星兎

著者 :
  • パロル舎
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本棚登録 : 370
レビュー : 73
  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894192126

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと大人びた少年・ユーリが、不思議なうさぎと過ごした時間を語ります。
    物語の始めから、別れの気配がひたひたとおしよせます。
    いつそのときがくるのか、できるならそのときがこなければいいと、ひりひりした思いと共に読み進めました。

    寮美千子さんの本を初めて読みましたが、とても澄んだ文章だと感じました。
    冬の夜の空気のような。

    物語を読み終え、最後のページにひっそりと添えられた文章を読んだとき、思わず涙が流れました。
    献辞というかたい言葉が似合わない、とても美しい2行の文章。
    この物語のラストシーンにこめられた祈りが、より一層かがやきを増しました。

  • 僕は僕で、何処へでも行きたいところに行ける。そんな君が羨ましかった。流星に見えたのは私の涙だったけれど、今願えば叶うような気がしていたのです。兎とユーリ、そこはふたりだけの宇宙。キラキラの王冠。君は王子さまか妖精か。僕は僕だよ、もっと遊ぼう。ドーナツ、綿菓子、シナモンの香り...なんだか魔法にかけられたみたいだよ。夜の静寂に月影。ヴァイオリンの音色が波音に変わったら、もうさよならだよ。満月の夜、君はVenusになって現れるのかな。今度出逢えたら ありがとう を言うよ。

  • 小学生の頃、参考書か何かにおすすめの本として載っていた。どうしても気になり親にねだって探し回った記憶があります。
    切なくて優しくて、さらさらとした質感の空気が流れているように感じます。
    買ってから十余年。覚えるほど読んだけれど、何度読んでも優しい寂寥感に包まれる宝物の様な本です。

  • 「どこまでも透きとおっていて、月よりも、太陽よりも、星よりも、もっと遠くが見える空。永遠が見えてしまいそうな、青」どんな色かな、見てみたいな。

  • 再読。

    うさぎの耳に聞こえる世界、うさぎが宝物だという王冠のきらめき、夏の夜の不思議なお祭り、見知らぬ人のヴァイオリン……ごく短いお話の中に散りばめられた輝きに、胸を締めつけられる思いがする。心なしかシナモンシュガーの香りまで漂ってくるような。この切なさ懐かしさを、ユーリはきっと抱きしめたまま大人になれるんだろうな。
    春の出会いと夏の夜の冒険を行き来するうち、未来まで交錯しだしたらしいあの埠頭の場面がとても好き。うさぎがうさぎとしてユーリと出会ったのも、あるいは偶然じゃないのかも。

  • 何回目かの再読。やっぱり大好き。シナモンのたっぷりかかったドーナツ。クラブ・ソーダの王冠。「ねぇ、どうしてきれいなだけじゃだめなの?この世界では」

  • 少年とうさぎの出会いと別れまで。
    なんだかわからないけど、うさぎと出会って、別れるまでに少年は少し自分のことがわかり、変化する。


    最初のころの長野まゆみ作品に似ている。
    小道具とか、雰囲気とか。

  • いい!

  • 少年ユーリが不思議なうさぎと出会ってお別れするまでの物語。
    絵本みたいにわくわくするシーンが多いけど、うさぎの発言はけっこう哲学的。

  • ぼくだけじゃないよ。どこから来たのか、どこへいくのか、だれだって知らないんだ。いつ、この地上から去ることになるのかも。

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著者プロフィール

1955年、東京に生まれる。1986年、毎日童話新人賞受賞。2005年、泉鏡花文学賞受賞。童話、小説、詩、戯曲と多様な表現形態を持ち、題材も天文学から先住民文化まで幅広い。2006年、奈良移住をきっかけに日本の古典に興味を持ち、絵巻絵本『空飛ぶ鉢 国宝信貴山縁起絵巻より』『生まれかわり 東大寺大仏縁起絵巻より』『祈りのちから 東大寺大仏縁起絵巻より』を企画制作。朗読ユニット「勾玉天龍座」を結成、古事記の朗読奉納を行っている。

「2015年 『絵本古事記 よみがえり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

寮美千子の作品

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