いつまでも、鰐

  • 文遊社
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本棚登録 : 108
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (72ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784892570490

作品紹介・あらすじ

ピラミッド建立を目撃したほど年をとった鰐は、旅先で素敵な女の蛸と出会い......。1920年代のフランスで生まれた、味わい深いモノクロ絵本。仏語原文収録。 解説/棟方志功

感想・レビュー・書評

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  • 最初に読んだとき、ナンダコレと思ったものの強烈な印象を残した。その頃まだ給与も今より少なくて、おずおず本屋の書棚に返した。
    しかし時差で(あの本は買いだったのでは)と思い直して後日本屋へ行くと売り切れていた。
    それから時が経ちゴールデンウイークに帰省したら地元の本屋で再開、嬉々として手に取りレジへ。

    装丁は鰐皮を思わせるざらつき、表紙の色味は浮世絵のように見える。フランスの医師が絵も文も書いた絵本。

    エゴの強い鰐が曾孫を食べ恋人を食べその度にくだらない言い訳をするので笑ってしまう。孤独になった鰐は飢え死にしようとするが人間に神格化され生贄を差し出されるとついぺろりと食べてしまう。生贄は毎日与えられ、鰐はいつまでも生き続けることになる。鰐にも人間にも皮肉の効いた結末はフランスらしい。

  • 大人の絵本

    装幀が良い

    棟方志功の「レオポルド・ショヴォーの絵画にある清潔性就いて」が絵画だけでなく作品すべてを短文で明確に語っていて素晴らしいと思う

  • 愛とかよく分かんなくなった

  • 原題
    HISTOIRE DU VIEUX CROCODILE

    レオポルド・ショヴォー
    フランス人、第一次大戦てまパリに帰還、軍医。

    ナイルの年とった鰐が、リューマチで獲物を取りに行かれない。
    そして、曾孫を食べてしまう。
    その後〜



    黒人娘

    たしかにエジプトには鰐の神さまのリフーフがあったりしたけどね。

  • とてもシュールな話。食欲に負けて曾孫も好きになったタコ、そして少女を食べる鰐。その展開がとても印象的な話。

  • 個人的にライフワークとして「食べる」と「愛する」ことの密接な関係を見いだして調べたり記録したりしている中でも、かなり特異ながら確実に何かの結果をもたらしてくれそうな絵本。子供にはトラウマな内容かもしれない。表紙でいきなりワニがワニを食べているのが凄い。 絵本パート、仏語パート、原文翻訳パートの三つ?で構成され、非常に有意義に読める絵本。

  • 20080308/絵は山村浩二なのかとおもってたら、レオポルド氏自身なのか?
    映画見てから見た。旧訳も見たい。

  • 読んだあとの後味の悪さ

    こんな感覚の絵本は初めて読みました

    あなたが一番大切なものは
    やっぱりあなた自身ですか?
    …ですよね、きっとそれが真実

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著者プロフィール

(Leopold Chauveau) 1870年、フランス・リヨン生まれ。のちパリへ出て医者になる。1896年に結婚、四男をもうける。その後アルジェリアへ移住し農業をはじめるが、第一次大戦前夜にパリに帰還。戦中は志願して軍医となった。当時の経験を綴った『戦場の後方で』を1917年に発表。1924年に再婚、医者を廃業し、創作活動に専念する。ブロンズの怪物像や絵画を制作するかたわら、ジッドやマルタン=デュ=ガールら知識人とも親交をむすび、小説も書いた。1923年より、亡き息子ルノーとのやりとりによって生まれた物語をもとにした『ルノー君のお話集』を次々に出版。1940年、ドイツ軍侵攻に際し、パリ脱出をはかるが、途上、ノルマンディーの村ベルレームにて没する。

「2006年 『いつまでも、鰐』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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