てつぞうはね

  • ブロンズ新社
4.24
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本棚登録 : 404
感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784893095756

作品紹介・あらすじ

「情熱大陸」で大注目の絵本、いよいよ発売!

てつぞうはね、わたしのねこ
しろくて ふかふかのねこ
すわると おにぎりみたい
すっごく でっかいおにぎり

愛猫・てつぞうとの大切な日々をつづった、
ミロコマチコ、魂のこもった絵本!

感想・レビュー・書評

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  • 誰かのことを思って、「○○○○はね」、と語っているときの顔って、一体どんな顔をしているのだろうか。
    もしかしたら、自分でもびっくりするような優しい顔をしているのだろうか。

    「てつぞうはね」と何度も何度も発せられる著者のその声も、切なくなるほどの愛情に満ちていて、きっと聞いている方は泣きたくなるのだろう。

    慈しんで慈しんで、めいっぱい愛した対象が逝ってしまった時、何が残るのだろうか。

    あふれるのは涙だけじゃない。

    「てつぞうはね」

    、、、どんな猫だったの?

    うんうん、と頷きながら読んでいたくなる、そんな絵本。

  • ミロコマチコ大好き友人の推し
    うん、よかったあああ
    なんてダイナミックな絵
    あふれる愛情
    短い文にも

    そうだよねー
    にんまり笑っててつぞうとページを繰ります
    そして やはり 遠いところへ……

    自分の喪失感をいまだにぬぐえない私は泣いてしまいます

    でも今はソトとボウと暮らします
    私といっしょです

    ≪ きいてよね くらしたはなし てつぞうの ≫

  • 伸びやかな挿絵の、ミロコマチコさんの作品。
    表紙でちょこっと首を傾けてこちらを見ているのが「てつぞう」で、裏表紙には白黒の猫「ソト」と「ボウ」が描かれているしくみ。
    タイトルの通り、「てつぞうはね」と何度も語りかけてくる。
    その「てつぞう」の可愛らしさを描いたものかというと、それだけではない。
    猫が家にいるひとなら(そう、飼っているなんて決して言わないのが猫の飼い主さんの面白いところ。だって、飼っているんじゃなくて、あの子たちは家にいるんだからね)数々の「てつぞう」の描写は、うんうんと頷くところだらけだ。
    「すわると おにぎりみたいな しろくて ふかふかの てつぞう」が、どんなに作者さんにとって大事な猫だったか、もうあふれんばかりだ。
    春・夏・秋・冬の過ごし方なんて、「うん!!!うん!!!!」である。
    それだけに、喪失の場面はそれは切ない。
    ごく短い文章で綴られているが、その後に続く文章なしの1ページで、思わず涙をのむ。

    「てつぞう」の亡き後は、今度は「てつぞう」に語りかける文章にと変わる。
    亡くなってどれほど月日が経っても、愛おしいままの「てつぞう」。
    ミロコマチコさんの「てつぞう」へのあふれる愛に、共感の嵐である。
    ゆっくり読んで5分。
    これはもう、4,5歳くらいから大人までOKかと思う。
    「猫普及率」を高めるために(笑)、この一冊をぜひ。

  • 雑誌MOEでしたか、雑誌で紹介されているのを見て気になっていました。しかし何となく内容的に泣かされるような予感がして手に取るのを躊躇していました。

    絵がダイナミックでいいですね。猫のふくふくとした感じがどこからでも伝わってきます。特に洗面台一杯のてつぞうには笑わされてしまいます。「てつぞうはね」という語り口も優しく、てつぞうを描く人のてつぞうへの愛情を感じられます。

    前半のふくふくとしたてつぞうの絵があるからこそ、たった一ページの小さくなったてつぞうの姿が胸に迫ってきます。

    それからあたらしい「家族」がやってきて、かつて彼と眺めた花咲く季節が巡ってきます。新しい家族と観る桜に、かつて彼と観た桜を重ねる…。

    大切な「家族」大切な「人」がいなくなっても、変わらず訪れるもの、巡ってくるものがあるということが大きな慰めになるということを改めて感じさせられる絵本です。

  • かつての飼い猫てつぞうとの思い出話。
    淡淡とした文章とミロコマチコさんの絵がマッチしている。

  • 愛猫てつぞうのことを思い出し、泣きながら描いていたドキュメントが印象的で、出版が待ち遠しかった絵本。
    ペットロスの人にはちょっと切なすぎるかもしれないけれど、てつぞうへの愛情が伝わってくるエピソードには、ネコを飼った人の共感を得るはず。歯磨き粉が好きというのは珍しいかな。
    そんな愛しい思い出があるからこそ、ででーんと大きなおにぎりだったてつぞうが、こねこみたいに小さくなってというシーンはウルウルしてしまうけど、新しい出会いに受け継がれている愛情を、裏表紙にも感じとれるのが救われた。
    原画展があるらしいのでぜひ行きたい。

  • 愛おしいことはとても苦しい

  • 「てつぞうはね・・・」で語りかけるような話がよい。
    くりかえし出てくる「てつぞうはね・・・」もとてもよい。
    じ~んとくるおはなし。

  • 情熱大陸にミロコさんが出演した際に製作していた絵本。
    消えていく命・新しい命へのあたたかい眼差しに溢れていました。
    吸引力のある絵と文章のバランスが絶妙で、誰かに語りかけたくなる絵本でした。

  • てつぞうで足を拭く場面が好き。
    私も猫なら、夏は洗面台で寝るかも。
    ラストに涙が浮かんだ。

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著者プロフィール

1981年大阪府生まれ。画家、絵本作家。絵本、装画、展覧会、ライブペインティング、企業とのコラボレーションなど活動は多岐にわたり、生命力あふれる作風で、国内外から支持を集めている。2012年、『オオカミがとぶひ』(イースト・プレス)で絵本デビュー。同作で第18回日本絵本賞大賞を受賞、『てつぞうはね』(ブロンズ新社)で第45回講談社出版文化賞絵本賞、『ぼくのふとんは うみでできている』(あかね書房)で第63回小学館児童出版文化賞、『オレときいろ』(WAVE出版)で第25回ブラチスラバ世界絵本原画展(BIB2015)金のりんご賞、『けもののにおいがしてきたぞ』(岩崎書店)で第26回ブラチスラバ世界絵本原画展(BIB2017)金牌、第41回巌谷小波文芸賞を受賞。大規模展覧会として、2016年より「いきものたちの音がきこえる」が、2020年より「いきものたちはわたしのかがみ」が全国を巡回。2019年より南の島に移住し、見えないものの気配を感じとるように制作をしている。

「2023年 『みえないりゅう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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