雪の写真家 ベントレー

  • BL出版 (1999年12月1日発売)
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本 ・本 (32ページ) / ISBN・EAN: 9784892387524

作品紹介・あらすじ

生涯を雪の研究と結晶の写真撮影にささげ、ついに世界的な雪の専門家としてたたえられるようになった、W・A・ベントレーの伝記絵本。

感想・レビュー・書評

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  • 中学生への読み聞かせにどうかと思って借りてきた。
    家で本を出したら、4年生の娘が「これ必読図書になってるやつ!面白かったよ!」と教えてくれた。
    そうか。4年生の必読図書なのか。
    一つのことを、好きなことを貫ける人って魅力的なんだよね。
    でも相手は中学生、もっと考えさせられる物を選びたい。
    だって1年間でたった1回の貴重な読み聞かせなんだもん!

  • 版画版というような画集も、兼ねているため
    読みやすい。
    自身の好きなことを、続ける姿勢がとても良い内容でした。

    冬の一冊としては、とても良いです。

  • 雪に憑りつかれた人。父に牛10頭分の値段の写真顕微鏡を買ってもらって、雪を見続けた。雪の核が埃であることも発見した。生涯農民の素人科学者だったが、晩年評価された。幸せな人だったんだろうな。

  • 『雪の写真家 ベントレー』
    雪の結晶を背景にベントレーさんがカメラを構えている。寒さ厳しい中、何時間も何時間も。
    そんな表紙からもう魅力が伝わってくる絵本。
    ブクログの方の本棚で見つけ、朝日小学生新聞の紹介欄でも見つけ、図書館に走った。
    カナダに近いアメリカのジェリコにベントレーさんの博物館がある。でも、50年間顕微鏡写真を撮り続けて亡くなってから、やっと多くの人に認められる。
    「酪農家からは、いっぱいのミルクを。そして、わたしの写真から、おなじくらいだいじなものを受け取ってもらえるだろうと、わたしは信じている。」
    ベントレーさんの言葉である。
    彼を支えた両親もまた素晴らしい。
    「子牛よりも背が高く、10頭の乳牛よりも値段の高いカメラ」をプレゼントしたのだから。
    雪、雪の結晶への愛、情熱に胸が熱くなった。

  • 『畑仕事には牛をつかい、夜のやみを照らすのは、ランプの明かりだけだったころのことです。』
    1999年度コールデコット賞受賞のこの作品は、最初にそんな一行が登場する。
    そして、世界で初めて雪の結晶の写真集を出したW・A・ベントレーさんの伝記が始まるのだ。

    好きなことをここまで追求できた彼の人生を、なんて幸せなんだろうというのはたやすい。
    大半の人間は、やらねばならないことを好きになれるように日々努力しているからだ。
    もちろんそれはそれで素晴らしい人生であり、結果として人に喜ばれるのならこんな幸せはないだろう。
    人生をかけるほどの「好きなこと」など、そうそう見つかるはずもない。
    ただ、少年ウィリーは好きなことを続けただけではない。
    それはあくことのない探究心からスタートしたものであり、工夫を惜しまぬ努力もさることながら、美しいものを人に見てもらい喜んでもらいたいという利他の心も併せ持っていた。才能というのなら、その部分だろう。

    彼を支えた両親もまた素晴らしい。
    『雪なんかにむちゅうになって、ウィリーには困ったものだ』と言いながら、貯めていたお金で顕微鏡付きのカメラを買い、ウィリーの願いを叶えてあげるのだ。
    その破格の値段は、『10頭の乳牛よりも値段の高いカメラでした』という。
    雪の写真になど、誰も興味を持つ人などいなかったその頃。
    ウィリーの心を燃やし続けたものは何か。作品は、そこも丹念に取り上げていく。

    約13分かかる。内容からして高学年向きかな。
    絵は、全て版画。穏やかで静かな世界である。
    詩情に満ちた物語は、どのページにも解説が加えられている。
    仕事と何か、夢を追うとはどういうことか、生きるとはどういうことか。
    様々なことを、読後しばし考える秀作。
    残念ながら雪の結晶の写真がないので、W・A・ベントレーさんの【Snow Crystals】という写真集も一緒に読むともっと良いかもしれない。
    いいなぁ、素敵な伝記だなぁ。読みながらじわっと涙が出そうだった。

  • 絵本「雪の写真家 ベントレー」の内容紹介 - ジャクリーン・ブリッグズ・マーティン|ウェブの絵本屋ピクトブック
    https://pictbook.info/ehon-list/isbn-9784892387524/

