あめだま

  • ブロンズ新社
4.05
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本棚登録 : 658
感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784893096487

作品紹介・あらすじ

摩訶不思議なあめだまをなめたら、ぼくの心がとけだした!ひとりぼっちで遊ぶドンドンは、ある日駄菓子屋でビー玉みたいな色とりどりのあめだまを手に入れる。口に入れると、とつぜん、まわりの声が聞こえてきた!居間のソファー、年老いたイヌ、小言ばかりくりかえすパパ、今は亡きおばあちゃん。物や人の心の声を聞くうちに、ドンドンの心にも変化がおとずれて・・・。

感想・レビュー・書評

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  • 表紙の主人公「ドンドン」や、見開きのページの公園を見ると、CGと思ってしまうような再現度だが、これが全て作者の手作りだというのだから、驚きです。

    韓国の絵本作家「ペク・ヒナ」は、自ら「人形いたずら作家」と名乗り、ちょっとクセがあって、味のある人形や舞台セット、撮影まで、本人自ら手掛けて、独自の世界観を創造しているのですが、これに訳者の、絵本作家「長谷川義史」さんの、ユーモラスな関西弁が加わることで、なんとも庶民的ながら普遍性のあるメッセージも教えてくれるわけです。

    今作は、いろんな人やものの、心の声を教えてくれるのだが、これがまた、笑いや友情、哀愁と、多種多様な展開で気付かされることも多く、特に飼い犬の「グスリ」とのやり取りには、その一コマ毎の、細かい仕種の描写と相まって、感慨深いものがありました(これを知ってもう一度読み直すと、確かにその気持ちが滲み出ているように感じられる)。

    また、そのセットの撮り方も印象的で、空から眺めた俯瞰的な視点における木の陰影の美しさに、駄菓子屋の棚の細かい商品の再現度や、後半の、心の声と折り重なる秋の紅葉のなんとも切ないもの寂しさ、といった、絵とはまた異なる味わいを醸し出しております。

    そして、ラストの、それまでの展開を踏まえた上での、意外性のある終わり方には、ドンドンの爽やかな成長も感じられて、物語の作り方にも上手さがあり、決してアートだけが良いわけではないのも、ポイントです。

    ペク・ヒナは、「お月さんのシャーベット」に続いて二作目でしたが、アートの個性的な味はそのままに、物語における、庶民的ファンタジーの不思議で素敵な味も印象的で、「せかいのはてまでひろがるスカート」のミョン・スジョンもそうですが、韓国の絵本作家に、これだけ個性的な方々が多いのも、私にとって嬉しい驚きで、今後も目が離せません。

  • ラストはじんわり温かな感じで素敵な絵本です。
    ドンドンの心の変化も見逃せない。

    ドンドンが可愛いかったです。

  • 家庭向

  • ブックサンタ用に登録。
    お話の斬新さあたたかさ、ビジュアルの面白さ。おとなも楽しめる、素敵な絵本です。

  • はじめてのペク・ヒナさん。
    クレイアートでしょうか。
    こどもの好奇心、純粋にあふれる。
    ユーモアといじらしさも。

  • お友達がいないドンドンくん。

    いろいろな色や模様のあめだまは、いろいろなものや人の心の声が聞こえる不思議なあめだまでした。
    おうちのソファー、いつもいっしょの飼い犬、口うるさいパパ、亡くなったおばあちゃん…
    みんなの心の声を聞くうちに、ドンドンの心にも変化が現れます。

    韓国の作家ペク・ヒナさんの表情豊かな人形が印象的です。
    『天女銭湯』『天女かあさん』に続く、ペク・ヒナ&長谷川義史。
    関西弁がぴったりです。
    読後はほっこりしますよ。

  • 目新しいクレイ絵本と『あめだま』というタイトルに惹かれて、子どもも興味津々に読み始めました。
    子どもに親しみのあるあめだまが、心の声が聞こえてくるという不思議な力を持つアイテムになっている設定が面白い。
    6つのあめだまで6回だけ楽しめる不思議な体験。
    ソファや犬から思わぬ気持ちを聞けて、そんなふうに感じてたのか!と知ることができる。
    いつも口うるさいパパの心の叫びと、どんどんの反応に胸が温まります。
    いつも口うるさい私も、心ではそう思ってるのだよ、と息子に伝わったでしょうか、、、??

  • 4歳1ヶ月 図書館
    「お月さんのシャーベット」を図書館に見に行って、読んであげたもののあまり好きではなかったようで、こちらを気に入り選んでいた。

    内容(喋らない物の声が聞こえる)はちょっとイメージしづらいみたいだったけど、お父さんが男の子(ドンドン)に小言を言う場面では笑っていた。

  • ソファーの声、犬の声、パパのこころの声、色んな物の声が聞こえる不思議なあめだま。
    なめてみたい、聞いてみたい声はなんだろう。
    ペク•ヒナさんの紙粘土も動き出しそうで可愛い

  • あめだまを食べると色々な物、者の声が聞こえてくる。
    ドンドンは色んな人に大切に見守られて大きくなっているんだね。
    パパやおばあちゃんも優しいけどグスリとの関係がいいなあ。
    絵本の色もとってもいい。
    何度も読みたい絵本だ。

    孫たちはすぐにあめだまの色に気付いた。
    ドンドンとグスリ、大好きみたい。
    続編もあるといいなあ。

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著者プロフィール

ペク・ヒナ 絵 백희나
1971年、ソウル生まれ。韓国の梨花女子大学卒業後、カリフォルニア芸術大学でアニメーションを学ぶ。人形制作、セット、ライティング、撮影をひとりでこなし、独特の世界を生み出す。韓国でもっとも注目される絵本作家。日本で出版された主な作品に、『あめだま』『天女銭湯』『お月さんのシャーベット』『おかしなおきゃくさま』がある。2020年に、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞。

「2022年 『あずきがゆばあさんととら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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