失われた時

制作 : Xavier Forneret  辻村 永樹 
  • 風濤社
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本棚登録 : 23
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784892194009

作品紹介・あらすじ

労働とは無縁の金持ち、変わり者でもって知られる小ロマン派の作家は没後、時代の波に埋もれていた……しかし!夢と幻想にシュルレアリスムの先駆を見、アンドレ・ブルトンらによって発見される。義眼の女の出生の秘密と愛「両眼の間の目玉」。窓辺からもれる音楽に引き寄せられる浮浪者の恍惚「オロカモノとハープ」。自分の台本の舞台化を夢見、年増悪女の女優に翻弄される若者「アラブリュンヌまたは夜の貧者」。蛍の明滅の伝説に未来を占われた、恍惚と悲劇の娘「草叢の金剛石」等々、全7篇。

感想・レビュー・書評

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  •  19世紀のフランス人作家による7編からなる短編集。
     そのうちの1編「草叢の金剛石」は澁澤龍彦編集のアンソロジーで読んでいたのだが、内容を全く覚えていなかった。
     時代のせいなのか宗教臭い部分があり、少し気になる。
     また、会話にしても仰々しく、芝居がかっているので、読んでいて疲れる場面もある。
     それでも、読み始めると文章から目を離すことが困難になってしまい、一気に読み進めてしまうだけの強力な何かがある。
     陰鬱で禍々しく、悲劇的でグロテスクなのに妙に乾いた印象を受けるのは、戯曲的な内容なので、一幕の芝居を見ているような錯覚に陥るからかも知れない。
     本文から直接ではなく、舞台というワン・クッションを挟んだ状態で感情移入しているような感覚なのだ。
     いずれにせよ、読後にかなりのインパクトが残る作品だった。

  • 鼻持ちならない嫌味、嫌悪、醜悪。ゴシック建築の塔に暮らし、黒壇の棺で眠る そんな男が昔々に書いた7つの短編。今となっては 既に手垢がついた作風なのかもしれない。それでも『オロカモノとハープ』は気に入っている。僕はこの短編集に美しさを感じたりはしない。ただ 僕の好み、それだけ。

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