青い花 (レーモン・クノー・コレクション 12)

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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784891768720

作品紹介・あらすじ

聖王に逆らい、ジャンヌ・ダルクとともに戦い、馬と話し、錬金術を見出す…数世紀をまたにかけ、数々の冒険を繰り広げる破天荒な騎士、オージュ公。一方、20世紀、動かない川船で、暗い過去を抱えながらも、平凡な生活を送るシドロラン。互いを夢見あう二人が700年の時を超えて出会う。

感想・レビュー・書評

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  • 言葉遊びや古典からの引用など技巧を凝らした作品らしいが、それを知らなくても十分楽しめる。とにかくキャラが良い。そして場面展開の面白さ。
    訳注と訳者あとがきも手厚く、読書の楽しみを増幅してくれる。

  • 夢のお話でもあり、時間の物語でもある。ラストは文字通りの大団円。おもしろかった♪

  • とても楽しくサクサク読めた。もちろんそんな簡単に扱える代物でないことは分かってる。多くの引用・言語遊戯をひとつひとつ吟味し、歴史観宗教観精神分析論などなど知識を蓄え解読するには私の場合生涯かけても無理だ。けど、それらのエッセンスは充分満喫することができたのでよしとする。(無理矢理捩じ込んだ日本語のダジャレやズーズー弁もどき訛り言葉は違和感だけど致し方ないのだろう) 最後《いと小さき青い花》の光景がなんやかんや感傷的でこういったオチをされちゃうと、とどのつまり私は無条件にまいってしまうのだなあ。

  • 台詞回しなど最初は戯曲のようで、それがまたユーモラス。しかも二人の主人公の間を行ったり来たりするものだから、はちゃめちゃもいいところだった。しかし主人公の1人であるオージュ公爵が周りを引き連れたまま「時代」を少しずつ下っていることに気づくと、読んでいるほうは頭の中がぐらぐらの状態でもこれはもう「彼らについていくしかない!」と(笑)。
    訳すのは大変だっただろうなと同情したくなるほど、やや無理のある部分もなきにしもあらずだし、読みやすいが読みにくい本であると言えるため、誰にでもおススメできる小説ではないが、あるものの意義がラストではっきりし、そしてある場所にたどり着いたときには、感嘆の息が漏れた。

  • 大傑作らしい。。。

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    「聖王に会い、ジャンヌ・ダルクとともに戦い、馬と話し、錬金術を見出す……
    数世紀をまたにかけ、数々の冒険を繰り広げる破天荒な騎士、オージュ公。
    一方、20世紀、動かない川船で、暗い過去を抱えながらも
    平凡な生活を送るシドロラン。互いを夢見あう二人が700年の時を超えて出会う!?
    SF? 歴史小説? クノー版胡蝶の夢!

    「中国に胡蝶の夢という有名な説話がある。荘子は蝶になる夢を見るが、
    それはむしろ、蝶のほうが荘子になる夢を見ているのではないだろうか?
    この小説でも同じだ。オージュ公爵がシドロランになる夢を見ているのだろうか、それとも、シドロランがオージュ公爵になる夢を見ているのだろうか?
    オージュ公爵は百七十五年の間隔をおいて出現し、歴史を横切っていく。
    1264年には聖王と会見し、1439年には大砲を入手し、1614年には錬金術を発見、1789年にはペリゴール地方の洞窟で珍妙な活動に勤しむ。
    1964年には夢で見たシドロランと出会う。係留された川船で、まったくのぐうたらに徹しているシドロランに。そのシドロランは、彼は、夢を見ている……その唯一の活動は、誰かが誹謗中傷の書きこみをしていく庭の囲いを上塗りすることのようだ。
    まさに探偵小説のごとく、その誰かの正体はいずれ判明しよう。
    青い花については……」——レーモン・クノー」

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著者プロフィール

一九〇三年ル・アーヴル生まれ。パリ大学で哲学を学び、シュルレアリスム運動に参加。離脱後、三三年に「ヌーヴォ・ロマン」の先駆的作品となる処女作『はまむぎ』を刊行。五九年に『地下鉄のザジ』がベストセラーとなり、翌年、映画化され世界的に注目を集める。その後も六〇年に発足した潜在的文学工房「ウリポ」に参加するなど新たな文学表現の探究を続けた。その他の小説に『きびしい冬』『わが友ピエロ』『文体練習』『聖グラングラン祭』など、詩集に『百兆の詩篇』などがある。一九七六年没。

「2021年 『地下鉄のザジ 新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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