- Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
- / ISBN・EAN: 9784892031991
感想・レビュー・書評
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理想を捨てよ。それは他者をを押し退ける暴力を生む。
ありのままの自分の心の動きを見つめること。
どんなに愚かで傲慢かを、ただ見つめること。
改善しようとするのではなく、ただ観察することのなかに叡知を得ることができる。
知識を沢山持った学者の人が、我が身可愛さに信じられないことを言ったり。善いとされる事業をしている組織のなかでハラスメントが横行していることがあったり。
やっぱり、人は自らの中にいる怪物とどう付き合っていくしかないのだと思う。
自分の心と向き合うこと。自分がなにを恐れているのか、そのまざまざをまざまざとみること。
安心しようとしても、安定しようとしても、恐れに目をつぶっているかぎり、恐れはいつだって消えない。
本当に静かな、こころの平穏は、自らの恐れをきちんと見つめること自体にあるのかもしれない。
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クリシュナムルティと、彼が創設したインドの学校の子供たちとの対話・講演記録である。子供たちからの質問は素朴なものから挑発的なものまで幅広い。全体的に、答えは不明確で、自分で考えなさい、という調子で一貫しているが、その背後にある思想との整合性が取れている。彼の思想は、言うは安く行うは難しだが、確かにそこに行けば、世界は変わるに違いなく、それが大衆を魅了する所以だろう。
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久しぶりに読み込みたい本に会いました。
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藤仲 孝司 氏の訳が素晴らしい。
訳者によってかなりのばらつきを感じるのだが、藤仲氏が訳したこの本はクリシュナムルティを代弁するのにふさわしいと思った。
こどもの素直な問いから、クリシュナムルティはそれを超えてゆこうとする。
大人はいつでも、問いを殺そうとする、が彼の言葉は問いそのものを互いに見つめる姿勢にあると思う。
こどもに対しても、親に対しても彼の姿勢はあまり変化しない。伝えるべきことはいつでも同じことだからだ。
彼の言葉はすべてエッセンスしか語らない。その、エッセンス部分が他の本よりも濃く、強いと私は感じた。
わたしにとって、何よりも繰り返し読むべき本になっている。 -
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クリシュナムルティがインドの子供たちと対話する様子の実録です。子供であろうと、大人であろうとクリシュナジーの追求は容赦がありません。真理を見いだすためにいろいろとちがう角度から子供たちに気づきのチャンスを与えてくれています。クリシュナムルティの本はたくさんあって、どこから入っていいかわからないという方には、まずこの本をお読みになるといいと思います。正直言って、私は、他の本では居眠りしてしまいます。 苦笑
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私にとって「運命の一冊」となった。それまでに3冊読んできたが、本書から受けた衝撃とは比べるべくもない。心の奥からせり上がってくる何かがある。そして、どうしようもない勢いで奔流の如くほとばしる何かがある。やがて渦を巻き、上下に振り回され、螺旋(らせん)状に何かが拡散されるのだ。
http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20091116/p3 -
未読