NHK連続テレビ小説 スカーレットノベライズ下巻

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感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784893089212

作品紹介・あらすじ

情熱の炎を燃やし続ける。それが、夢を叶えるただ一つの道。男性ばかりの陶芸界に挑んだ、焼き物の里・信楽に生きる女性陶芸家:川原喜美子の波乱万丈な物語。女性陶芸家として一人立ちをしてから激動のクライマックスまで完全小説化。

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  • 妻となり母となった喜美子が、陶芸家を目指し歩み始める道。下巻は、これまで喜美子が抑えてきた内なる炎を燃やし続ける苛烈な生き様がつぶさに描かれ、その激しさに気圧される。家族を省みず、大金を投じ、穴窯に没頭するマッドな喜美子に引いた人もいるだろうが、彼女がポロリとこぼした孤独の気楽さに共感できる部分もあり。胸が苦しくなる場面がいくつもあったけれど、受け入れ、乗り越え、出会いと別れを繰り返しながら年を重ねていく喜美子を心から応援した。
    当初はもっと「女性陶芸家」としての成功と活躍を描くのかと思っていたが、ベタな感動シーンを潔く排除し、喜美子の人生を丁寧に描写していった姿勢にとても好感が持てた。脇役達のエピソードもまた丁寧に積み重ねられ、ただのモブが1人もいない。皆愛おしいキャラばかりだ。改めて活字でストーリーを追うことで、伏線が小気味良く回収されていく過程を追体験できて、気持ちがよかった。
    今回ノベライズを買った目的が、脚本家の水橋文美江さんによる「あとがきにかえて」だ。ドラマに関わったスタッフ、俳優に対するあふれる敬意。改めて、皆一丸となり作った作品なんだということがよくわかり嬉しい。作り手の本気は、画面を通して十分に伝わってくる。そんなドラマに出会えて本当に幸せだった。
    水橋さんは、ノベライズ担当の水田静子さんに対しても敬意を表し、「スカーレットチームの一員です」と述べている。小手先で脚本を小説に書き直したものではなく、実際に信楽に足を運び取材したということがよくわかる表現。スカーレットはセリフのない、俳優の芝居で魅せる場面がいくつもあった。それを言葉で的確に描くのは至難の技だったと思うが、自然釉の焼物の描写が本当に美しくて、ドラマを見たときと同じくらい心が震えた。ノベライズで読むことの醍醐味、下巻でもしっかり味わわせてもらい、大満足だ。
    皆で築きあげた「スカーレット」。ドラマが終わっても、登場人物達の日常は続いている。そんなことを実感できる作品にはそうそう出会えない。何度も放送をリピート視聴し、総集編もチェックし、今回のノベライズも一気に読んだ。何度繰り返しても飽きることのない、強度のしっかりした物語。この出会いに心から感謝する。

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著者プロフィール

1964年生まれ、石川県出身。フジテレビヤングシナリオ大賞への応募をきっかけに脚本家デビュー。主な執筆作に、映画「冷静と情熱のあいだ」「映画 ホタルノヒカリ」、ドラマ「妹よ」「みにくいアヒルの子」「ビギナー」「ホタルノヒカリ」「母になる」など。NHKでは、ドラマ10「つるかめ助産院~南の島から~」、土曜ドラマ「みかづき」など。

「2019年 『連続テレビ小説 スカーレット Part1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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