ビロードのうさぎ

制作 : 酒井 駒子  酒井 駒子 
  • ブロンズ新社
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本棚登録 : 2315
レビュー : 319
  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784893094087

感想・レビュー・書評

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  • 「ぼく、ぼく…ほんとうのうさぎになったんだ!」

    ビロードのうさぎが大好きなぼうやから始めてほんとうのうさぎと言ってもらえた夜。
    その時の誇らしい顔が頭から離れない。
    その後汚れてしまったおもちゃのうさぎの運命は想像がつく…
    でも、この話には救いがあった。愛されたおもちゃは、妖精によってほんとうのものになれる。
    本当のうさぎになって、野うさぎたちに愛されるビロードのうさぎ。でも、これでいいの?
    少し物足りなさを感じながら、最後のページをめくる… あぁ!
    本当に絵が素晴らしくて、特にうさぎの表情の描きわけは秀逸。

  • 「ぼく、ぼく…ほんとうのうさぎになったんだ!」
    のページのうさぎの表情が好き。
    切なくて、いじらしくて。
    愛されることでしか存在できないって、
    なんて儚くて綺麗なんだろう。
    個人的には、人魚姫みたいな話だなぁと思った。

    人間も愛された記憶があれば、ほんものになれるだろうか。
    大切にしてくれた人が自分を忘れてしまっても。

  • 娘の読み聞かせ用に。
    初めて読んであげたとき、涙をこらえながら読んだ。
    子供のころ大切にしてたお気に入りのぬいぐるみを思い出した。大人にとってはただのオモチャでも、大切にしてる子供にとっては友達なんだよね…

    ちなみにお気に入りのぬいぐるみは今でも実家にいて、帰省のたびに娘が遊んでいる。

  • ある日、男の子の家にやってきたビロードで作られたうさぎは、彼にとって何時しか「本物」の宝物になっていく。しかし、非情にも「お別れの時」が迫っていた。2007年絵本ベスト第1位獲得作品。切なくもずっと心に残る絵本だ。

  • 自分が自分である、という気持ち
    贈り物や誰かを大切にしたいという気持ちになれる本です。

    クリスマスにプレゼントされたビロードのうさぎ。

    ぼうやに抱かれて、遊んで、一緒に眠る幸せなときや
    おもちゃ箱に片付けられたり、大人に引き離されたりするさびしいときを
    おもちゃとしての精一杯を過ごします。

    あるとき本物のうさぎに「ほんものじゃない」と言われたビロードのうさぎでしたが「自分はほんものだ」と信じていました。

    そしてぼうやに愛情をもって、ボロボロになるまで愛されたビロードのうさぎは
    神様に「ほんもの」にしてもらうことができました。

    物を大切にする気持ち。

    誰かを大切にする気持ち。

    自分の役割をまっとうして、自分を信じ抜く気持ち。

    ほんもの、というのは自分が自分であろうとする気持ちを最後まで持ち続けることかもしれない。

    誰に何を言われようとも、辛い環境に襲われても、
    ビロードのうさぎにとってはぼうやと互いに愛し愛されて一緒にいることが「ほんもの」だった。

    そんなふうに思えた本でした。

  •  マージェリー・W・ビアンコ原作のビロードのうさぎを酒井駒子さんの抄訳と絵で書かれた絵本です。
     抄訳とかダイジェストだと、往々にして原作の物語の世界観を損なってしまうことが多いのですが、この作品に関しては、考え抜かれた文になっているなと感じました。
     子どもとおもちゃとの何物にも代えがたい親密な関係、一生の中で子ども時代にだけ真におもちゃを愛しておもちゃは子どもにとっての本物になる。うちの次女はビロードのうさぎを自分の大切なぬいぐるみと重ねて見ています。

     また、酒井さんの美しいタッチで描かれた子どもやおもちゃたち。眺めているだけでもとても癒されます。
     大人になって、純粋におもちゃと遊びこむ心を失ってしまったけれど、この絵本を読んでそれが懐かしいなという気持ちになります。大人にとってもノスタルジーを呼び起こす本なのかもしれません。

     読んであげるなら5歳~。約13分。

  • 子供の頃のおもちゃって、どうしてこんなに思い入れがあるんだろう。

  • プレゼントでいただきました。
    絵が酒井駒子さんの絵本は大好きで、それだけでわくわくするし、切なくなってしまいます。

    ある男の子と暮らす、ビロードのうさぎのぬいぐるみが主役の物語。
    男の子に与えられるたくさんのおもちゃのなかで、男の子にとっての一番になり、そして月日が過ぎて…。

    私も幼いころ、大好きだった猿のぬいぐるみがあって(なぜ猿だったのかは謎ですが笑)、そのぬいぐるみを肌身離さず持ち歩き、この物語同様、毎日一緒に眠っていた。名前もつけていたはず。
    そのぬいぐるみが命を持っていつか会話できるんだ、ってことを本気で夢想してた。
    どこかに置き忘れてしまった日があって、その日は母親が止めるのも聞かないで、夜遅くまで探しまわった記憶もあります。(その後親戚の家から見つかりました)

    でも、いつの間にかそのぬいぐるみを持たなくなっていました。
    どこかに忘れた記憶もないし、捨てた記憶もない。だけど、いつの間にか傍からいなくなっていた。

    この絵本を読んで、そのことを思い出しました。今まで忘れていたことを思い出せた。
    そしてもしもこの絵本の物語が現実にあればいいな、と思った。役割を果たした私の猿のぬいぐるみも、この物語のビロードのうさぎみたいに、「ほんもの」になったのならば…。

    すごく優しく温かくて、読んでいて涙が出ました。

    子ども時代をいつの間にか過ぎて、気づかないうちに大人になってゆくということ。
    それは悪いことではないし当然のことなのだけど、その途中で置き忘れてしまった記憶を、童話は思い出させてくれる。
    という意味で、優しい童話も寓話になる。そんな風に思いました。

  • クリスマスプレゼントとしてやってきた、ビロードのぬいぐるみのうさぎ。たくさんのおもちゃのなかでたったひとり、ウマのおもちゃはうさぎにやさしくしてくれます。ウマのおもちゃによると、「ながいあいだに、子どものほんとうのともだちになったおもちゃは、ほんものになれる」らしい。うさぎは「ほんもの」になれるでしょうか──。
    酒井駒子さんの作品あまり読んでいないなと思っていたけれど、本作があったことをすっかり忘れていた。どの場面も素敵でたまりません。ぼうやがうさぎを忘れないでいてくれて本当に良かった。

  • 愛されたい。本物になりたい。なったつもりなうさぎ。
    ぼうやにもうさぎにも自分が重なる。
    胸が苦しくなるうさぎに気持ちを重ねてしまう。
    ほんものってなんだろうね。原作のビロードうさぎと合わせて読むとまた良い。

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