国家に抗する社会

  • 水声社
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784891762063

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  • 国家に抗する社会―政治人類学研究 (叢書 言語の政治)

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  • クラストルの挑発的な人類学本。権力というものを知りながら、その愚かさを回避するために”未開”社会は権力に対する闘争機械をその制度の中に編み込んでいたのではないか、という大胆な発想。
    個人的にクラストルが末尾で人口の増加にともなって、権力という形態が現れるということは避けられないのではないかと、短いが示唆する箇所がある。量の変化は質の変化もやはり促すのであろうか。

  • [ 内容 ]
    本書において、著者は、グアヤキ、グアラニ等南米インディアン諸族における《権威なき首長制》、その婚姻制度、言語活動、神話、過酷な拷問などの鋭い分析を通して、未開社会のあらゆる様相においてダイナミックに機能する《国家機械》の出現の阻止の動きを摘出し、またグアラニ族の思想に語られる《一なるもの》への拒否において、西欧の知を貫く《同一性原理》への能動的な反抗を見る。

    [ 目次 ]
    第1章 コペルニクスと野蛮人
    第2章 交換と権力/インディアン首長制の哲学
    第3章 独立と外婚
    第4章 アメリカ・インディアン人口論のために
    第5章 弓と籠
    第6章 インディアンの笑いを誘うもの
    第7章 言葉の義務
    第8章 密林の予言者
    第9章 多なき一をめぐって
    第10章 未開社会における拷問
    第11章 国家に抗する社会

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 長田弘『読書のデモクラシー』より

    ・・・非強制的権力の基礎は何かというという問いには、答はあたえられていない。この問いは、より簡潔なより厳しい形で問うことができる。すなわち、なぜ政治権力は存在するのか、と。何も存在しないのではなく、政治権力が存在するのはなぜか。
    (1)政治権力とは何か。ということは、社会とは何か、という問いである。
    (2)非強制的政治暴力から強制的権力への移行はなぜ生じるのか。ということは、歴史とは何か、問うことである。・・・・・・
    ラテン・アメリカのインディアン文化を調べた人類学者のピエール・クラストルが、政治人類学はその問いにはじまらねければならないとしてこの二つの設問をあげている。

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著者プロフィール

ピエール・クラストル〔著者〕1934年パリに生まれる。フランスの人類学者。ソルボンヌ大学でヘーゲルとスピノザを研究し哲学を修め、1956年以降、クロード・レヴィ=ストロースの学生として人類学の研究をはじめる。さらにアルフレッド・メトロの指導のもとに南アメリカをフィールドにした政治人類学研究を開始。その後、高等研究院教授となる。1977年7月、その影響力のきわみにあるなか、自動車事故によって他界した。日本語に翻訳された著作として、『グアヤキ年代記――遊動狩人アチェの世界』(毬藻充訳、現代企画室、2007年)、『国家に抗する社会――政治人類学研究』(渡辺公三訳、水声社、1987年)、『大いなる語り――グアラニ族インディオの神話と聖歌(毬藻充訳、松籟社、1997年)、『暴力の考古学――未開社会における戦争』(毬藻充訳、現代企画室、2003年)がある。

「2021年 『国家をもたぬよう社会は努めてきた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ピエール・クラストルの作品

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