タラチネ・ドリーム・マイン

著者 :
  • パルコ
4.06
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本棚登録 : 280
レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784891949785

作品紹介・あらすじ

わたしたちの街サプラウは、四月も雪が降って。入学式の朝、制服を着た体がうす青い炎にしらしらと覆われている生徒が、わたしたちの前に現れた。歌集「たんぽるぽる」で新時代の扉を開いた雪舟えまが書きおろしたはじめての短編小説集。

感想・レビュー・書評

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  • 完全ジャケ買い。というか実は背表紙買い。名前も前評もまったく知らずに衝動買いしたけど最高の出会いだった。

    17歳的な、刹那的で繊細すぎて、やたらと死や孤独や痛みに甘く魅かれていくかんじを的確に描ききってる。美しすぎてかっこよすぎてやられました。とってつけたようなガーリー商業の人たちには100回読んでも一行も理解できないであろう、真のガーリー魂ここにあり、です。

    相対性理論(やくしまるえつこ)とか穂村弘的な世界だなーと思い、短歌界出身ということで穂村弘の影響を受けてる次世代?と思って何気なく調べたら、なんと手紙魔まみのモデルであったことが発覚…。衝撃!!
    こんなところでつながるとは。

  • 世界は常に移ろうようだけど、それは自分もしっかりと含まれた上で移ろっている。
    自分の一挙一動が世界を変え続けている、というのも、ある意味では過言ではない。

    そんな風に思わせてくれる小説だった。
    あと、言葉のチョイスがすてき。使い古されたものを微妙に、ほんとうに微妙に外している感じが心地よい。
    例えば、「はなればなれ」と言いそうなところを「別れ別れ」と言ったりする。
    そのあどけなさが、心を打つ。


  • 雨になって街に降り、人の感情を感じ取る女性の物語が詩的でとても良かった。(「草野ずん子」)
    ろみ雄とずん子のひとつになる様子を「旅」と表現し、二人で街に降る時の情景、心情描写が良い。感情を雨に喩えて「降る」という発想が気に入った。誰かとの交わり方をこれほど美しく静かに、そして少しファンタジーに描いた作品を初めて読んだ。雪舟えまさんの作品はジャンル分けしにくいところが面白い。他にないジャンルだと思う。
    静かな大人の恋愛を描いた一編。
    もちろん、他の作品もネオ日本という感じがして良かった。

  • 「モンツンラとクロージョライ」青い火をまとった特殊能力のある女の子、クロージョライ「水晶子」兵役がある世界、友人の獅子から月に逃亡して兵役のがれをすると聞かされる水晶子。やさしい言葉運びで幻想とリアルの際どさに酔える作風が独特。素敵な装丁。

  • だれかの幸せとわたしの幸せと、どこに違いがあるというのだろう。

    いや全然違うでしょ。全然違うのだけど、なぜか否定できない。呆れるほど無防備で、悲しいほど優しい。なかなかのパワーワード。
    上の一文を許容できるかどうかでおすすめできるかが決まるような。僕は衝撃を受けた。自分には絶対に書けないものに憧れを抱いてなにが悪いのだ。
    そんな意味のわからない感性に彩られた短編集。少し不思議のSF要素と歌人独特の言葉選び。とても満足な一冊でした。

  • 読み進めるのがすごくきつかった。装丁が好きだっただけに。雪舟さんはどこか現実離れし過ぎていて私には向いていない。

  • 2013/11

  • 夢から覚めるとまるで筋が通らない、それでいてまたその続きの世界に浸っていたい、そんな感覚の読み心地。どの短編も新鮮でした。なかでも気に入ったのは、仲の良い里子の親子『越と軽』平安朝のような『電』。

  • キラキラした描写と不思議な響きの名前、ファンタジーなようで日常的でもある表現、ガーリーな世界観のオンパレード。
    設定はファンタジーだけど、登場人物たちはその世界の中でフツーに暮らしている様子がありありと浮かぶよう。
    短歌からも小説からも、雪舟えまは「愛」というテーマがとても好きなんだと伝わってきます。

  • まず装丁が愛らしくていとおしくなる。
    SFっぽい、SFと言い切るには日常っぽい、でもこの世界とはちょっとだけ違うパラレルな世界観で、読みながら映像を思い浮かべるのに、今まで見たり読んだりしたSFの、映画や漫画や本やイラストの記憶を総動員した。
    誰かを想う気持ちが、色んな形で表されてる短編集だと思う。

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