- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784890852420
作品紹介・あらすじ
本書ではこれまで経験則に基づいて語られてきた様々な勉強法について、脳科学の裏づけをもってその真偽を厳然と判定していく。そのために、まず、一般的な記憶の正体を明らかにし、記憶のメカニズムを説明する。そのあとで、高校生のみなさんにとって、中学生までとはまったく異なる「記憶力を鍛える方法」についてアドバイスをする。
感想・レビュー・書評
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この本は分かりやすく色々の脳科学の事を教えてくれました。色々知っていた事もあったけど、勉強になりました。この本で習った勉強法を実際に今度使ってみて、自分でもっと効率よく暗記などを出来るかどうかを試してみたいと思います。
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脳の働きについてよく理解できる。
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受験生よ読みたまえ‼️
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学習は継続することが大切だという、結論としてはありきたりなのだが、何故継続が必要なのか、倦まず弛まず継続した先に待っているものは何かを脳科学の立場から解き明かし、モチベーションをグッと高めてくれるだけでなく、世の中に出て役にも立たないように見える学校の勉強が何故必要なのかを、実に明快に語ってくれている。
記憶を司る海馬の効率的な刺激方法が示される。記憶には経験記憶、知識記憶、方法記憶の三種類があり、この中で最も進化した方法記憶こそが脳の働きを幾何級数的に伸ばしていく。ヒトの脳神経に差はない。もっと言えば、人間とネズミと虫けらの間にすら、神経細胞的な違いはほとんど無い。
方法記憶はより少ない記憶量で済み、しかも忘れにくい。これを積み重ねることにより、記憶は相互関係を強化しながらある一点を過ぎると急激に幅広く強固なものとなっていく。
天才と呼ばれる人々と凡人の間のレベルの差は、ほんのワンステップかツーステップ程度の差でしかない。
<blockquote> 「嵐の前の静けさ」と「驚異の爆発」という成長パターンを示すのが「脳」の性質なのです。</blockquote> -
脳科学の観点から効率的な勉強についてわかりやすく書かれていておもろしい。表紙は堅い感じがしたが海馬に関連してただけだった。
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教育の目的および学習の目標は、ものごとの中に共通な法則性を見つけ出して、生活上出くわす新しい場面でそれを上手に応用する能力を身につけること。
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脳科学者が書いた、科学的な記憶方法に関する本。
脳の記憶力は、人によりほとんど差の無い能力で、記憶力の良い人は覚え方を工夫しているということ。
その覚え方を脳科学に基づき詳しく解説してくれている。
わかりやすく効果的な本だと思った。
各章に偉人の言葉が載っていたので書き留めておく。
「雨は一人だけに降り注ぐわけではない」ロングフェロー(詩人)
「一番だましやすい人間は、すなわち、自分自身である」パルワー・リットン(英政治家)
「人生は物語のようなものだ。重要なのはどんなに長いかということではなく、どんなに良いかということだ」セネカ(哲学者)
「時間の使い方のもっとも下手なものが、まずその短さについて苦情をいう」ラ・ブリュイエール(思想家)
「決断せよ。そして、一旦決心したことは必ず実行に移せ」フランクリン(科学者)
「食欲がないのに食べると健康を害するように、欲求がないのに学習すると記憶を損なう」ダ・ビンチ(芸術家)
「人は、教育がつけばつくほど、ますます好奇心が強くなる」ルソー(啓蒙思想家)
「登山の目標は山頂と決まっている。しかし、人生のおもしろさはその山頂にはなく、かえって逆境の、山の中腹にある」吉川英治(作家)
