痛くない死に方

著者 :
  • ブックマン社
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784893088734

感想・レビュー・書評

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  • 訪問医療を受けることは難しいと思っていた。母も家で看取れたら良かったと思う。それから点滴は痰や体の浮腫みを引き起こすものだと知った。人は枯れるように亡くなるのが自然の死に方とのこと。

    家で看取るという事がもっと簡単にできるシステムが整うと良いと思う。

  • 治らないと病気とわかったり、あるいは老衰してしまったら、生かすだけのための延命措置はしてほしくありません。いわゆる「尊厳死」を選びたい意思です。しかし、言っていても書面で宣言しておりません。
    そんなあいまいな気持でいると現在の医療制度では「尊厳死」は実行できず、超現代の医学的な「延命措置」で痛み苦しまないと死ねないというのが本書の趣旨です。

    過剰な「延命措置」や「点滴」はおぼれて死ぬようなのだと著者は言っています。
    「痛くない死に方」は「平穏死」枯れて死ぬのが一番いいらしいです。

    「老病死」の「苦」を現実として受け止めているわたし、でもだからと言ってすぐは死にたくありません。だから「尊厳死を希望する文書(リビングウイル)」を書いてても、どこまでも助けてほしいと思う気持ちもあります。矛盾していますねえ。

    姑の例があります。
    代々医者であった家に生まれたのでいろいろ知識がありましたので「日本尊厳死協会」に入り毎年会費を納めていたのをわたしたちは知っておりました。

    96歳で大腿骨骨折「寝たきりになります」と医者に言われ、本人も「もう死にたい」と言いました。
    寝たきりになればこの本にあるように結局延命措置を受けるようになるのでしょうね。
    そんな時はどうするのか?

    ちょうどまさにその時夫が眼のガンで入院、わたしは付き添っており忙しく、(本当は事情があって姑の主たる後見人だったけど)その場に居なかったのですが、義姉、義兄が話し合って、結局手術を受けました。

    96歳でリハビリ・克服(そこが姑のすごいところ)車椅子を使いながら105歳で亡くなりましたが、わたしがその相談の場にいても、それが「尊厳死の宣言」に相当するのかわかりませんでしたと思います。

    この本には遠くの親戚やその場にいない身内の「尊厳死」妨害もあるやに書いてあります。
    結局日頃から言っていても書いておいても、本人と身内とのコミュニケーションがうまくいっていないと、いい結果は出ないのですね。

  • 家族や両親が健康なうちに読んでおいて良かったと思う。

    日本の延命を優先させてしまう事情、人間らしくない最期を迎えること。
    本当に本人の意思に従っていない医療。
    家族が理解していても、知識がないために慌ててしまい、結局最期は管だらけで自分でご飯も食べられず寝たきりで延命させられ死んでしまう…
    こんなのすごく恐ろしいと思う。

    緩和医療で自宅で痛みを取りながら、自分でご飯を食べ笑顔で過ごし、最期は自然に枯れるように死ぬ。
    それを望んでいたのに、救急車を呼ばれ、延命させた結果、人工呼吸器や胃ろうを造られることも。
    在宅看取りと決めているのであれば、まずは在宅主治医に連絡しなければならない。
    いったん延命治療すると誰も中止できないことがものすごい怖いことだと思った。
    そこで、本人の意思は無視され不本意な最期を決定づけられてしまう。

    こんなことのないように、リビングウイルを書かなければならない。

    医師法20条を誤解している医療者が多いとか…自然死なのに警察呼ぶなんて、普通におかしいと思うけど…

    初めて緩和医療、平穏死についての本を読んだけど、知らなかったことが多く、読んでおいて良かった。
    できるだけ家族が健康なうちに読んだ方が良い。
    いざとなった時に慌てないためにも。

    平穏死を望む場合、看取り実績のある相性の合うかかりつけ医を調べられる→『自宅で看取るいいお医者さん』(週刊朝日ムック)はチェック。


    人間もそうだけど、ペットにも同じことが言えると思った。

  • 今、正に身内が末期ガンで緩和ケア病棟に入院している。コロナ禍の中、首都圏に暮らす身内に会いに行く事さえ儘ならない。先の短い姉に私はこれから何をしてあげられるのだろうか。

  • ホームホスピス で働いていますが、職場の書籍コーナーにあった本書を借りて読みました。
     これからの利用者さんとの関わりや、自分の両親をどう看取るか、自分はどんな死を望むかなどいろいろ考えさせられました。
    平穏死の10の条件も参考になりました。
     時間をおいて再度読んでみようと思いました。

  • 勉強になりました。

    両親共にホスピスで最後を見取りましたが、その時にこの本あればもっとよかった。

  • いつかは必ず死ぬという、当然の事実をいつも見て見ぬ振りして生きているなと改めて感じた。

    1000人以上を看取った著者であるこの医師とは、まったく死に対する意識が違うんだろうな。

    必ずいつの日か来るであろう、死に方について、しっかり自分なりに考えないといけないと思った。

    とにかく、今の医療だと本来の個人の尊厳と、病院の治療の「常識」に矛盾があるということを痛感した。

    この本がどうやら今年映画化するらしい。どういう風に映画化するのか、ちょっと想像つかないけれど、是非是非見てみたい。

  • 柄本佑さん主演で映画化!
    平穏死という視点から、「痛くない死に方」について分かりやすくまとめた一冊!

  • 病院より在宅での看取りのほうが
    ずっと苦しくなく死ねるなんて 知らなかった
    こういう先生がうちの近くで開業してくれていたらなぁ

    酸素マスクはすごく苦しいこと
    (これは父がICUに入ったときに主治医から聞いたことがあった)
    点滴では溺れるような感じだということ
    末期ガンでも在宅でモルヒネとかを使えば
    笑顔も出るし歩けるようになるということ

    痛いのと苦しいのを我慢し続けるのは嫌だ

    これ、最新刊でてるのかしら?
    図書館で借りたので装丁はピンク1色でした
    映画を見てみようと思う

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著者プロフィール

1958年香川県生まれ。医学博士、医療法人社団裕和会理事長、長尾クリニック院長。東京医科大学卒業後、大阪大学第二内科を経て95年に兵庫県尼崎市で開業。一般社団法人 日本尊厳死協会副理事長・関西支部長。日本慢性期医療協会理事なども務める。ベストセラーとなった『「平穏死」10の条件』(ブックマン社)、『病気の9割は歩くだけで治る!』(山と渓谷社)など著書多数。

「2022年 『完全図解 介護に必要な 医療と薬の全知識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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