雪の写真家ベントレー

制作 : メアリー アゼアリアン  Jacqueline Briggs Martin  Mary Azarian  千葉 茂樹 
  • BL出版
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本棚登録 : 227
レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784892387524

作品紹介・あらすじ

本書は、家族の愛情に見守られ、ひたむきに雪を追いつづけたベントレーの生涯を、美しくぬくもりのある版画とともにつづった心あたたまる伝記絵本です。1999年度コールデコット賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 『畑仕事には牛をつかい、夜のやみを照らすのは、ランプの明かりだけだったころのことです。』
    1999年度コールデット賞受賞のこの作品は、最初にそんな一行が登場する。
    そして、世界で初めて雪の結晶の写真集を出したW・A・ベントレーさんの伝記が始まるのだ。

    好きなことをここまで追求できた彼の人生を、なんて幸せなんだろうというのはたやすい。
    大半の人間は、やらねばならないことを好きになれるように日々努力しているからだ。
    もちろんそれはそれで素晴らしい人生であり、結果として人に喜ばれるのならこんな幸せはないだろう。
    人生をかけるほどの「好きなこと」など、そうそう見つかるはずもないのだ。
    ただ、少年ウィリーは好きなことを続けただけではない。
    それはあくことのない探究心からスタートしたものであり、工夫を惜しまぬ努力もさることながら、美しいものを人に見てもらい喜んでもらいたいという利他の心も併せ持っていた。才能というのなら、その部分だろう。
    彼を支えた両親もまた素晴らしい。
    『雪なんかにむちゅうになって、ウィリーには困ったものだ』と言いながら、貯めていたお金で顕微鏡付きのカメラを買い、ウィリーの願いを叶えてあげるのだ。
    その破格の値段は、『10頭の乳牛よりも値段の高いカメラでした』という。
    雪の写真になど、誰も興味を持つ人などいなかったその頃。
    ウィリーの心を燃やし続けたものは何か。作品は、そこも丹念に取り上げていく。

    約13分かかる。内容からして高学年向きかな。
    絵は、全て版画。穏やかで静かな世界である。
    詩情に満ちた物語は、どのページにも解説が加えられている。
    仕事と何か、夢を追うとはどういうことか、生きるとはどういうことか。
    様々なことを、読後しばし考える秀作。
    残念ながら雪の結晶の写真がないので、W・A・ベントレーさんの【Snow Crystals】という写真集も一緒に読むともっと良いかもしれない。
    いいなぁ、素敵な伝記だなぁ。読みながらじわっと涙が出そうだった。

  • 伝記絵本。
    ウィリー・ベントレーはアメリカの豪雪地帯にある小さな農村に生まれた雪の大好きな男の子。
    雪の研究と結晶の写真撮影に一生を捧げた姿が描かれます。

    ウィリーを温かく見守り、高価なカメラをプレゼントしてくれた両親、素敵だなと思いました。
    本人の努力はもちろんですが、家族の理解と協力があったからこそ雪の研究に没頭できたんでしょうね。

    中谷宇吉郎さんが研究をするきっかけもベントレーが出版した雪の結晶の写真集を目にしたことだったとのこと。
    最後に掲載されている雪の結晶の写真(3枚)はどれも違う模様でうっとりするほど美しいです。
    自然の神秘を感じました。

    温かい素朴な雰囲気の版画も素敵でした。

  • 「雪の結晶の美しさ」に囚われ、その情熱が、結果、かけがえのない世界の財産になる
    名誉やお金じゃなく、自分の関心や想いに生きる、そんな実話
    冷たい雪が心を暖めるほど、美しい
    自然が作り出す美には、人間はただ感動するだけ

  • 研究者とはいつもこうかもしれない。
    他の人達と同じ事には興味を持てず、周りの人々からばかにされ、自分のしたいことだけに夢中になる。
    そして賢い母や両親だけが理解者となってくれる。

    ひとつの事に夢中になって研究する熱心さ、あきらめない強さ。そういう事をこども達に伝えたい。
    そして、一目見ただけでは版画とは思えないほどの絵、
    版画の勉強を始めた5年生に紹介できたらとてもいいだろうなぁ。

  • 子ども(6才)が寝る前に読み聞かせるのが習慣となっている。
    今日はこの本を読んだ。
    読んだらおもしろくって、この人の「雪の結晶」という写真集が無性に見てみたくなった。

    絵本の巻末に少しだけ雪の結晶の写真が載っていたが、息をのむほど美しい。

  • 雪の写真家ベントレー。中谷宇吉郎を連想したり、青少年科学館の雪の結晶づくりを思い出したり、谷川俊太郎さんの「きらきら」と合わせて読み聞かせれば良かったなとふりかえる。

    子供のころの感動をずっと持ち続けて、生涯を捧げるってすごいと思う。

    高級車ベントレーってのもあるんだなぁ。つい車も見ることが習慣になってきてしまった。笑)

  • 子どもの好きな事をとことん応援できるベントレーの親、凄いなぁと、親目線で読んでしまいました

  • 久々の雪の日にこの本を思い出した。学校図書館にあったのだけど、残念ながらこの綺麗な表紙は外されて裸ん坊の本だった。
    ひたむきに雪を追うベントレーに感動する。
    他の方が感想に書かれていた、ベントレーの雪の写真集。私も見てみたい。

  • 2017.12 4-2

  • 図書館。一緒に借りた写真絵本『ゆきのかたち』とセットで読み聞かせたら、結晶の形がリンクしたようで、『ゆきのかたち』もチラチラ見やっていた。2018/1/8

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