「いつも自分を磨いておけ。あなたは世界を見るための窓なのだ」ショー(劇作家)
「寒さにふるえた者ほど太陽を暖かく感じる」ホイットマン(詩人)
「何かを理解しようと思ったら、遠くを探すな」ゲーテ(作家)
「ドジを踏むことは人間の仕事です」ヴォルテール(作家)
「欠点があることは人間の長所である」ユダヤの格言
「すべてを得んとするものは、すべてを失うものである」山名宗全(武将)
「想像は知識よりも重要である」アインシュタイン(科学者)
「私たちが人生とは何かを知る前に人生はもう半分過ぎている」ヘンリー(詩人)
「私たちの人生は、私たちが費やした努力だけの価値がある」モーリアック(作家)
「人間は自己の運命を創造するのであって、これを迎えるものではない」ヴィルマン(教育学者)
「夢をもちつづけていれば、いつか必ずそれを実現する時が来る」ゲーテ(作家)
「人間は負けたら終わりなのではない。あきらめたら終わりなのだ」ニクソン(元米大統領)
「ランプがまだ燃えているうちに、人生を楽しみたまえ、しぼまないうちにバラの花を摘みたまえ」スイスの詩人ウステリ
「朝寝は時間の出費である。しかも、これほど高価な出費はほかにない」カーネギー(実業家) -
2017.4.12
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中学生・高校生向けだが、まずはその親に読んで欲しい。
脳科学者が書いた効率的な勉強法。
これまで自分が脳の仕組みを度外視した勉強や仕事をしてきたことを反省させられた。
年齢に応じて脳の働きは変化する。
過去の勉強法にこだわって不効率なことをしていた
この歳で気づいただけでもまだマシか -
記憶力が問われるのは、受験勉強では必須の要件であるから、我々は詰め込み教育は良くない、と云った批判言説に少なからず賛同もしてきたけれど、結局は無味乾燥な暗記作業を疎かにしていては志望校に合格する事は難しくなる。ただ、脳の機能に遺伝的な相違は殆ど無いそうなので、記憶に強い人とそうでない人に分かれる統計には、何かしらの原因があるに違いないと思うのだ。
本書を読んで納得できた事は、一度に覚える情報量は少ないほど良い、定期的に同じものを暗記し直して記憶を更新してやると更に脳への定着が良くなる、何度も必要な情報である事を脳に教え込まなければ脳はすぐに忘れようとする、という記憶に関する科学的なデータだ。
記憶には3種類あって、挙げてみると、【 経験記憶・知識記憶・方法記憶 】という。
自分の五感を使った記憶を経験記憶と呼ぶ。これは、非常に忘れにくい記憶で暗記をする際は、経験記憶で覚えるのが一番良いそうだ。知識記憶は、経験記憶から、五感で覚えた経験が忘れられて単なる知識データとして脳に蓄積されるものだ。これが一番思い出しにくい記憶なんだって。アウトプットが重要である試験でのパフォーマンスを高めたかったら、記憶を単なる知識データとして覚える事だけは避けた方が良い。
脳から引き出したい情報は五感経験と結び付けた記憶に頼るほかはないので、記憶の墓場と呼んで差し支えなければ、それが知識記憶の倉庫と云って良いと思う。この知識記憶は単なる潜在意識の底で蓄積されるだけの完全に眠ってしまった記憶らしい。
方法記憶とは、学びの体系化と呼ばれるもので、何かを理解できた際にはその中に含まれる知識を有効に使い分ける方法論を学べたという事とイコールに結ばれる。何でも良いが、将棋の達人は将棋の駒の戦術的な進め方の方法論を会得しているから強いのだ。自転車に乗れた子どもは強烈な走法記憶がインプットされるので、決してその感覚を忘れる事は無いと謂われる。学びの中で最終的に身に付くのが方法論であり、学習の到達目標として方法論の会得を設定する事は、達人になるには必須の条件でもあるのだ。
最後に、一般的に分かるってどういう事を指して呼ばれるのか、について記しておこう。分かるとは小さく分けられると云う事らしい。要は起承転結の細部に亘って、その状態を説明できるって事だ。理論的にも、物事を原因と帰結のセットで説明できる事は、その物自体を理解している証拠だよね。何かを学んでる時には、この知識を他にも活用できる方法論を自分はいま身に付けてるだろうかと、自問してチェックする癖をつけてみる事をお勧めする。