続・竹林はるか遠く―兄と姉とヨーコの戦後物語

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784892959967

作品紹介・あらすじ

70年前-。朝鮮半島引き揚げ者、13歳の少女ヨーコ。終戦直後の日本での貧困、濡れ衣、いじめ。想像を超える苦難を兄妹3人で生き抜いた。27年の時を超えて邦訳出版された前著「竹林はるか遠く」とともに刊行が熱望されていた続編。Best Book優秀図書選定。

感想・レビュー・書評

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  • すごく続きが気になってたので、すぐに読めてよかった。

    前作は朝鮮からの引き揚げの話がメインであったが
    本作は兄姉との3人の生活の話がメイン。

    学校でのイジメの話や、濡れ衣の話はすごくいたたまれなかった。
    引き揚げて母が亡くなった時に親切にしてくれた方がいて、その方は姪を探してたけど見つからず
    やがて、見つかった姪の仕業で殺され放火。
    その犯人にしようとされ、濡れ衣着せられ
    それがニュースになり、ますます学校でイジメに。
    犯人を見つけだした時に、まさかその姪が絡んでいたことにはショックだった。

    親切な人の家族は、みな親戚でいて欲しかった。

    その火事のおかけで、また住むところが無くなり
    姉が大怪我をして病院に入院
    入院中は兄姉と共に病院で寝泊まり
    病院で知り合ったまた親切な人に出会い、のちにその方の離れに住んだり

    学校では、少使いの親切な方に
    ゴミとして捨てられたけどまだ使えるものは、拾ってもらっておいて学校の授業についていったり

    たくさんの親戚な人に恵まれてよかった。
    お父さんにも会えたし。

    当時、作者に意地悪をした人たちは
    この手記を見て、どう思ったのだろうか?
    また、その家族もどう思うのだろうか??


  • 朝鮮を逃避し兄と再会し兄弟3人の京都での暮らしの話、自分の経験を下にした小説とのことであり多少盛っているとは思われるが、学校・仏教界の現在にも引き続く権威主義の酷さ及び京都人のイケズと差別それは現在いじめになって続いているようだ。今回は父親の帰還によって終了しているが、既にこの時共産主義の崩壊を予言している。ロシアの非道さは全世界の知るところでこの著作に対する非難もないようだが、朝鮮はこれまで戦争被害者を売りに生きていたから、自分たちの国民性を暴露された本作に対し攻撃しているようだが負けてはいけない。

  • すばらしい手記であった。
    上下巻ともにすぐに読み終えてしまった。

    まず感じたことは、小説家と語り部とでは性質が全然違うということだ。
    当たり前のことかもしれないが、私は今まで意識したことがなかった。
    私は引き揚げについての手記を何冊か読んできた。
    その中で、著名な小説家が書いた引き揚げ手記を読んだことがある。その手記の
    内容は、文章の前後関係がまったく無く、非常に読み辛かった。
    手記の持つ独特の「味」なのかもしれないし、この書き方をすることで戦争の恐
    ろしさを読者に伝えているのかもしれない。
    私の好みでは、本書のような記述方法のほうが良い。作者自身に何が起き、どの
    ように解決していったかが知りたいからだ。
    本書は作者の体験したこと、どういった気持ちで日々を過ごしていったのかが記
    してあり、すぐに引き込まれてしまった。
    作者は、あとがきでも解説者から評価されていたように、語り部としての才能は
    すばらしい。

    私は作者の姉の気持ちが想像できてしまい、いたるところで涙ぐんだ。私には弟
    がいるからだ。
    母を京都駅で亡くし、兄も行方不明であった期間、姉は自分が母代わりとなり、
    作者を守らなければと奮い立っていたのであろう。
    治安の悪化した戦後の町中で、姉自身も相当怖かったに違いない。兄姉妹が助け
    合いながら生きていく様子に、何度も涙した。

    戦前・戦後の街中の様子も描かれており、本当に胸が痛んだ。
    戦争を知らない世代が増えてきている昨今、本書のような良書は必読書だと思う。
    戦争をすると、どうなるのか。一番被害を受ける一般国民はどうなってしまうの
    か。想像することのできる若者が少なくなっているのではないだろうか。
    本書から学べることはこれだけではない。
    ひとに親切にすることである。
    親切にすることを忘れなかった作者は、親切にしたことがきっかけで、状況を打
    開していく。
    作者は打算的に親切にしたわけではないと思うが、困難なときにこそ、助け合い
    や思いやりが大切なのだと気づかせてくれる本である。
    いろいろな人に勧めたい本である。
    私は二十代後半だが、もっと早くこの本と出会えていれば良かったと思っている。

  • 英語文からの翻訳の為「引き揚げ」など戦時ものに使われる熟語が少なく感じたのが逆に新鮮だった。
    戦後70周年の今年になっても全く色あせていない
    リアルな体験談だった。前作は朝鮮半島の「竹林」付きの比較的恵まれた家庭に育ったヨーコさんのその後の主に京都での終戦直後の話がメインだが余りにも激しい日本でのイジメ。特に女学校でのそれは正読に耐えがたい。この記述からも前作で受けた在米半島人からの誤った批判は間違い
    であろう。すなわち半島人にもよき人はいたのだし日本人にも悪しき人はいたのであって人種は関係ない。
    ヨーコさんの自分の自慢めいた事は極力書かないが女学校で独りしかいなかった奨学生になったと言う事は逆境の中でも真摯な努力をし続けたことを読み取るべきかも知れない。
    混乱期の両親の世代の苦労を今一度感じ、ヨーコさんの家族の善意を見返りを期待しないで広めて行くと言う考え方に深く感銘を受けた。

