これ だれの?

  • ブロンズ新社
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本棚登録 : 217
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784893095596

作品紹介・あらすじ

バラ、きりふき、てぶくろ、うえきばち、ハンドクリームとエプロンも! 「これ、だれの?」 ページをめくると……?「はなやさん」! 前のページに出てきた洋服やどうぐを、絵の中からさがしてみよう。 親子でページをめくりながら、会話がはずむ絵本。

感想・レビュー・書評

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  •  みやこしあきこさんの5作目の絵本(2013年)は、タイトルだけ見ると「?」となり、誰のものかなんて分かるのかと思ったら、子どもに向けた、新感覚なお仕事紹介絵本でした。

     いったい、何がそんなに新感覚なのかというと、まずは最初の見開き一面に、みやこしさんの精密な温かいタッチで描かれた、いろんな物が並んでおり、それらを見ながら、何の仕事なのか想像して当てるといったゲーム性も楽しいのだが、更に、その答えの描かれた見開きでは、それらの物たちが、どこにあるのかを見つける、新たなゲーム性がまた楽しくて、これは思わず全部見つけたくなる。

     中でも、前作『ピアノはっぴょうかい』を思い出させる仕事や、みやこしさん自身を表したような仕事は印象的だったが、やはり、みやこしさんといえば食べ物の描写であり、特に『もりのおくのおちゃかいへ』でもお馴染みのケーキは、その僅かに雪が降りかかったような砂糖や、周りの型抜きした模様のカリカリ感に、微妙な焦げ具合まで忠実に再現しており、とても美味しそう!

     また、そうした決まった展開に於いて、実は最後だけ仕事ではないのだが、これについては、当てようと思えば不可能ではない上に、読み手自身の心境を代弁してくれるような、絵本の締めとしては最適な構成だと思い、それは、自分を指差している表紙の絵と対応している、裏表紙からも推測出来て、「これまでは、いろんな人達の仕事を当ててきたけれど、私は何になりたいかな?」といった気持ちに寄り添ってくれる、仕事って道具もその種類も色々なんだねといった、それぞれの奥の深さまで、改めて実感させてくれるとともに、自分の将来を想像する楽しさも抱かせてくれる絵本だと思いました。


     本書で一応、文も絵も、みやこしさんによる絵本は全て読んだことになるが(2023年11月21日現在)、改めて印象深かったこととして、動物を擬人化したものが多かったことと、生命の無い『もの』への等身大の視線であり、前者は、人の体型で描写することにより、動物も人も格差なんて無い、同じ世界の住人であるんだよといったメッセージを感じさせられ、後者は、いやいや生物だけじゃないよ、日常で何気なく使っている周りのものたちだって、私たちと同じ世界の住人のような、大切な思い入れのある存在価値があるんだよと言われているようで、改めて、日常に存在する生物やものへの愛おしさをより感じられるようになったのが、私にとって、大きな気付きであった。

     そして、それらのテーマの到達点と思われるのが、最新作『ちいさなトガリネズミ』であり、その主人公は、ついに人の体型にわざわざすることもなく、動物本来の姿で描写した上に、その作品自体のテーマは、ささやかな日常生活の素晴らしさであり、それを更に味わい深く彩ってくれるのが、何気なく家の中に佇んでいる、でも、その人にとってはとても大切な『ものたち』なのであることを、みやこしさんは、それらひとつひとつを丁寧に描き切ることで、人生はお金やものの多さではない、その人にとって、かけがえのない思い入れのある大切なものだけで満たされれば、それで幸せなのだという、とても素敵なことを教えてくれた。

    • はまだかよこさん
      追っかけのかよこです
      全く知りませんでした
      みやこしあきこ
      メモメモ
      読みます
      ありがとうございます
      私は表層的にしか読み取れな...
      追っかけのかよこです
      全く知りませんでした
      みやこしあきこ
      メモメモ
      読みます
      ありがとうございます
      私は表層的にしか読み取れなくて……

      2023/11/22
    • たださん
      はまだかよこさん、こんばんは。
      コメントありがとうございます(^o^)

      みやこしあきこさんは、精密でありながら、手作り感の温かさも感じられ...
      はまだかよこさん、こんばんは。
      コメントありがとうございます(^o^)

      みやこしあきこさんは、精密でありながら、手作り感の温かさも感じられる絵が印象深く、作品によって、リトグラフ、鉛筆、水彩など、多様に使い分けているようですが、後半の作品は比較的リトグラフが多いようです。

