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本 ・本 (160ページ) / ISBN・EAN: 9784891948207
感想・レビュー・書評
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詩を書くひとは、風に雲に山に海に、あらゆることに敏感で表現豊か。
受信し過ぎて大変なんじゃないかと思うくらい。
読んだ感覚は、プールの中から見上げた空に感動した記憶を呼び起こすような、そんな感じ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ずっと手に入れたくて、産褥期に読む。まず装幀がしびれる。魚喃の描く絵はシンプルな線なのに、シンプルな線だから?とても好きだー。
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本の外側まで気を配られて作られている。
→https://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-12043054087.html -
美しさというものは今も昔も変わらない
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心象も、情景も、うつくしい描写をする人。書き写したくなることばたち。
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暗闇に浮かぶやさしい光のような詩。この人のことを知ることができて良かった。
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一番好きな詩人。
これを読んで感動できる日本人でよかった。 -
立原道造の詩は難しくない。とても素朴な言葉でつづられている。文壇の人という感じではない、詩を読み終わった後で、彼が24歳で亡くなっていたことを知る。しかし、この淡々としてどこかつぶやかれるようにして綴られる彼の詩は、それが戦前の作であることを薫らせない。
まるでほのかに甘みを帯びた水のように…僕はそれはあたかも僕自身のつぶやきのようにして飲み下せてしまう。
装丁がとても良い。糸でつづってあるあたりが、とくに気に入っている。
かすかにざらついた肌合いの魚喃キリコの鉛筆のドローイング。
シングルラインの震えやかすれをたどりながら、ぼんやりとページの一枚を見つめていたりすると、なんだか不思議と胸が落ち着く。
だけれども、道造の詩をふと思いに滑らすとき、意図せずしてそれがキリコのドローイングと重ねあわさってしまうときがある。
詩に絵をつけるのはむづかしい。
詩は言葉だけれども、言葉はそこに目で見える具象がないから、読む人の心に自由な想像や共感を呼び起こす。
絵は言葉がないから、それは観る人に言葉を語らせる。
これはとてもむづかしい。
道造の詩も、キリコの絵も、僕はどちらとも好きだ。
だがそれゆえに、僕がそのどちらからも、自分で想像や共感を組み立てる機会を失っているのではないかと感じ、ふと、時々、不安になることもあるのだ。 -
良いです。泣けるほど。
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立原道造 24歳の若さで人生を終える。帝大の建築を学んだ傍ら詩を謳う。1914年~1939年。
葬送歌
窓硝子に 映っている
過ぎる 斜の人影
かさなり かさなりもつれ 消え
消え・・・・
あのとき あのとき
かげのように そうして笑っていたひと
いつも いつも
歪んだ字を書いて来たひと
死ぬとき うっすらと笑ったというー
しかし その声を 私は
人をとおして 聞いたにすぎない
卓の上に 落ちた花のかげ 皿の影
指でふれてみてふれてみても
記憶は一つひとつ消えて行く 消えて行く弱い物音・・・
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立原道造の作品





