ミステリアス・クリスマス

  • エフ企画
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本棚登録 : 39
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894192157

感想・レビュー・書評

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  • クリスマスにしては、暗くミステリアスな話ね…

  • クリスマスにゴースト・ストーリーを話すというイギリスの慣習をそのまま、一冊の中にとじこめたアンソロジー。

    ゴースト・ストーリーといっても幽霊が出てくるお話だけではなく、背筋が寒くなるような話といった基準で選ばれている。
    まったく結末が想像できないお話、または想像できてしまうが”やっぱり”と思って怖い話。

    怪奇的な現象が現象のままで、謎が明かされないというのもミステリアスで良い。
    読み終えた後、そんな現象の意味をさぐるのも楽しみの一つ。

    一人ひとりがゴースト・ストーリーを得意とする作家でありながら、みな一様にヤング・アダルトといった多感な時期の子供たちに向けての小説で賞をとった作家だというのも面白い。

    大人も子供も、冬の炉辺(ストーブのそば)で静かに読むのがおすすめ。

  • イギリスでは「クリスマスにゴーストストーリーを」という慣習があるのだそうです。なんて素晴らしい! というわけで、聖夜にひっそりと読みたい一冊。派手ではないけれどじわじわと物静かな恐怖が感じられる作品が多いです。
    お気に入りはスーザン・プライス「果たされた約束」。サンタじゃなくってこんなのが来ちゃったら……とても怖い! というわけで、クリスマスの夜に読むとリアルに怖い一作。
    デヴィド・ベルビン「切ってやろうか?」も好き。途切れない緊迫感でどきどきしながら読み進みましたが、まさかそういう物語だったとは! 意味深なタイトルもまた素敵。

  • 楽しいクリスマスを
    クリスマスまで残すところ、あと11ヶ月となりました。
    というのは「笑点」の年始の挨拶の決まり文句の真似だが、本書はそんな明るい言葉とは正反対。

    本書に集められたのは恐ろしいクリスマスばかり。
    明るくて、暖かくて、幸せなはずのクリスマス。
    それがろうそくの炎が消えるように真っ暗なものになる。
    ただ一つ、最後の物語だけは、サンタクロースの贈り物のよう。
    それ以外は決して、決して開けてはならないプレゼント。
    この物語の数々は、どの意味のpresent?

    『切ってやろうか?』はビリーという少年の視点から物語が始まる。
    彼は家出をしてホームレスとして1年を過ごしてきた。
    しかし、ひどいながらも、父親のいる家に戻ろう、そう思っていたのだ。
    しかし彼がヒッチハイクしたのは、よりにもよってこれから殺人を犯そうとしている恐ろしい男のトラックだった。
    そこから逃れようとするが結局それに乗って......。
    だが恐ろしいのはここからだった。
    作者の術中にまんまとはまる恐ろしさを体験できる。

    『暗い雲におおわれて』
    生きている絵を題材にした物語。
    短編ながら実に面白い。
    この暗い雲のイメージは誰だろうか、私はモーリス・ド・ブラマンクの冬を題材にした絵が思い浮かんだ。
    「お母さんには病気はもう過去のことだから」。
    言葉とは多面的であると感じさせる物語だ。

    『狩人の館』
    因果応報、無間地獄。
    東洋的な展開の物語。
    永遠に続く苦しみほど辛く恐ろしいものはない。
    何度もなんども繰り返される。
    明日はやってくる。
    しかしその明日は同じ今日。

    恐ろしいクリスマスが待っている。
    一編ずつ読んで、クリスマスを楽しみに迎えよう。
    そうすればきっと、今年のクリスマスはさぞかし楽しいクリスマスになるだろう......。

  • ◆「クリスマスにゴーストストーリーを!」というイギリスの慣習から生まれたYA向けクリスマス・アンソロジー。なかなか本格的。主人公に同化してゾクゾクさせられました(笑)
    ◆イヤミス率高し。環境に恵まれない子どもが多く出てくることに戸惑いました。マッチ売りの少女などおとぎ話なら深く気に留めない貧困が、リアルに描写されているのがこたえます。日本のYAは、経済的に恵まれた主人公が多い気がします。
    ◆最後のお話が唯一後味悪くないものなので、最後まで読んでほしい。
    ◆イギリスのクリスマス事情がわかる解説もよかったです。
    ◆「スナップドラゴン」ジリアン・クロス◆「切ってやろうか?」デイヴィド・ベルビン◆「果たされた約束」スーザン・プライス◆「暗い雲におおわれて」ロバート・スウィンデルズ
    ◆「狩人の館」ギャリー・キルワース
    ◆「ベッキーの人形」ジョーン・エイキン
    ◆「思い出は炎のなかに」アデーレ・ジェラス…の7篇。
    ジョーン・エイキン目当てに読みましたが、いずれの作品も面白かったです。

  • クリスマスに怖い話をしよう。
    『切ってやろうか』がいちばん好き。

  • タイトルにマッチしているのは最後の話だけで、あとは「ミステリアス」というよりは「ダーク」なクリスマスのストーリー。それでも気になる作家のスーザン・プライスが期待を裏切らなかったし、全体的にはまずまずの面白さだと思う。分類的には児童文学らしいけれど、日本では子供向けとするには少々きついなー。

    <収録作家>
    ロバート・ スウィンデルズ、デイヴィド・べルビン、ジリアン・ クロス、スーザン・ プライス、ギャリー・キルワース、ジョーン・エイキン、アデーレ・ジェラス、

  • 最近また無償に読みたくなって実家から取り寄せようと思いましたがタイトルを失念、、、涙

    ネットで検索するも、まったく見つからずあきらめかけてたところ偶然発見!

    ちなみに出会いもたまたま行ったBOOKOFFでヒトメぼれし即買いしましたw

    クリスマスに関連がある短編オムニバスでちょいホラー★
    カバーの絵の感じも好きです^^

  • ロマンティックじゃないクリスマスを味わせてくれる1冊。
    なので印象に残っている。
    学生時代に読んだきりなのでもう1度読んでみたい。

  • クリスマスにまつわるミステリー(ちょっとホラー的な)の短編集です。夜中に中学生が読むにはちょっと怖い話も含まれています。
    短編集なので、面白い話もあれば、つまらないと感じた話もありました。総評して★2つというあたりでしょうか。

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