すきまのじかん

  • ひくまの出版
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784893172655

感想・レビュー・書評

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  • 表紙からラストまで、静かな余韻に満たされている
    なんてすてきな大人の絵本

    〈 昼と夜の間の夕ぐれの、ほんのわずかな時間、それがすきまの時間なのです。 すきまの時間は、あるとき、よあけのお姫さまに恋をしてしまいました。〉

    作者はブリュッセルにお住まいとか

    日々の雑用に追われて忘れていました
    このあわいの時間、すきまのじかん
    こんなドラマがあったのです!

    擬人化された太陽の王もやみの女王もよあけのお姫様も
    どれもが胸をうつ

    小さな本に想いをこめたすきまのじかん

    ≪ もやのなか すきまのじかん バラはさみ ≫

  • 一番最初のページに書かれていた事が美しかった。

  • ちょうど今頃、太陽が沈む頃、西の空やや高いところに金星が明るく輝いています。”一番星見つけた”。

    昼の明かりが山の向こうに消えて行き、黄昏時の一瞬毎に変化していくグラーデーションの中に、なんとなく不安定な自分を見つけることがあるでしょう。夜が明けていく薄明の時に鳥たちもざわめき立つすきまの時間がある。

    昼の尊大な王様と、夜の冷たい女王の間の”すきまの時間”、どちらにも住むことのできない黄昏の時間は孤独に身を隠します。ある日、反対側の隙間の時間に美しい暁の姫が住まうことを知った黄昏の時間は、アオサギに身を変えて会いに行く。でも、黄昏と暁がいっしょになることはないのです。

    アンネ・エルボーはブリュッセルの作家。面白い雰囲気の絵で、表紙の絵が気に入って読んでみました。他にも「おつきさまはよるなにしている」、「ちいさなしんぱい」など興味魅かれる作品もあります。

  • 「すきま時間」って、知っていますか?・・・地面は暗く、空はほんのりと明るい、全てのものが静かな、青い世界の訪れを待っている時間・・・悲しいような、嬉しいような毎日、それは、まるで、あったのか、なかったのかさえ、わからないような儚い時間・・・太陽の時間と、闇の時間のあいだの、ほんのわずかな時間、青いオーバ-の襟元のマフラ-を長いピンで留め、何も書いてない小さな本を右手に持ち、竹馬に乗って静かにやって来る「すきま時間」のお話し絵本。 幻想の世界で戯れる夢のファンタジ-。

  • 「ゆうぐれどきの、すきまのじかんをしっていますか?」
    優しく語りかけるこの絵本には、不思議な魅力があります。日が落ちて地面は暗いけれど、空はまだほんのりと明るい。うっとりと夢みるような時間を「すきまのじかん」と呼び、詩的な文章で物語が綴られています。

    青や緑色の濃淡がとても綺麗で幻想的。ページに余白を大きくとってあり、静かな時間が流れていることに気付かされます。

    「すきまのじかん」の姿はとてもユニークです。
    竹馬に乗り、頭に指ぬきをかぶって、青いオーバーと長いピンで止めたマフラーを巻いています。

    太陽の王さまと闇の女王さまの間にそっとしのび込んだ「すきまのじかん」
    向こう側の時間に住む「よあけのおひめさま」に会いたくて、ある日アオサギに姿を変えて旅に出ました。
    美しいよあけのおひめさまに恋をしたすきまのじかんは、ただ佇んで見つめるだけ・・何も書いていない小さな本に一輪のバラの花を挟んで。

    じんわりと切ない気持ちにさせられる大人のための絵本です。

  • すきまのじかんが好き。

  • そっとおとずれる「すきまのじかん」


    この本を読むと、その「じかん」は、
    「すきまのじかん」としか名づけようがないように思えてくるから不思議です。

    はかなく、ほんのわずかな時間ではあるけれど、
    「たいようのじかん」と「やみのじかん」の間に
    そっと存在する緩衝剤のような「すきまのじかん」。
    それは絶対にそこになくてはならない「じかん」なのです。


    あるとき、「むこうがわのじかん」にすむ
    「よあけのおひめさま」を見にいこうと思い立ちます。
    「すきまのじかん」はひとめで恋をしてしまいます。

    「すきまのじかん」が「よあけのおひめさま」に惹かれるのは、彼女もまた、「やみ」と「たいよう」の間に存在する「すきまのじかん」だからかもしれません。

    それぞれの時間は、それぞれの「すきま」が居場所です。
    「こちらがわ」と「むこうがわ」。
    「ゆうぐれ」と「よあけ」。
    決して重なることはない二つの、「じかん」。

    「よあけのおひめさま」に想いを伝えることなく、毎日アオサギに姿をかえ見に行き、
    毎朝たいようのおうさまが目をさますまえに立ち去る、そんな切ない、けなげな「すきまのじかん」。

    ですが、そっとたたずむ彼はなんだか幸せそうです。

  • どんな世界でも、どんな状況でも、すきまのじかんは存在する。その意味は、潤滑油であったり、少しずつという言葉が示していたり。とにかく、大切で愛おしい時間であるのは確か。大事に感じ続けたい。

  • さみしそうな表紙が気に入り、ブックオフで衝動買い。
    この歳になっても絵本なんて…と思いましたが、内容は大人向けというか、こどもにはまだ少し難しいだろうなというイメージ。
    昼と夜の間の時間(夕方くらい?)を擬人化して、私たちも忙しなく生きる内に過ぎてしまう「すきまのじかん」をクローズアップしたお話です。
    大きな事件とか、感動的なハッピーエンドとか、辛辣な社会批判とかはなんにもないんだけれど、読み終わるとほっこりします。
    一息つきたいときにのんびり読めて、おすすめです。

  • 文章が好き ◯
    作品全体の雰囲気が好き ◯
    内容結末に納得がいった ◯
    また読みたい ◯
    その他

    朝でも夜でもない、夜でも朝でもない、そんな時間のお話。

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