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- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784891742348
作品紹介・あらすじ
名臣の実像と虚像。複雑な国際情勢に苦悩する北宋朝にあって、范仲淹が果たした役割とは…。「名臣」の足跡から、11世紀中国の歴史を見る。
感想・レビュー・書評
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竺沙雅章"范仲淹"を読む。
近世中国史で著名な元京大教授による評伝。95年刊行。
宋代中期を支えた名臣、范仲淹について網羅的に解説。五代十国の乱世から太祖趙匡胤による統一。南方王朝の滅亡に翻弄された父母、養父。
范仲淹は宋の三代目、真宗の頃に科挙に及第。おもに仁宗の代に活躍。トップ合格の状元ではなかったものの、諫言を行う言官としての気骨、また政争のあおりで地方に出された杭州知事時代の治水の実績から世の士大夫に認められるように。後世には辺境防衛の功で知られます。
のちに朋党の争いは范仲淹のともがらに始まる、ともされましたが、正義感の強い、扱いにくいおじさんだったようです。
首都開封府の長官となった40代後半の仲淹、人事を壟断するときの宰相・呂夷簡と争う。
引用
「皇帝は官僚の昇進の遅速等を知るべきであり、近臣の任免をすべて宰相に委ねてはならないと主張した。さらに具体的に、官品ごとにまとめた官僚の一覧表『百官図』を作成して、序列どおりの昇進か、順序を飛び越えた任用か、公正なものか情実の人事かを、一目でわかるようにした。そのため、夷簡はますます彼に対して、不快感を持った」詳細をみるコメント0件をすべて表示
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