サローヤン二作目。解説にこの短篇集はサローヤン作品の中では異色だと書いてある。「冬を越したハチドリ」「空中ブランコに乗った若者」は、彼らしさが出ているらしい。「冬を越したハチドリ」がもっとも印象に残った。
大好きな一文がある。
爺さんの手の平にもハチドリのいのちが伝わってくるほどになったかと思うと、ハチドリは蜂蜜をつつき始めた。
瀕死のハチドリを目の見えないおじいさんが手の平のうえに乗せている場面。少年が爺さんに言われて、蜂蜜を持ってくる。
この一文の単語単語から僕は元気をもらえた。生きる希望みたいなものだろうか。とてつもなく良い。