について考えさせられました。

  • 死は、辛いものだけど受け入れなければならないもの。
    死があるから、生の有り難みがわかるんだね。
    いろんな死の上に自分の生が成り立っている。

  • 感想を放置し過ぎて忘れたシリーズ

     死がなくなったらどうなるか、っていう絵本だったと思う……

  • 設定にうーん...と思うところ(お母さんに共感できないなぁ、ポール凶暴!!)はあったけど、それも絵本らしさかなぁとも思う。死神がいないといのちが終わらない=食材が手に入らないという発想にはハッとさせられた。いのちをいただいて生きていることに改めて気付かされた。死神復活後、お母さんがすぐに死なないで100才すぎまで元気でいる、というおわり方にも考えさせられる。

全28件中 1 - 10件を表示

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ユージーン トリ...
いまい あやの
三浦 しをん
ポール・フライシ...
ヨシタケ シンス...
ショーン・タン
セーラ・L. ト...
ユリー・シュルヴ...
ジョン・クラッセ...
小川 未明
ガブリエル バン...
ヴォルフ エァル...
マーガレット・ワ...
湯本 香樹実
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする