ゆきがふる

著者 :
  • ブロンズ新社
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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784893095749

作品紹介・あらすじ

『うきわねこ』のコンビが贈る絵本 第2弾!
雪がおしえてくれる、もっとも大切なこと

ふうちゃんは、ゆきのひにだけあらわれる
まだだれもとおったことのない みちのさきにいってみた。
そこには、おおきな「ふわふわころり」と 
ゆきをふらせる「ゆきぐも」がいて……

雪の森をぬけて、少年はひとつ成長する
この冬いちばんの、つめたくてあたたかな物語

感想・レビュー・書評

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  • ブクログの皆さまこんにちは!
    私の住む地域では大雪、大嵐ですが、皆さまのところは大丈夫ですか?
    ふだん雪の降らない地域に住む方々、通勤、お買い物など外出の際は、転倒や、車の運転など、くれぐれも気を付けてください。
    私のところは、かなりの戸数で停電しているので、うちも停電しないか気が気ではありません。
    せっかくのホワイトクリスマスですが、これは度を越していますよね。




    うさぎの子どもが雪の中の森の道を歩いています。
    雪の森の絵が素晴らしく美しいです。

    うさぎは雪の森で ふわふわころりのいえをみつけます。
    ゆきのひにだけあらわれる ふわふわころり。
    ふわふわころりはゆきでテーブルとイスをつくっていました。
    ふわふわころりがくれた ゆきのおかし。
    ひとくちたべるときゅうっとあまい。
    そこへやってきた ゆきぐもに ぼくは、
    「ぼくのうちにもきてくれないかな」
    「いもうとがねつをだしてねているから もしまどのそばまできて ゆきをふらせてくれたら いもうとはよろこぶとおもうんだ」

    「ええ いいわよ。あなたのいちばんだいじな おもちゃをわたしにくれるなら」

    ぼくは にわさきに おもちゃのくるまをおいた。
    いもうとと ふたりで まどのそばにたって そとをながめる。
    「わあ、おにいちゃんすごいね」

    よるおかあさんがきいた。
    「ふうちゃん いつものところにくるまがないけど どうしたの」
    「あれ すいろに おとしちゃった」
    ぼくは なぜか うそをついた。

    いつのまにか おもちゃのくるまは きえていた。
    ゆきのうえに だれかのあしあと。
    「すてきな くるま もらったね」
    こえがきこえたきがしてふりかえる。
    だれもいない。



    うさぎの子どものぼくが おかあさんに秘密をもってひとつ大人になった日のできごとでしょうか。
    蜂飼耳さんの文章と、牧野千穂さんの雪景色の絵がとても美しい絵本でした。

    • まことさん
      naoちゃん♪

      業者さんは、森林組合の方々に数年前の豪雪のときも、きてもらって屋根の雪降ろし、30分、2万円とかで、やってもらいました。
      ...
      naoちゃん♪

      業者さんは、森林組合の方々に数年前の豪雪のときも、きてもらって屋根の雪降ろし、30分、2万円とかで、やってもらいました。

      整形外科に並んでいたのは、千人じゃ、なくて、百人の間違いだったかもしれません。だいぶ前に聞いた話なので、記憶があやふやです。千人と百人じゃ大違いだけど、とにかく多いことは、確か。
      他の友達にも、話したらやっぱり笑ってました。

      あと、講座の、来年度のスケジュールは、早ければ、2月くらいに決まるから、講師の先生をチェックしとくといいかも。
      2022/12/26
    • naonaonao16gさん
      まことさん

      おはようございます!

      わ、結構値段するんですね…
      雪国で生活した経験がないので世間知らず状態でとても勉強になります!

      いや...
      まことさん

      おはようございます!

      わ、結構値段するんですね…
      雪国で生活した経験がないので世間知らず状態でとても勉強になります!