    Woodcut Print Artist : Mary Azarian
    https://www.maryazarian.com/

    雪の写真家 ベントレー | BL出版
    https://www.blg.co.jp/blp/n_blp_detail.jsp?shocd=b87524

    • nejidonさん
      猫丸さん。
      これは良いお話ですよね。
      この季節に必ず読みます。
      そのあとで雪の結晶の写真集を見せるのですが低学年の子ほど大興奮。
      私...
      猫丸さん。
      これは良いお話ですよね。
      この季節に必ず読みます。
      そのあとで雪の結晶の写真集を見せるのですが低学年の子ほど大興奮。
      私は「興奮よりも感動を」と心がけているのですが、上手くいかないときもあります(*'▽')
      2021/01/20
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      nejidonさん
      「興奮よりも感動を」
      でも確かに興奮しますよね。子ども達が喜ぶ姿が目に浮かびます。。。

      しかし、いつから雪の結...
      nejidonさん
      「興奮よりも感動を」
      でも確かに興奮しますよね。子ども達が喜ぶ姿が目に浮かびます。。。

      しかし、いつから雪の結晶について判っていたのでしょうね。

      北越雪譜. 初篇 巻之上 - 国立国会図書館デジタルコレクション
      https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/767984
      2021/01/21
  • 実在する、雪の写真家ベントレーの生涯を温かい色彩の画風の木版画で描いた絵本。ベントレーの生い立ちから、雪をはじめとする自然に興味を持ち、とことん愛した人柄、人生が子供にも分かりやすい文章で書かれていて読みやすい。起承転結がはっきりしていて、読後感もとても良い。大きな見開きいっぱいに描かれた自然の絵はとても美しく目を惹く。

    • まいけるさん
      こんにちは。まいけるです。
      私も図書館で見つけ、読んでみました。
      ベントレーさんの雪に対する愛、情熱の深さに驚きました。版画もすばらしいし、...
      こんにちは。まいけるです。
      私も図書館で見つけ、読んでみました。
      ベントレーさんの雪に対する愛、情熱の深さに驚きました。版画もすばらしいし、子ども達がふれてほしい絵本ですね。
      ありがとうございます。
      2024/04/16
  • 雪の結晶の世界に魅せられ、その研究に生涯を捧げた、雪の写真家ウィルソン・ベントレ-(1865-1931)の伝記絵本。 〝水は様々な表情をもっているが、雪のなかで育まれ、尽きることなく舞い落ちる6本の枝の結晶ほど、美しく、変化に富んだものが、他にあるだろうか〟・・・バーモント州ジェリコの豪雪地帯にある小さな農家に生まれたベントレ-の言葉。 (1999年コールデコット賞を受賞した版画絵本)

  • 1999年コールデコット賞
    アメリカ図書館協会優良児童図書

    実在した世界的な雪の専門家ベントレーの伝記絵本。
    雪の結晶の美しさに魅せられて追究していく姿が素晴らしく、スケッチを何百枚も描きためたり、雪が溶けないように家のドアを開けて何時間も撮影したりと、とてつもない労力を費やしています。
    そんな息子の情熱に応えて、当時は高価なカメラ付きの顕微鏡を買ってあげた親もすごいです。
    小さな農村の一農夫が息子にたかが趣味のために買い与えられるようなものではなかったと思います。
    豪雪地帯で生まれた物語と版画の温もりが合わさった素敵な絵本でした。

  • 伝記絵本。
    ウィリー・ベントレーはアメリカの豪雪地帯にある小さな農村に生まれた雪の大好きな男の子。
    雪の研究と結晶の写真撮影に一生を捧げた姿が描かれます。

    ウィリーを温かく見守り、高価なカメラをプレゼントしてくれた両親、素敵だなと思いました。
    本人の努力はもちろんですが、家族の理解と協力があったからこそ雪の研究に没頭できたんでしょうね。

    中谷宇吉郎さんが研究をするきっかけもベントレーが出版した雪の結晶の写真集を目にしたことだったとのこと。
    最後に掲載されている雪の結晶の写真(3枚)はどれも違う模様でうっとりするほど美しいです。
    自然の神秘を感じました。

    温かい素朴な雰囲気の版画も素敵でした。

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著者プロフィール

千葉茂樹/1959年、北海道出身。児童書編集者を経て、翻訳者として活躍。ハイアセン『HOOT』、スピネッリ『スター☆ガール』、『ミルクウィード:天使の羽根のように』(以上理論社)、ヒメネス『あの空の下で』(小峰書店)、ウィリス『おりの中の秘密』(あすなろ白書)、ドゥーガン『ディナモ』(晶文社)、アイズリー『星投げびと』(工作舎)などがある。

「2023年 『人生は回転木馬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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