猫町

  • パロル舎
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本棚登録 : 475
レビュー : 70
  • Amazon.co.jp ・本 (86ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894191679

感想・レビュー・書評

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  • 前からずっと気になっていたシリーズ。「月に吠えらんねえ」を読んでいたら、今こそ読まねば!と思って借りた。

    パロル舎って素敵♪金井田さんの版画も趣があって、ついうっとりしてしまう。

    幼い頃の夕方の百貨店内で迷子になった不安感がよみがえってきた。迷い込んでしまった紺色の町が美しくって、何度も読んだ。版画と文字や行の配置が歪んでいるように見える部分があって、すごく圧縮や圧迫をこわかった…。(視覚的にこわいというか…不安を感じた)だけど雰囲気がたまらなくいい。不安で懐かしくって泣きたくなる。

    古い鉄道の転てつ器とか懐かしい。自分が生まれるよりも前の時代なのにね。ノスタルジー。

  • 詩人・萩原朔太郎、唯一の小説。

    猫、猫、猫。どこを見ても猫ばかりの不可思議な町が登場する。それは、深い眠りのように寂しく、けれど、心地のよい暗さだ。詩人らしく幻想的な作品で、読者を未知の旅へと妖しく誘う。版画家・金井田英津子の装丁、挿絵も素晴らしく書棚に飾ると、にゃんとも絵になる。

    《錯覚された宇宙は、狐に化かされた人が見るのか》
    《理智の常識する目が見るのか》
    《そもそも形而上の実在世界は、景色の裏側にあるのか表にあるのか》

    第四次元の別の宇宙に迷い込みたい方は、ぜひ。 

  • 方向感覚がトチ狂った主人公(薬中)が、不思議な町に迷い込む絵本。

    「―――元来私は、磁石の方向を直感する感官機能に、何か著しい欠陥をもった人間である。そのため道のおぼえが悪く、少し慣れない土地へ行くと、すぐ迷子になってしまった。その上私には、道を歩きながら瞑想に耽る癖があった。(14頁)」

    ああ~~~私がいる(笑)
    (最近は下北沢でぐるぐる迷子しました。迷った分、色んな道を歩けるから、それで良いのだ。方向オンチはポジティブじゃないとやってられませんね。)

    萩原朔太郎。読了して思いましたが、太宰と同じくらい変わった人だなと。「竹」しか知らなかったから意外。
    金井田英津子の版画とイメージぴったりの良い絵本です。造りが細部まで凝ってる、大人のファンタジー。アニメDVDも出てるんですね。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      危ないじゃなく倒産していたようです。エフ企画に引き継がれたようなのですが、、、

      「大人向けの絵本として売り出せば」
      そうですよね、独特で良...
      危ないじゃなく倒産していたようです。エフ企画に引き継がれたようなのですが、、、

      「大人向けの絵本として売り出せば」
      そうですよね、独特で良い本を出されていたのに、、、営業力が足りなかったのかなぁ~

      「金井田さんなら『厄除け詩集』」
      他の出版社が引き受けてくださるか、再建されるか、、、消えて無くなるのは惜しい本です。
      2012/07/05
    • ダイコン読者さん
      倒産・・・;
      営業力かあ(==;)むずかしいですよね。良い本をこつこつと出す堅実さと、華やかな営業力、どっちも持ってる会社って。

      いい本が...
      倒産・・・;
      営業力かあ(==;)むずかしいですよね。良い本をこつこつと出す堅実さと、華やかな営業力、どっちも持ってる会社って。

      いい本が絶版になるとムキー!ってなりますね(^^;)パロル舎が復活しますように!
      2012/07/08
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「パロル舎が復活しますように!」
      理論社の「よりみちパン!セ」が、イースト・プレスに移った時に、大長編シリーズも引き受けて欲しいと思っていた...
      「パロル舎が復活しますように!」
      理論社の「よりみちパン!セ」が、イースト・プレスに移った時に、大長編シリーズも引き受けて欲しいと思っていたら、、、
      理論社は復活されました。目出度い!
      パロル舎も復活しますよ、きっと。。。
      2012/07/09
  • 文章と絵の組み合わせがすばらしい!

  • 萩原朔太郎の文章も良いけれど、金井田英津子さんの版画がとても素晴らしかったです。ダークなファンタジーを感じさせる不思議な雰囲気。挿絵を見ているだけで楽しい気持ちになってきます。絵に合わせて文章が斜めになっていたり、デザイン性が見事でした。こういう本は手元に置いて、いつでも眺められたら良いのだけど…高いです。仕事帰りに深夜の電車の中から街明かりを見ていたら、自分が何処にいるのか分からなくなる瞬間があるの、分かります。そうか、私もあの時神隠しに会っていたのかもしれません。

  • 金井田さんの世界と
    朔太郎の世界が交錯して
    不思議な世界に連れていかれた。

    それは、いつもの世界の裏側。

    早く戻らないと戻れなくなりそうで・・・
    幻想的でした。

    こわーい。

  • 萩原朔太郎の作品を初めて読んだけど、作品のような町が毎日の裏側にあるのなら、猫町の緊張に懐かしさを覚えるのは納得だと思う。裏側の定位置は総じて表の真隣だから、その緊張で体がブルブル震えることすら許されない場所にいるのだと実感する。

  • 詩人、荻原朔太郎による短編小説。版画家、金井田英津子の浪漫的装丁がストーリーの雰囲気を深めている。

  • 一時的な行方不明者となって、影の中に紛れ込む。迷路の中に迷い込む。そこに住まう者の足どりに一刻も早く似せようと努めながら。
    三半規管の異常は眼の屈折力をほんの少し変えたのかもしれない。網膜に刻まれているはずの見慣れた景色の描線がほどけてしまった。脳で再び結ばれた像には自覚できないほどのわずかな歪みがあるだろう。正面から見た町と裏面から見た町がそっくり同じだなどという証拠は、どこにもありはしない。けれども、白だと思えば白に見え、黒だと思えば黒に見える。はっきりと私は見た。閉ざされた宇宙みたいな猫の瞳が映し出した逆さまの幻燈を。
    《2015.10.28》

  • 萩原朔太郎の「散文詩風な小説(ロマン)」ということだけど、金井田英津子さんの画(版画?)が印象的なので、絵本の分類で。猫の描写が凄い。朔太郎の肖像画も美しい。



    (ネタバレ)道に迷って知らない町に、猫の町に瞬間紛れ込む。ざっくりといえばこれだけ。
    挿画がすごく効いてる。飛び出してきた一匹の猫。町中を走る猫。町を覆い尽くす猫、猫、猫、………圧巻。

    宮沢賢治のイメージが見えたのは、人物の描きかたからか、それとも単に猫だからか。

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著者プロフィール

萩原朔太郎(はぎわらさくたろう)1886年~1942年。日本近代最大の詩人。生前に発表された詩集は『月に吠える』『蝶を夢む』『青猫』『純情小曲集』『萩原朔太郎詩集』『氷島』『定本青猫』『宿命』。他に詩論『詩の原理』、アフォリズム集など多数。

「2013年 『宿命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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