      いやそれでも、みなさんすごく怪我されるってことですもんね…
      それでもまだ雪は振り続ける訳で、その中で治療しながら生活するわけだから本当に大変ですよね…

      講座の件、ありがとうございます。
      先日1月の予定もきました!
      早ければ2月から参加したいけど、もしかしたら2月は開放感から遊びまくるかもしれません笑
      2022/12/27
    • まことさん
      naoちゃん♪

      何度もご心配ありがとう!
      講座の池上先生はまめだから、登録者には毎月メールくださるんだよね。
      いいなあ。私はもう登...
      naoちゃん♪

      何度もご心配ありがとう!
      講座の池上先生はまめだから、登録者には毎月メールくださるんだよね。
      いいなあ。私はもう登録してないからこないんだ。
      池上先生のメールも業界打ち明け話など面白いよね。
      2022/12/27
  • 新聞の書評でたいそう評価が高かったので読んでみた。
    とても綺麗で幻想的なお話。
    でも何とも言えない後味に、正直戸惑っている。
    「うきわねこ」がとても良かったので、同じ作者さんと挿絵画家さんのコラボにということで、こちらが勝手に期待しすぎたのかな。

    絵は、非常に美しい。それは丹念に描きこまれている。
    幾重にも塗り重ねられた淡いグレーの雪の場面が、まるでファンタジーのようだ。
    ただ、ストーリーの訴求力が弱すぎて、一体何を目指して書かれたものなのかが判然としない。
    ファンタジーだとしたら、雪の妖精はムーミンに出てくる「モラン」そっくりだし、
    もういないお父さんの貴重な思い出ともいえるおもちゃと、雪とを交換するというのも何だか納得がいかないし、
    それほどまでに雪を希求したのは、病気の妹に見せたいためだという部分では軽く気持ちを揺さぶられたのだが・・
    その妹の病気というのが、ちょっと風邪をひいた程度ですぐ治っているし。

    ああ、どうしたんだろう。自分が嫌いになりそう・(笑)
    困った困った。私が現実的過ぎるのだろうか。
    絵と文章とストーリーとが混然一体となってこちらの心に残る作品というのは、そうあるものではないのだなと、再認識することになった。

    子供向けの読み聞かせにはアウトだが、大人が「綺麗ねぇ」と眺める分には良いかもしれない。
    辛口でごめんなさい。決してダメな本ではないとお断りしておきますね。

  • 雪もうさぎもふわふわ感が素晴らしい絵に惹かれます。やさしい雪の精と思われる「ふわふわころり」、クールな「ゆきぐも」も素敵です。
    「妹のために雪を降らせてほしい」といううさぎのふうちゃんの頼みに、「ゆきぐも」は「いちばん だいじな おもちゃ」を要求します。雪を降らせることは「ゆきぐも」にとっては神聖な仕事なのだから、だと私は思いました。ふうちゃんもそれを知っていて、もう帰らないお父さんのくれた赤い車を差し出したのでしょう。甘くないお話ですね。

  • 蜂飼耳氏の紡ぎ出す、温かでちょっぴりシリアスな世界が好きだ。

    冬の日に子どもに読んであげたい一冊!

    今回はウサギの兄ちゃん、ふう。
    ふわふわころりの可愛さは子どもに良さそう。
    ゆきぐもと共に、床に伏せてる妹の為にウチに来てもらう。その条件は、大切なおもちゃ。
    真っ赤な車をくれたおとうさんは もう かえってこない。
    家の中の温かな感じと、お外の雪の寒そうだが、ふんわりとした柔らかい絵がとてもステキだ。