      また、それらを様々な視点で丁寧に見せてくれる物語は、シンプルに思われるものも、更に味わい深く感じさせてくれる上に、特に子どもが共感できるもの、大人が共感できるものと、様々なニーズに応えてくれる点にも、みやこしさんの奥の深さを実感させられて、とても好きな絵本作家さんです。
      2023/11/22
    • はまだかよこさん
      図書館の「予約かご」50冊がいっぱいで(´;ω;`)
      空いたらすぐに予約入れます
      たのしみです
      図書館の「予約かご」50冊がいっぱいで(´;ω;`)
      空いたらすぐに予約入れます
      たのしみです
      2023/11/23
  • 「これ だれの?」のページには、20ものアイテムのイラストがぎっしり! 次のページに答えがありますが、「えっ、こんなに使うんだ!」と勉強にもなって、楽しい! 

  • 中古購入

    あなたのカバンの中見せてください!みたいな……違うか(笑)
    タイトルどおりこれは誰のものでしょうか!
    とクイズ形式になっていて
    見開きいっぱいに道具や服が描かれていて
    子どもはわくわくしたみたい
    最後はそんなのわかんないよってツッコミが入る
    だけどそれが
    自分がクイズを出す側になった時に
    絶対当たらないぞ〜って楽しみになってる
    家族内ではわざと違う答えを言ったりして
    下の子を喜ばせた

  • みやこしあきこ個展「一枚の白黒映画」ブックギャラリーポポタム
    10.25(金)〜11.5(火)
    12:00〜19:00 初日は16:00から開始、最終日は17:00終了。
    金曜は20:00まで。10.30(水)、31(木)休み
    リトグラフの作品を中心に展示します。
    『これ だれの?』(ブロンズ新社)の原画も一部展示。
    版画のほか描きおろしの作品、サイン絵本も販売します。
    http://popotame.jimdo.com/2013/10/03/みやこしあきこ個展-一枚の白黒映画-10-25-11-5/

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    「バラ、きりふき、てぶくろ、うえきばち、ハンドクリームとエプロンも! 「これ、だれの?」 ページをめくると...... ほら、「はなやさん」! 前のページに出てきた洋服やどうぐを、絵の中からさがしてみよう。 親子でページをめくりながら、会話がはずむ絵本。」
    http://www.bronze.co.jp/books/post-77/

  • 色々な道具から職業が分かるかな。
    花屋さん、お医者さん、コックさん、バレリーナ、絵描き、双子。
    最後のページには色々な職業の動物たちが勢揃い。

    見開きにいろいろな道具が描かれ、次にページをめくるとその仕事をしている場面が描かれている。
    人ではなく、動物たちが登場。

    「双子」は職業じゃないけれど、答えを当てるのは難しそう。
    花屋さんも分らなかった。(幼稚園の先生?と思ってしまった)

  • いつもとは違うみやこしあきこさんの絵ですね。全ページ明るく描かれているいますよ。お医者さんの注射ところのウサギさんの目が閉じているのか可愛いですね。

  • 表紙の絵の猫ちゃんは実は…(ミステリーみたい)!
    持ち物や身の回りのものにその人を表すヒントがある。
    自分だったらどんな持ち物を挙がるだろうか。

  • 読了

  • 《本屋》【再読】物や服をみて、誰かを当てる。クイズみたいな絵本。

  • 図書館本。次女に借りてきた本を一緒に読み聞かせ。次女に借りてきた本もくまなく読む長女はこの本を気に入ったそうです。にしても、一緒に読み聞かせはこの半年でそれぞれのベクトルがさらに変化していて、みんなで楽しむのが難しくなってます。

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著者プロフィール

1982年埼玉県生まれ。武蔵野美術大学卒業。在学中から絵本を描きはじめ、2009年に『たいふうがくる』で「ニッサン童話と絵本のグランプリ」大賞を受賞しデビュー。2012年『もりのおくのおちゃかいへ』で日本絵本賞大賞を受賞。数々の言語に翻訳出版されている『よるのかえりみち』はボローニャ・ラガッツィ賞(2016年フィクション部門Special Mention)受賞後、ニューヨークタイムズ&ニューヨーク公共図書館The Best Illustrated Children’s Books of 2017、ミュンヘン国際児童図書館The White Ravens 2016に選ばれるなど、海外からの評価も高い。その他の作品に『のはらのおへや』『ピアノはっぴょうかい』『これだれの?』『ぼくのたび』『かいちゅうでんとう』などがある。

「2022年 『ちいさなトガリネズミ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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