リモンの子供たち (レーモン・クノー・コレクション 3)

  • 水声社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784891768638

作品紹介・あらすじ

実在の「狂人」たちをテーマに『不正確科学百科事典』を執筆するシャンベルナックとブルジョアの一家、リモン家。二つの世界が交錯し、突飛な「狂人」たちの言行が、破局へ向かう時代の空気を照らし出す。人間の愚かさを根源的に問う、クノーの知られざる傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 作家のクノー自身が手がけた狂人研究調査「不正確科学百科事典」を組み込んだ作品。この18〜19世紀の狂人研究部分と現代(両世界大戦間のフランス)のリモン家の物語が互いに共鳴する構造になっている。クノーの他の作品同様、登場人物は皆、何らかの象徴を背負っている(このへんの謎解きのある巻末解説はとても楽しい)。
    前半から中盤は共鳴する構造が非常に効果的で、心地よいスピード感がある。しかし、後半に入ると分量を増す狂人パートのくどさがリズムを損ねていて残念。そもそも狂人パートは創作ではないらしいのだが。いっその事、狂人のエピソードも魅力的な創作にしたらと思ってしまいました。
    最後の落ちはグッド。

    刊行から時間がかかってしまったが、これでクノーコレクション全13巻を全て読了。手の込んだ構成や歴史の知識が必要だったりと、とっつきにくい所もあるクノーの作品だが、語り口のうまさとユーモアは今でも若い読者を獲得する魅力が十分あると思う。楽しかった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「全巻予約者サービス」
      羨ましいなぁ、、、
      「全巻予約者サービス」
      羨ましいなぁ、、、
      2013/03/05
  • クノーのマトリョーシカ作品。とてもおもしろかった。

  • レーモン・クノー・コレクション完結。ご苦労様でした。。。

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    「太陽は糞便でできている!

    実在の〈狂人〉たちをテーマに『不正確科学百科事典』を執筆する、シャンベルナックとブルジョアの一家、リモン家。二つの世界が交錯しながら、突飛な〈狂人〉たちの言行が、破局へ向かう時代の空気を照らし出す。人間の愚かさを根源的に問う、クノーの知られざる傑作。

    日本ウリポ史上、最大の新シリーズ、ついに完結!

    * 本コレクションは、今回配本分をもって完結となります。長い間のご愛読、誠にありがとうございました。
    なお、全巻ご購読特典は、塩塚秀一郎氏(『リモンの子供たち』)、久保昭博氏(『地下鉄のザジ』『はまむぎ』)の共訳で、現在鋭意編集中です。出来次第のお届けとなります。もう少々お待ちください。」

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著者プロフィール

一九〇三年ル・アーヴル生まれ。パリ大学で哲学を学び、シュルレアリスム運動に参加。離脱後、三三年に「ヌーヴォ・ロマン」の先駆的作品となる処女作『はまむぎ』を刊行。五九年に『地下鉄のザジ』がベストセラーとなり、翌年、映画化され世界的に注目を集める。その後も六〇年に発足した潜在的文学工房「ウリポ」に参加するなど新たな文学表現の探究を続けた。その他の小説に『きびしい冬』『わが友ピエロ』『文体練習』『聖グラングラン祭』など、詩集に『百兆の詩篇』などがある。一九七六年没。

「2021年 『地下鉄のザジ 新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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