  • 蜂飼さん&牧野さんコンビ絵本第2弾。前回はうきわだったから夏のお話、今回は冬。
    「まっしろなてのひらで せかいをやさしくつつみこむ」雪。雪の日にだけ現れる道の先にある、ふわふわこらりの家。灰色の雲を連れたゆきぐも。だいじなおもちゃと引き換えに、熱を出した妹のために窓辺で雪を降らせてもらうぼく。今はいないお父さんがくれた大事な赤い車のおもちゃ。
    うさぎのおうちが裕福すぎる気もしたけれど、雪の世界観が素晴らしく、絵もこれ以上想像が拡げることができないほど(笑)素敵。アングルがなんともいえません。
    返ってこないおもちゃ、シビアさと父不在の寂しさを包み込むように、ゆきがふる。ゆきがふる。

  • 優しいうさぎのお兄ちゃん。
    妹のためにとった、小さくて大きな選択とは?
    優しくてほんの少しだけ寂しい、雪の日の物語です。

    大切な人と本屋で一冊ずつ買った
    特別な作品です。


    **

    雪の日の、非日常感。
    わくわくして、どきどきして、少し寂しくて。
    私も何か特別なことが起こるんじゃないかって、
    いつも浮き足立っていました。

    この絵本は、その感覚を思い出させてくれました。
    あぁ。私はいつから雪にわくわくできなくなってたんだろう。
    この本を読むたびに、また雪が好きになれるといいな。

  • うさぎの男の子が、雪の日にだけ現れる〈ふわふわころり〉という謎の生きもののお家におじゃましたり、そこで紐で結わえた雲を持つ女の子の姿をした〈ゆきぐも〉に会ったり、とらえどころのない不思議な世界観。不意に出てくる「おとうさんは もう かえってこない」の一文にドキリ。
    一番大事にしているおもちゃを手放してまで、熱を出した妹に雪を見せたかった男の子。寂しさと優しさと何か決意のようなものの上に雪が降り積もる。
    想像を掻き立てる独特な作風に心を奪われた。
    最後まで無言だった5歳3ヶ月の息子は何を感じていたのかなぁ。

  • 6歳0ヵ月

    〈親〉
    絵が好き ◯
    内容が好き ◯

    〈子〉
    何度も読む(お気に入り)
    ちょうど良いボリューム ◯
    その他 ◯


    雪が積もってぼうっと明るい景色の中にいるあの感じが、本の中から伝わってきます。静かで寂しくて、明るい、でもいつかは消えていってしまう切なさとかそんな感じ。
    その美しさや、妹想いのふうちゃんの優しさに気を取られていて、突然『おとうさんは もう かえってこない』の一文に激しく揺さぶられることに。

    たまたまそばでいっしょに聞いていたダンナが「え、どういうこと?」と一番驚いていました。
    喪失の物語?

    息子は何度も読む、というわけではありませんでしたが、一人で最後まで読んでいました。

  • [墨田区図書館]

    しんしんと積もる雪の中、表紙絵からも伺い知れる、少し怖いような?静かな話が展開されていた。

    話に出てくる雪のおばけ?とお兄ちゃんの取引。話の中では説明されないけれども、恐らく亡くなったと思われるお父さんとの想い出の一番大事なおもちゃを、病気の妹を思うお兄ちゃんが代償として差し出す。二人のやりとりからその流れはわかるけれども、その代償や取引的な感覚が子どもに理解出来るのか?出来たのか?読む前、読んだ後と少し気になったが、あまり細かい追及はやめておいた。

    短く、簡単な絵本だけれども、少し含みをもたせた、その気になればその後ろにある背景とその気持ちにまで意識が行くような、ある種大人向けの話かも。

  • とても静かな絵本。雪が降っている時の音が消えるかんじがすごく良く表現されている。

    ゆきぐもが降らせた雪が、どんどんどんどん積もっていく様子が美しい。

    うさぎ達のお父さんはどこへ行ってしまったのだろう。

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著者プロフィール

詩人。1974年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。詩集『いまにもうるおっていく陣地』(1999年・紫陽社)で、第五回中原中也賞を受賞。現在、詩作の他、「週刊朝日」「図書新聞」などにエッセイを連載。

「2003年 『ひとり暮らしののぞみさん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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