  • 先日読み終えたばかりの続編だったので、すぐに話に入り込めた。
    ようやく朝鮮から日本へ戻って来られたヨーコさん3兄妹。
    どのように苦労して生きていったのかがよくわかる。
    それにしても、学校では相当ないじめに遭われたようだが、あの格差はなんなんだろう。
    同じ国民とは思えない差別。
    終戦直後でも豊かな暮らしをしていた人達も多くいたということがわかった。
    国は何も助けてはくれなかったようだ。

    でも親切にしてくれる人達も少なからずいたということがせめてもの救い。
    とはいっても余裕がなければそんなことも出来ないのだろうな。

  • 同名書物の続編。前作の戦後の凄惨さは落ち着きつつも、必死に生きる人たちの大変さ、身なりから蔑む人々、助ける人々の様子がなまなましく描かれている。前作の続きがどうしても気になる人向け。

  • 朝鮮からの引き上げ後、日本国内で兄・姉と3人で暮らす。
    命からがら戻ってきた引き揚げ者に対するいじめ、部落者に対する差別は醜い限り。しかし、終わりよければ全て良しかな。

  • 父の帰りを待ちながら、下駄屋の倉庫を間借りして支え合って暮らしていた川嶋兄妹に、悲劇が訪れる。
    下駄工場が火事になり、姉の好が巻き込まれて大けがをしてしまった。

    倉庫が焼けたので、好が入院した病院に兄妹は寝泊まりすることにした。
    好の看病を任されたヨーコは、一生懸命家族のために働くが、好はヨーコに女学校を休むなと言った。
    女学校では苛められていたので、ヨーコは絶対に行きたくなかったのだ。

    しかし姉には背けず、しぶしぶ女学校へ行ったヨーコは、案の定女生徒達に数々の意地悪をされた。

    そして、思いもよらず火事の犯人の疑いをかけられたヨーコに、さらに泥棒の濡れ衣をきせた女生徒がいた。
    ずっと我慢をしてきたヨーコだったが、もう限界だった。

  • 朝鮮半島引きあげ者、13歳の少女ヨーコの物語です。
    前作は母と姉、3人で無事に日本に引き上げ、
    京都へ暮らしているところへ兄が遅れて引きあげてきて、
    無事に再会を果たしたところで終わっていました。
    ヨーコたちはその後どうなっていったのか。
    気になっていた話の続編です。

    引きあげ者という身分は
    戦後の日本では、とても肩身が狭かったようです。
    住む所も無く、お金もない、
    その日暮らしを強いられたヨーコたち。
    母が病気で死に、それでも健気に
    兄と姉と力を合わせて生きていく少女の身に、
    仮住まいをしていた家が火事になり、
    姉が大けがをして長期入院をするという不幸に見舞われます。

    兄は生活のため、昼も夜も働きに出るようになりました。
    火事の濡れ衣をきせられ、学校でもいじめにあうヨーコですが、
    入院した姉の付き添いをしながら、食べ物を探しに毎日駆け廻ります。

    入院先で知り合った湊さんや
    ヨーコに畑仕事を斡旋するお爺さんなどは
    ヨーコの健気さに魅かれ、親切に助けの手を述べてくれました。
    意地悪な人たちに辛い目にあわされながらも
    純粋なヨーコの周りには
    いつも心強い味方がいました。
    そしてその味方に支えられ、たった一つの希望の星だった
    生き別れとなった父との再会を果たすことができたのでした。

    悲惨な戦争中の話しばかりが、
    脚光を浴びているようですが、
    戦後の混乱期を無事にのりきった一人の少女には
    戦争中よりも戦後に生きる方が辛かっただろうと思います。

    家族への強い思慕、強い兄弟愛。
    そのようなものが13歳の少女を
    ひとまわりもふたまわりも大きくして、
    混乱期を乗り切らせたのだなと思います。
    どん底から這い上がった作者たち。
    この作品の中には、
    混乱を極める時代の生きる知恵がいっぱいつまっていました。
    その勇気と持ち続けた夢に大きな拍手をおくりたいです。

  • 終戦時の朝鮮からの引き上げ体験を書いた「竹林はるか遠く」を読んで、続編は未邦訳と知ってがっかりしたので、邦訳の出版を知った時には嬉しかった。
    無一文で日本に帰り着き、母を亡くし、父の生死もわからないヨーコだが、頼りになる姉(しょっちゅう喧嘩しているけど)と、明るくて働き者の兄と暮らしているのだから、そう悪いことばかりでもなさそうだ。貧乏はすさまじいし、女学校でのいじめもムカつくばかりだが、泣いたり怒ったりしながら立ち向かうヨーコがたくましい。ちょっと元気が出る。

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