美術愛好家の陳列室 (フィクションの楽しみ)

  • 水声社
2.92
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本棚登録 : 39
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (154ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784891765569

感想・レビュー・書評

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  • 短い本で、気がついたら読み終わっていて、?である。後書きで仕掛けを知る。仕掛けも何もずうっと絵画の話だから、絵画がわからないと今話がどうなってるのかわからない。
    絵画収集家が自慢するために、自分の持っている作品を飾っている様子を模写したタイプの絵があるらしい。その中の絵にこのタイプの絵がまたあって、永遠に入れ子状態。
    ですからね、メタフィクションってやつぁー、あっしは駄目なんですてい。

  • 4/17 読了。

  • [ 内容 ]
    1913年、一枚の絵に全米は騒然となった。
    そして、美術市場を巻き込んだ大騒動が…。
    錯綜する“傑作”。

    [ 目次 ]


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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 書店の仏文の棚で、そそられる題名に反応(笑)。装丁はシックで好きなんですが、書名が黒の角ゴシックってどうかな…。

    第1次世界大戦前のアメリカで展示された、1枚の絵から物語が始まります。ある美術コレクターのコレクション・ルームを描いたこの絵は、コレクターの死後、人手に渡らないように処分され、他のコレクションはオークションにかかり、画家は突然の事故で没し…と何もなくなったような状況からこの2人と1枚を浮かびあがらせていくという、私の好きな状況てんこもりの魅惑の素材(笑)のはずなのに…面白みに欠けるんです。どうしてー?

    もともと複雑な構成がとられた物語です。作品中に山ほど出てくる絵画(この仕掛けは結構面白い)が物語にからんでいくので、何度も行きつ戻りつ読んでしまうのは著者の思うツボだろうし、それでいいと思います。でも、間にはさまれる新聞記事やオークションカタログ、美術論文の訳が、地の文と雰囲気が変わらなくて単調…。もっとメリハリの利いた言葉づかいでノンフィクションっぽく訳せるかたの、練れた訳文が似合う作品ではないかと思います。少なくとも、段落を替えて処理するだけでなく、活字を変える、文体を変えるなどの「見せる」工夫は必要じゃないでしょうか。そういうエンタメ性は要らない純文学だといわれればそれまでですが、ちょっともったいない印象を持ちました。

    そのうえ、巻末の解説(これがネタバレ感満載)を読まなきゃ楽しめないような作品はちょっとどうなんだ、と思ってしまいました。各ページにはさまれる名画の断片がクイズっぽくて面白いんですけど、挿絵なのかキーなのか、微妙に意図が分からないし(笑)…ナゾの作品感倍増ー。

    「たぶん面白いんだけど、面白さが見えてこない」という不思議な本なので、この☆の数です。「原著は面白い」などの情報をお持ちのかた、お待ちしております(笑)!

  • <FONT COLOR=#000066><B>「ギャラリー画」(クンストカマー)と呼び慣わされるタイプの絵に、格別の注意を払うべきである。十六世紀のアントワープで誕生して以来、十九世紀半ばまで、ヨーロッパの主要流派を通じてこのジャンルの伝統は途絶えることなく受け継がれてきたのだから。</B></FONT>
    <BR><BR>
    「美中愛好家の陳列室」というタイトルのギャラリー画を巡る、ドキュメンタリー風解説、学術論文の引用、オークションの目録といった体裁を取ったパスティーシュ小説。どこまでが実在する画家、絵画でどこからが嘘かわからない仕掛けが凝りに凝っている。これ以上長かったら私は放り出すだろうと思ったが、こりゃ好きな人にはたまらないだろうな、ネットで調べまくっちゃうんだろうなと思わされる。名画の一部分を切り取った挿画も楽しいが、装幀が「ギャラリー画」でないのは残念。参考:<A HREF="http://park8.wakwak.com/~w22/795.htm" TARGET="_blank">すみ&にえさんの書評</A>

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著者プロフィール

1936年生まれのフランスの作家(両親はポーランド系ユダヤ人で、第二次大戦中に死去)。パリ大学、チュニス大学の文学部で学んだ後、国立学術研究センターに勤務。1965年、ヌーヴォー・ロマンの手法を駆使して消費社会の空しさを暴き出した処女作『物の時代』でルノドー賞を受賞。以後、大胆な実験作を次々と発表して注目を集め、1978年には大作『人生使用法』にメディシス賞が与えられたが、1982年、46歳の若さで病没。広範な視野から現代世界を鋭く抉るその前衛的作品群は、文学の新たな可能性をひらくものと評価されている。日本文学にも関心を寄せていたことは、本書中の『枕草子』からの引用においても示されている。邦訳作品に『眠る男』(海老坂武訳、晶文社)、『物の時代』『小さなバイク』(弓削三男訳、白水社)、『人生使用法』(酒詰治男訳、水声社)などがある。

「2000年 『考える/分類する 日常生活の社会学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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