アメリカの市民宗教と大統領

  • 麗沢大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784892054594

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  • 米国の大統領は預言者ではなく司祭であることを求められている!ワシントン以来の牧師説教のような演説の数々を紹介しており、大統領がいかに宗教的な言辞を繰返して述べているかを説明しつつ、決して本当の福音派ではなかったことが見えてくる。そして純然たる福音的な2人の大統領<ウィルソン、カーター>が、むしろ福音派キリスト教会から受け入れられなかった悲劇など、詳細に分析している部分に迫力があります。それは2人が預言者として米国民に悔い改めを迫った!から。むしろ抽象的に米国の偉大さ、神に愛されている(選ばれている)ことを強調してきた人たち(ニクソン、レーガン、クリントンなど)が人気を誇ってきたことに、米国がキリスト教国と言われつつ、実は米国教ともいうべき独特の市民宗教を確立していることを、証拠を持って主張しています。市民宗教の祭司としては現ブッシュもその系譜にあると言えそうです。またワシントン、リンカーンもそうだったというのは意外な気がしました。確かに就任式は4大宗教(プロテスタント、カトリック、ギリシャ正教、ユダヤ教)の教師たちが説教、祈りをするというのは独特です。そこにイスラム教が入るわけにいかないのだろうか、と思いました。ワシントン、リンカーン、マッキンレー、ウィルソン、ローズベルト、アイゼンハワー、ニクソン、カーター、レーガン、クリントンの10人の大統領を取り上げて詳細に説明している部分が出色です。マッキンレーがフィリピンの民主化へ向けて対スペイン戦争を起こした際の演説は今回の対イラク戦争の時と全く同じで可笑しいぐらいでした。

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