- Amazon.co.jp ・本 (43ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894190429
感想・レビュー・書評
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北海道小樽出身の小熊秀雄さんの名作。それにミシガン出身のアーサーが英訳をしたというから、なんともすごい。海へ行きたいと願った焼かれた魚は、とうとう海へ行くことが出来ましたけれども。仏教に通じる真理を見事に描いている。
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なんか哀しいお話ね…
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以前アンソロジーで読んだ手槍を持った小男が“「海へ行こう、海へ行こう、海はたいへんきれいだよ」”としきりに誘う(断ると突きころす)「マナイタの化けた話」がとても良かったので、こちらの短いお話も読んでみました。
皿の上に載った焼かれたサンマは元いた海が恋しくなって、どうにか海へと帰ろうとする。サンマは自分の身と引き替えに、まずはその家の飼い猫、ついでネズミ、犬、カラスといった面々に運ばれていくが、彼らにくわえられ海を目指すうち、次第に身のないただの魚の骨になっていく。
夕ごはん用に焼かれたサンマの、言ってしまえばもうどうにも取り返しのつかない状態が目に浮かぶだけに、その後の身を差し出して海を目指す旅程の一心さがひしひしと伝わってくる。お皿にまで載ったのに、それでも海に帰りたいのか。 -
人生は厳しい。
必ずしもハッピーエンドとは限らない。
それでも、色々な生き物を信じ、命を託す魚を愚かとは思わない。 -
秋刀魚は海に行けて幸せになったのか?
恋い焦がれた海、目的を果たせることが幸せ?
そもそも幸せにならなきゃいけないのか?
・・・幸せにとらわれすぎている自分に気付きました。
小熊秀雄の世界にまだ足を踏み入れたばかり。
これからその答えを探しに行きます。
そもそも答えは見つけなければいけないのか?
以下、ぐるぐる・・・ -
帰りたい、帰りたいと、
あんなに切望していたのに・・・
こういう作品は、
ちょっとブルーな気持ちのときに読んで、
思いっきり落ち込むのが正解。
悲しい作品といっても、周りの人とかが死んじゃう系はダメージ大きすぎですが、こういう自分が落ちるものは、落ちるとこまで行くとあがれますから! -
英語に翻訳した方のインタビューを雑誌か何かで見て、読みました。
絵本だけれども、お友達のお子様にはあげる種類の本ではないです。というのもハッピーなんだかアンハッピーなんだか白黒分けれない結末だったので、子供には早い。
ある目的のために自分の身を少しずつ削る魚が主人公。「幸福の王子」を思い出しましたね。 -
ノスタルジックな銅版画の挿絵が魅力的。話はシュールで淡々としたもの。最後が少し単純なシメ方に思えたが、それ以外はとても好きな世界観。
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白い皿の上、焼かれた秋刀魚が
故郷の海へ帰るまでの物語。
ヤバいです☆ -
絵本にしてはちょっとシュールかな。
焼かれた秋刀魚が海に帰りたい一心で
繰り広げる放浪記・・・?