- Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
- / ISBN・EAN: 9784892385407
感想・レビュー・書評
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ベッドの上で不安そうな表情で思案にくれるセレスティーヌ。
新聞の陰から心配そうに見つめるアーネスト。
見開きの最初のページで、なにやら起りそうな雰囲気がいっぱい。
(わたし、アーネストに聞きたいことがあるの。わたしがどこからきたのかってこと)
いつもおしゃまなセレスティーヌにも、本当の自分が気になるところ、でもアーネストに聞いていいのか、本当のことを知っていいのか、小さな心に一杯の不安と葛藤が溢れてきます。
「どうしたんだい、セレスティーヌ」
(この子は何か知りたいことがあるんだろう。実は僕はこの子から質問されるのがずっと怖かったんだ)
アーネストもまた、セレスティーヌの不安な気持ちが良くわかり、いつか答えなければならない質問に思い迷う。
親に捨てられたセレスティーヌの生い立ちをどう伝えるべきか、本当の自分を知り、そしてどうなるのか不安な心。二人の互いへの思いでいっぱいの作品です。
やがて、真実を知るセレスティーヌ。それでも自分を愛してくれるアーネストの存在を再確認します。自分がこんなにも愛されていると感じること、これは子供にとって、大人の我々にとっても、とても大切なことですね。
ガブリエル・バンサン最後の作品は病気でありながらも、どうしても残しておきたかった彼女の思いが込められています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
〝「わたしはね、知りたいの、アーネスト。 わたしが、どんなふうに、生まれてきたかってこと!」「わからない。でも、君はそこにいたんだよ、たしかに」「独りぼっちでいたの、わたし?」「そう、独りぼっちだった。 だから、ぼくが君を家に連れてきたんだよ。 マフラ-にくるんでね。 ぼくは、とっても嬉しかったよ」・・・〟自分の生いたちを知りたいと言い出したセレスティ-ヌ。アーネストは覚悟を決め、彼女が捨て子であったことを告げる。真実実を知ったセレスティ-ヌは…。切なさと生きていくことの勇気が描かれた「くまのアーネストおじさん」の最終巻。
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もっと明るい出会いだと思ったら、そんな命の危機に関わる出会いだったとは…
種族を超えての友情や愛情は大好きです。
アーネストは子ども得意そうじゃないのに、慣れてない付きっきりの看病と愛情のかけかたはもう涙。
他にも色んな話を読んでみたい。
わたしが最初に手に取った作品が、アニメーションDVDだったから今度は絵本で。
動き回るのも良いけどね。 -
必ず自分の生い立ちを知りたくなるもんだよね・・・
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めんどくさくてかわゆいこ。
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ガブリエル・バンサンの絵本は我が家にもあって、
アーネストおじさん、というシリーズがあることも知っていました。
図書館でたまたま初めて手に取ったこの作品が
エンディングだと、読み終えて知りました。
セレスティーヌが、
すべてが府に落ちたわけではないが、
自分の出自、アーネストとの出会いを、
反芻しながら、自分のなかに収めていく姿。
それに、覚悟をもって寄り添うアーネスト。 -
くまのアーネストおじさんシリーズの最終巻。ガブリエル・バンサンの絵本は是非大人にも読んで欲しい。誰かが愛してくれれば、人はまっすぐ生きていけるのかも知れません。一句一句が胸を打ちます。
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自分の生い立ちを尋ねるセレスティーヌの問いに、アーネストは悩みながらも一つ一つ丁寧に本当のことを教えます。くまのアーネストおじさんシリーズの最終章となった絵本です。最後のページのセレスティーヌの言葉がとても感動的でした。