人工の冬

制作 : Ana¨is Nin  矢口 裕子 
  • 水声社
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本棚登録 : 32
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784891767358

作品紹介・あらすじ

バイセクシュアルな三角関係を濃密に描く「ジューナ」、父と娘のインセストを赤裸々に描く「リリス」、告白する女たちと精神分析医の物語「声」。アメリカで発禁となっていた先駆的な性愛小説三篇が原形のまま70年ぶりに復活。

感想・レビュー・書評

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  • ヘンリー・ミラーとその妻ジューンとの不思議な三位一体恋愛関係が元と思われる『ジューナ』、20年振りに再会した父と娘の愛を描いた『リリス』、ジューナもリリスも訪れる精神分析医との物語『声』を収録した作品。アナイス・ニンの日記を読んでいたので、ジューナもリリスもアナイスの分身である事がわかる。男性の中に「子ども」を見つけ、愛と望み通りの物を与える事で充足したと思い込み、他者の必要に自らを埋没させる習性がこの2人の登場人物の人生観の根底にある。そしてそれが招く「愛するという事は孤独」であるという事実。抽象的な文と比喩の使い方が独特で、それが美しいリズム感と幻想を生む。『リリス』の中で、父とリリスの脳内でのオーケストラの饗宴という、類い希な比喩を駆使して描かれた、全く直接的な表現をしていない場面は美しい性愛の場面。この本が何故発禁処分を受けたかわからない。

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プロフィール

Anais Nin (1903-1977) 邦訳書に『信天翁の子供たち』(山本 豊子訳、水声社、2017年)、『アナイス・ニンの日記』(矢口 裕子編訳、水声社、2017年) 、『リノット 少女時代の日記 一九一四-一九二〇』(杉崎 和子訳、水声社、2014年)、『ミノタウロスの誘惑』(大野朝子 訳、水声社、2010年)、『人工の冬』(矢口裕子訳、水声社、2009年)、『小鳥たち』(矢川澄子訳、新潮社、2003年・新潮文庫、2006年)、『ガラスの鐘の下で』(中田耕治編訳、響文社、2005年・木村淳子訳、鳥影社 、1983年)、『巴里ふたたび』(松本完治訳、エディション・イレーヌ、2004年)、『愛の家のスパイ』(西山けい子訳、本の友社、2000年)、『アナイス・ニンコレクション 1〜5・別巻』(木村淳子訳・山本豊子訳(別巻)、鳥影社、1993〜1997年)、『ヘンリー&ジューン』(杉崎和子訳、角川書店(角川文庫)、1990年)、『ヴィーナスのためいき アナイス・ニンのエロチカ二部作  富士見ロマン文庫』(杉崎和子訳、富士見書房、1985年)、『ヴィーナスの戯れ アナイス・ニンのエロチカ二部作  富士見ロマン文庫』(高見浩・杉崎和子訳、富士見書房、1985年)、『リトル・バード?アナイス・ニンのエロチカ13篇』 (杉崎和子訳、富士見書房 、1982年)、『デルタ・オヴ・ヴィーナス』(高見浩・杉崎和子共訳、二見書房 、1980年)、『アナイス・ニンの日記』(原真佐子訳、河出書房新社、1974年→原麗衣訳、筑摩書房(ちくま文庫)、1991年)、『未来の小説』(柄谷真佐子訳、晶文社(晶文選書)、1970年)、『近親相姦の家』(菅原孝雄、太陽社(太陽選書)、1969年)などがあり、関連書等に『水声通信 第31号 特集=アナイス・ニン』(水声社、2009年)、『ヘンリーからアナイスへ』(ヘンリー・ミラー著、小林美智代訳、鳥影社、2005年)、『アナイス・ニンの少女時代』(矢川澄子著、河出書房新社、2002年)、『「父の娘」たち』(矢川澄子著、平凡社(平凡社ライブラリー)、2006年、新潮社、1997年)などがある。

アナイス・ニンの作品

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